2009年05月

2009/05/27

Google Ad Plannerで重要なのはComp Indexだと思います

Google Ad Planner

Google Ad Planner(アドプランナー)で“あのサイトのPVやUU”を調べてみよう!(Web担解説記事)

Googleのサイト視聴率データ&メディアプランニングツールであるGoogle Ad Planner、昔は日本データはひどくて使い物にならなかったんですが、アップデートされました。で、なにかと話題になってますが、なんとも哀しき重箱な議論が展開されており。値の違いやボットのカウントなんて話はモニタ数やスタッフリソースの気合いの入れ具合で解決する問題なので、本腰を入れてない現時点で議論してもなぁ。。(というか、ログを見る人間ならわかると思いますが、世の中に"正確なデータ"など存在しない)

で、重要なのは広告代理店のメディアプランニング業務は"Comp Index"という項目を使うだけで、経験と勘よりも正確なプランニングがデータに基づいてできてしまい、いずれAdWordsのプレースメントターゲットとつながるって所だしょう。Comp Indexとは、つまりはどんだけその対象サイトがネット全体と比べて乖離してるかっていう指標。自サイトや、自サイトと似ている大きなサイトを投入して実行すると、ポンと答えが出るわけです。大型サイトは代理店の扱いなので、それ以外が重要。

サイト指定の、いわゆる"アドマーケットプレイス"は、この機能があってこそ成立する。単なるサイト分類とかデモグラ数値とか、まったく意味ないし。さらにUVの推測値が違ってたってたいした問題じゃないわけで。ぶっちゃけどうでもいいことでしょう。ヒトに納得性を与えるだけの、Googleらしからぬ材料なのですから

今は最小単位がドメインなので使い物にならないけど、これがサブドメインやAdSenseグループやディレクトリ、ブログのID単位になってくると・・・2001年宇宙の旅でいうところのモノリスとの遭遇ですね、ボーマン船長。

Stop, Dave. I'm... afraid. Daisy... Daisy...



2009/05/23

楽天スーパーDBターゲティング広告にまつわるスーパーディープなエトセトラ

風邪をひいたわけですけれども。けっこう流行ってます、普通の風邪。静養中につきこんな美しい青空の中、暇です。

基本的に将来に対する不安というのはほとんど持っていないわけですけれども、唯一漠然とした不安を感じるのが風邪をひいたとき。「深く考えられない」「簡単な問題が解けない」「集中力がなくなる」といった症状が出てくるわけで、脳がすべての仕事をしているともう帰るしかないわけです、いくら時間かけても意味ないし。で、年齢を重ねるごとにきっと常にこういう状態になるのだと思うと、俺はこのままこの道を進んでいて大丈夫なのか、と一抹の不安がよぎったりするわけですね。とはいえ俺にはサムライ道しかないだろうなぁという結論、毎度。

楽天、マーケティングデータベース「楽天スーパーDB」を活用した広告の配信を開始

楽天さんが、「楽天行動ターゲティング」をリニューアルして「楽天スーパーDBターゲティング広告」へ。下記のカテゴリ(データマイニングの世界で言えば「変数」)が加わっています。

◇ターゲティングカテゴリ一覧
(従来より展開)
1、年齢
2、性別
3、地域
4、商品閲覧履歴 

(新しく追加されたカテゴリ)
5、商品購買履歴
6、楽天会員ランク
7、楽天スーパーポイント
8、特性
9、ライフステージ
10、楽天グループ利用履歴
11、年収
12、未既婚
13、住居形態
14、保有携帯キャリア


4月頃にリリースされていた内容と変わっていなければ、これらのカテゴリは人間が手動で選択するものです。たとえば、「花」カテゴリを閲覧した壮年女性に配信します、といった感じで。

一方、データマイニング側からのアプローチを行っている行動ターゲティングでは、これらのカテゴリの選定はアルゴリズム(ロボット・人工知能)が行います。データに基づいて、カテゴリ間の膨大な組み合わせの中から最適な組み合わせを探すわけです。

この2つはそのまま、「行動ターゲティング」と同一呼称で呼ばれるけれども、イデオロギーのまったく違う2軸に分かれるわけです。「このサイトの履歴を〜」「この検索ワードを〜」と明確に公開できるのを"マニュアルBT"、「データに基づいて最適な〜」と曖昧にしか説明できないのを"ロボBT"と呼びます(造語)。日本ではほとんどマニュアルBTです。主な違いとしてはこんな感じかと。

隠れ層の問題
世の中往々にして、結果からはプロセスが見えない。広告で言えば、特定の変数で効果が良かったとしても、なぜ効果が良かったのかの本当の理由は、実際誰にもわからない。
たとえば、新型インフルエンザの発症者が神戸大阪の男子高校生に偏っているという結果。部活なのかもしれないし、遺伝子的な何かかもしれない。とにかくわからないが、アルゴリズムでは、どんな人が感染しそうかを的確に予測できる、理由はよくわからないが。人間が考え得る区分では、関西の男子高校生でアクティブ、くらいが限度。
翻って、マニュアルBTではマーケティングに通じた人間の経験から絞っていき、それに配信結果に基づいて人間が最適化していくわけですが、ロボBTでは、時として目を疑うようなことを言い出すわけです。今のインフルで言えば、北海道の4歳児が危ない、とか。でも往々にしてそれは正しいわけです、しっかりとした人が組んだゴミの無いアルゴリズムであれば。

労力の問題
広告はリスティングよろしく、細かければ細かくターゲティングするほど効果は良いわけです。ただ、絞り込めば絞り込むほど、配信量は減少していくため、人間には比例して労力がかかってきます。
一方、アルゴリズムでは事前の設定がちゃんとできていれば、あとは比較的容易に、細かく答えを出してくれます。ただし、「オッカムの剃刀」という有名な言葉があるのだが、細かくしすぎると、激しき副作用が。
リスティングに通じた方は、自動運用ツールに対してネガティブな方も多いと思いますが、BTはたくさんの変数(どんなユーザーが?どんな媒体のどんな枠で?とか)を持っているので、結構話は違います。自動運用ツールベンダーにて取得できる変数はすごく限られてる。データマイニングでは、変数はあればあるほど良い。(実際はほとんど捨てちゃうけど)

見えやすさの問題
ロボBTの最大の弱点は、なにやってんだかわかんねぇってところ。米国では有象無象の数百のアドネットワークが「うちはBTやっててさぁ〜」と言っているけれど、たぶんほとんどまともにやってない。しかも情報を公開しないもんだから、広告主としては多いに不安。事実かなり騙されているようだし。で、結果が勝負になって、効果が悪かった場合、情状酌量にはならない。
その点、マニュアルBTはわかりやすいし、営業マンも説明しやすい。

まぁもろもろウォール街的なわけですわね。アルゴリズムによって組成して販売するという。ただ、ウォール街の自滅は、BTを例にすれば、「A社のBTはCPAが5,000円を切れる可能性が高く、B社のBTは7,000円程度だから、これを7:3で配合しよう。さらにこれをZ社に代理販売させよう」的なものが何層にも積み上がって、結局本当の予測値が見えなくなったというところが問題でした。金融商品も、初期商品は良質だったに違いありません。

で、今回の楽天スーパーDBの項目を見て直感的に感じるのは、この変数を人間が選定するのはなかなかに大変だなぁ、と。ただ、今回は業界に対してのわかりやすさを優先してのとりあえずのリリースとなったのでしょう。あれだけのアセットを持っていながら、有益なモデルをデータマイニングから抽出できないはずは無いのですから。

また、今回「行動ターゲティング」という言葉を商品名から外したのは、ちょっと話題になってしまったもうひとつの行動ターゲティング商品との差別化という意味合いとともに、単なる行動履歴だけではないという意味合いも込められているのでしょう。「行動ターゲティング」とは単なるヒトの認識部分を指す言葉ですし、今後は多くの事業者でも総合的な名称になるんじゃないでしょうか、数年後には。

//ディスクロージャーとか//
著者は特定アドネットワーク事業者のなかの人ですが、本内容は所属する企業の意志とは一切関係ありません。

2009/05/21

インフルエンザ狂騒曲の指揮棒

データマイニングにおいては「リフト」というワードが重要なのだが、ちょうどいい例があるので。

新型インフルエンザの日本での発症人数が何人であろうが、ほとんど有益な情報にはならない。重要なのは、既存のインフルエンザや他の病気との比較。この考え方が、『リフト』的な発想。

X÷Y=リフト値
X:測りたい数字
Y:基準となる数字

リフト値が1なら、平均と変わらない。数字が大きくなるほど強くて、0に近づくほど弱い。
難しいことは何もない小学3年生くらいの式。ただ、どの項目同士を使うのかが問題。

たとえば、
新型インフルエンザの発症者に占める死亡者もしくは重度の後遺症を残す患者の比率÷既存のインフルエンザの発症者に占める死亡者重度の後遺症を残す患者の比率
とか、
エリア内1000人あたりの新型インフルエンザ発症者比率÷エリア内1000人あたりの既存インフルエンザ発症者比率
とか。

また別の話ですが、強大な敵に攻めたてられてろう城作戦を執るのは、その敵が冬の到来や食料供給難などによっていつか撤退することがわかってない限りはすべきじゃない。無駄にたくさんの人々が飢えるだけ。最大多数の不幸せ。水際で防いでいる間に超絶的な武器が開発されるなら別として。

まぁゼロベース思考って、常識にとらわれないって感じなんだけど、おうおうにして空気よめてないこと言っちゃうわけなんですけどね
ただただ、インフルエンザ狂騒曲の指揮棒を振ってるひとたちは、本業の落ちこみを補うための事業の多角化よりも、従業員給与の引き下げをすべきだ、と妬むわけですよ。おほほ。

2009/05/13

アド-ベンチャーの終わり

我が社のメンバーも50人を超え、完全に狭義の"ベンチャー"の時期を終えたことを痛感する。よく耳にすることだが、1つのビジネスユニットにとって、50はマジックナンバーだろう。

スピードよりリスク低減。ベータ版よりブランド。手を動かすより調整。責任の所在を明確化して分業。初期メンバーは特にワークスタイルを切り替えないといけない(特に俺)。切り替えられない場合は去るしか無い。ベンチャーは巨象が一歩を踏み出す前にチョロチョロ進む鼠。脱ベンチャー宣言の後は、赤い海で巨象に正面から闘うためにあらゆる手法を切り替えねばならない。一歩先行きひとひねりする桂馬的ベンチャーと、とにかく先端駆ける香車的ベンチャーがあるが、いずれも敵陣に入れば通常は成金になるべきだ。

30で水着着れるのはほしのあきくらいなもんで、米倉涼子を目指さないといけないってこった。

2009/05/07

Ad Exchange?アドマーケットプレイス?アドネットワーク?

海外ニュースや海外ブログの情報は社内向けにだけ共有していたのだけれど、なんだか内向きで悲しい気持ちなので、このブログで。まだまだこの業態は競合を出し抜くよりも啓蒙が必要なフェーズだので。先行者メリットが小さく、最終的には実力で決着つくって理由もある、政治力以外だと。

さて。

以前から非常にスマートなエントリーを連発していた、元RightMediaのMike氏が、またまたすばらしいエントリーを上げています。(ちょうど俺が一番書きたかった記事だった)

I don’t care who you say you are, what do you DO?

Ad Exchange(アドマーケットプレイス)が登場してから数年間、この世界の変化が止まっていることを嘆いています。各社がバラバラの呼称で自サービスを定義するので認識が混乱しているため、プレーヤーをまとめてくれています。以下抜粋。

サービス
自社メディア販売
 CPMと収益の増大
他社広告枠の再販
 他社の枠の買付額と広告主への販売額の差益の最大化
枠もしくは広告主の代理
 固定マージンで媒体を助ける。枠収益の最大化か広告主のROI最大化
データアグリゲーション
 ユーザーデータの集約と再販。SafariとIE8を嫌っている

テクノロジー
内部アドサーバ
 自社ネットワーク内でのみ稼動する。テクノロジーを競合優位性と見なしている。
外部利用可能アドサーバ
 アドサーバ利用ライセンスを第三者企業へ提供。複数の企業が同一プラットフォームを利用することで、集約と連結機会が提供される。
内部トレーディング
 外部利用可能アドサーバを通じて枠の売買ができる。規模が大きいほど価値が上がるネットワーク効果。
買付API提供
 購入側がクリエイティブのUPや管理できるAPIを提供。
販売API提供
 いくらで購入されるかをリアルタイムで要求できる。
※上記リストにクリエイティブオプティマイズ・BT分類・コンテンツ解析は含まれない。

と定義した上で、結局は各事業者ごとにやっていることはバラバラなので、単純に事業者に呼称を付けることはできないよ、というオチです。

日本における「アドマーケットプレイス」という呼称は”広告主が媒体を選んで直接取引をする場所”というのが大方の認識だと思われますが、それは米国で"Ad Market Place"や"Ad Exchange"と呼ばれるもののごく一部の機能であるということです。日本のアルファブロガーの方でも上記の1対1取引を前提にして説明をされる方が多いのですが、おそらくこの1対1取引だけではネットワークが成立しないでしょう。日本でも数社が「アドマーケットプレイス」を手がけていますが、いずれも1対1取引のものです。

なぜウォール街とこの世界を同一視するのか、その一端が覗けると思います。複雑怪奇という意味でも。



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