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2009/08

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MSの検索エンジンBing、Wolfram|Alphaとライセンシング契約を締結
Wolfram|Alphaは通常の検索エンジンと異なり、検索キーワードに関連するページへのリンク一覧は返さない。その代わりに、株価や複雑な数式といった質問に対する答えを提供する。

ごく一部で話題のWolfram|Alphaですが、MSのBingの検索結果に取り入れられるようです。Wolfram|Alphaが適しているごく一部のクエリの時だけポコっと出てくる感じだと思いますが。

Google創業者も気にしていると伝わるWolfram|Alphaは、なんといっても数学的アプローチによるものだから注目さるる。Web上のデータをまとめてデータマイニングし、そこから答えを持っているであろうページに人間を送り出す既存の検索エンジンとはまったく違うアプローチ。この話は、Webマーケティングにも通ずる道だと思っていて。というのは、行動ターゲティングやその他各種のオプティマイザーを含めて、過去の結果から予測するアプローチなのだけれど、数学的アプローチの場合はまったく違う。要素同士を掛け合わせて答えを出すというかなんというか。PhotoshopのドットとIllustratorのベジエの違いにも近い感覚。

データマイニング的アプローチでは、広告配信のCPAを基準とした場合、どんな媒体の・どのページで・どの枠で・どんなユーザーが・どんなクリエイティブで・どんなランディングページで・何曜日に・何時に・何回目のフリークエンシーで・・・といったところのデータで最適化していく。一方、数学的に行くと、もっと奥底から引っ張り出す。ここは自分でもまだ仮説すら立てられてないんだけど、人間の思考・行動パターンからするとこうなる、というのが計算で出せるんじゃないかと。広告ごとの実績ベースじゃなくて。つまり、何故その場合効果が良かったのかを理解した上で最適化するという。たとえば、世田谷区と甲府は地理的には近いけれど、住む人の思考方法も気候も年収も職業も何もかもまるで違う。むしろ世田谷区からは遠い大阪の方が近いはず。仮に甲府の広告効果が良かったら、良かった理由を様々な角度から分析される、人口動態的なとこも含め。ってなところも、実績ベース+数学でできるんじゃないかなぁ、と。でも、計算量が膨大になりすぎて今だと到底無理だし、結局ニューロンを再現しないとダメじゃんってことになって無理かもしれないけど、ある程度近似するものはいつかできるんじゃないかなぁと思ってて。

そんな世界がきたら、SASやSPSSで簡単に扱えるようなデータマイニング的手法、つまり機械学習系の流れってマーケティングの世界ではダメじゃんってなりかねないなぁと、結構思っているわけです。ソフトウェアではKXENは数学的なアプローチだと謳っているけど、ほんとのとこよくわからんし、深い層での数学ではないと思う。おそらく内部処理の話かと。(少なくとも伝統的データマイニング派の俺からすると、プロセスが見えないのってかなりつらい。ゴミが見えないので間違ったまま進んでしまう。)

擬似人間を作ろうという人工知能の研究が廃れたのも、既存のアプローチの延長で研究を進めても、到底人間は作れないことが誰の目にも明らかになったから。月に行くためにハシゴを作ろうとするのと一緒で。たとえば蜂っぽいなんらかの虫の画像インプットがあった場合、蜂と羽蟻と虻の全種類を事前にインプットして持っておいて引っ張り出すのは限界なので、「黄色系と黒系のしましまで、羽を持った2cm以上の昆虫は毒を持っている可能性があるので注意すべし」とかいう判断をできる人工知能でないと、いかんのよね。今の技術ではこれすら到底できないと思うけど。で、結局擬似人間ではなく、何らかの業務に特化した人工知能分野(データマイニング)だけが発達した、という歴史。

Wolfram|Alphaと既存検索エンジンロジックに関して言えば、クエリ(目的)に応じて使い分けられるべきだし、どっちかが駆逐するなんてことはないというのはみんな言ってるとおりだと思う。試験に暗記問題と考える問題があるのと一緒で。

まぁ、いずれにせよ、いつかマーケティング界の革命は起きると思う、俺の目が黒いうちに。なーんてことを、商学部出身、数A数Iでリタイヤした人間が月を眺めながらブログ投稿ボタンを押すのです。

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京都1区の選挙区民、俺です。見事公約を達成しました!ここで宣言したTOEIC65点UPの公約を。しかもJUST 65点UPでキリ番スコアってのが、営業時代の粘りの無さに定評のあった俺らしからぬ粘りのピッチング。

TOEICは新テストになってからの結果通知がすばらしいですよね。そもそもスコアの算出自体が統計的処理されていることが思想的に魅かれるんですが、新テストは結果レポートにもビンビン魅かれる。同じスコアレベルの受験者と比べて、章別にどこが得点できたか、できなかったかが出てくる。たとえば、俺は文法が同レベルの受験者と比べて18点低かったので、ここを集中的に強化すれば、お前程度の奴なら比較的容易に18点は上げられるはずだ、と。

統計の世界風にこの分割を言えば、リスニングが受験者数に勘を加味して3分位分割、リーディングが受験者数に勘を加味して4分位分割。受験者の分布データはこちら

ビジネス風にこのデータの目的を言えばベンチマーク。広告主による広告効果検証であれば競合比較、同枠他社との比較、同種媒体の比較、とか。単に自分の数字だけを眺めてても間違うだけだ。TOEICも、リスニングよりリーディングの方がスコアが低いからといって、リーディングが甘いわけじゃないはず。リスニングとリーディングの平均点は50点以上違うのだから。とか偉そうなことを言っているけど、まだろくに幼稚園生レベルにも喋れないですけどね。

TOEICのように正しい指標は一見分かりづらいのだけれど、正しい判断のためには一見分かりづらくとも正しい指標を頑に出すべきだなぁ、と頑に標準偏差(SD)を出し続けるTOEICをみて思ったのでした。特にビジネスの世界では。平均の怖さを知る人間は、必ず分布の確認をします。そして、グループ内比較・グループ間比較をしないととんでもない結果を出してしまう。そこらへんで、BI(Business Intelligence)でも統計の知識無くとも誤った判断を導かないソリューションがあればBI業界のレボリューションだろうなぁ。

さて、京都1区と言えば、そう伊吹文明氏のお膝元で。そもそも小選挙区なんざぁ伊吹氏が当選する確率はSD2(2σ)以上だと思っていて興味も持ってなかったのだけれど、Google 未来を選ぼう 衆院選2009 | 京都1区で、検索数が民主党候補が伊吹文明に肉薄している(8月23日現在)。これはひょっとするとひょっとする可能性もなきにしもあらずのか??伊吹文明苦虫、比例にて救出!?まぁ関係ないけど

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朝早く目覚めてしまいました。このところ朝早く目覚めると、草なぎ君事件が起こってたり、マイケルが逝ってしまったりと、社会の"気"を感じられる才能があるんじゃないかと非科学的な思いを巡らせていたわけですが、幸い今日は何もなくてよかったので呑気にブロギング。

Breaking: MySpace Close To Acquiring iLike For $20 Million
MySpace is close to acquiring popular social music service iLike, we’ve confirmed with multiple sources.

昨日はFacebookの音楽アプリの権化『iLike』がMySpaceに買収されるというニュースが飛び込んできました。俺が最も活用しているFacebookアプリであり、Facebookの凄さを最も感じられるアプリのひとつです。iLikeは単なる好きなアーティストのライブやCD発売などの最新情報のお知らせをするだけでなく、ユーザーが作り上げる情報である点にすごさがある。言わば、コミュニティ機能と適度なプッシュ性を備えたリアルタイム性豊かな音楽特化型Wikipedia(長げぇよ)。非常に説明し難いのだけど、たとえばmixiのコミュより遙かに"頭がいい"。情報にタグ付けがされているから整理されてるとも言うのだろうか。そのiLikeは、アーティストとユーザーのつながりを中心としてヒットしたが倦怠期を迎えているSNS、MySpaceに会社ごと売ってしまったと。

で、先日はフィードおまとめサービス『FriendFeed』がFacebookに買収されました。FriendFeedは、Facebook、twitter、ブログ(RSS)、flickerやdeliciousなどの、さまざまなユーザーのアクションFeedをまとめてひとつのストリームにして表示してしまうサービス。Facebookでも同機能は実現可能だけど、FriendFeedの方が優れていたりする。"情報を提供される"から"情報を取りに行く"になり、その次に"自分に合った情報を浴びる"時代へと今は移行していることを最も感じられるサービスのひとつ。

で、このFacebookアプリ2大巨頭が相次いでSNS傘下に入るというのは、ちょっと起業家精神として、アメリカってやっぱそういう感じなのねぇとなんとなく残念な気分だったりするのだけど、論理的に考えれば正しい気もして、娘を野球選手の嫁に出すような気分ですよ(知らねぇよ)。

この2社のサービスはともにプラットフォームサービスであり、SNSというプラットフォームの上に乗っかっているプラットフォームなわけで。つまり、ゲームやニュースや便利ツールみたいに自身でコンテンツやツールを作っているわけではない。となると、SNSプラットフォームに乗っかる、プラットフォーム on プラットフォームになって、実力で師匠を超えてしまった弟子みたいな微妙な空気感となり。破門リスクにおびえながら投資を続けるよりは、合体しちまおうと、そんなことなのかなと思ふ(でも$20Mは安いと思うけど)。だから、Facebookはゲームアプリ制作会社やツール制作会社は今後も買わないだろうし。過去のWindows×メディアプレーヤーやWindows×ブラウザも同じ構造の話だし、リアルやネスケの結末を見ても、そういうことなんだろうなぁ。

っていうか、サービスとしてはiLikeがMySpaceを飲み込んでもいいくらいだと思う。資本じゃなくて。そんくらいのパラダイムシフトは起きてる。Webは日に日にインテリジェントになってる。っていうか、俺はどうにもMySpaceのぐじゃぐじゃで"スクローリー"なデザインが許せないの!!なによりも整然としたFacebookが大好きだ。

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さて、先週は実家に帰っていたわけですが、父親の勤めていた会社が実は元々外資系だったという話から、その会社の100年史を読みふける展開に。

父親が30年以上勤め上げた会社は、戦前に設立され、今や誰でも知ってるグローバルな大企業。その第一歩は、米国の会社が日本で展開する際、政府によって無理矢理日米合弁会社にさせられたというものでした。現在の中国の市場化と同じような状態。当時の日本の技術は米国と比べて大いに遅れていた。だが、国に護られ、国に納め、成長し、国内で圧倒的な地位を持つに至る。が、最終的にはグローバル展開して規格の外部ネットワーク性によって世界を制圧した米国製品に木っ端微塵に叩きのめされて今に至る。

この話の前半部はまさにドラマ『官僚たちの夏』の舞台。主役の佐藤浩市が国内産業を保護するために闘うというのが大まかなストーリー。ただ、俺は主役兼男前の佐藤浩市には一切感情移入していない。

さて。ネット業界はといえば、日本は数社を除いて米国企業に制圧され(利益を吸い取られ)ており、何を隠そう俺のビジネスの最大最強のコンペティターは米国企業であり。時に日本国に助けを求めたくもなるが、個人的なイデオロギーとしてそれはありえねぇなとも思うわけで。

結局、情報化社会においては国内で産業を保護することの意味がある業界って、すごく少なくなっていると思われ。日本というビニールハウスで苗木を育ててからっていうやり方。ちょっと話違うんだけど、ことウェブ業界では国境無いし、支援しても情報大航海プロジェクトみたいに「俺の血税がこのサービスに...」っていうお金の使い方にしかならんと思うのよね。

だめだ。どうにもまとまらない。

はい。今回の総選挙、どうしようかね。これまでの投票行動は、明らかなる死票は投じないような美人投票的な選択をしてきたのだけど、今回ばかりは死票を投じるしかなさそうだ。にしても、政党のイデオロギーって、こんなにコロコロ変わっていいのかね、風まかせに。

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