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2009/10

ネット業界もいろいろ〜世界の車窓から〜

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久しぶりに京都の自宅でゆったりとした土曜日を迎えています。東京にいる頃よりも京都に来てからの方が積極的に(東京の)人に会うようになるという不思議。来週末からはad:tech NYに行かせていただくので、またいろいろと大変です。SFに数日間滞在してから行くので、時間があればGoogleplex前で記念撮影してくるかも聖地巡礼。

4dc23d2cそんなこんなで、この季節は米国のネット広告業界の動きが激しく。なぜかこのブログもアクセスが激増中。なかのひとで見るとギョーカイからのアクセスが多いのにリファラは無いという不気味さ。ギョーカイシェアトップ5からのアクセスコンプリートはヤバすぎるので、とりあえず発言に注意ですな。Twitterで誰かにリンクされたっぽい。

ってなことがなぜわかるのかというと、Google Analyticsのアドバンストセグメント機能。リファラやIPや検索ワードでユーザーを定義づけて他の分析時に使える。さらに今週、滞在時間やページ数を目標設定できるようになったので、このブログみたいに明確なCV(転換)が無いサイトでも、どの媒体やどの検索ワードが深いエンゲージを得られるかがわかる。ちなみに、今回Twitterから来た人は最も閲覧時間が長く、直帰率も最も低かったので、興味を持っていただけたのではないかと推測できるわけですな。

で、Twitterが噂通りGoogleとMicrosoftにデータ提供すると発表しましたな。このエントリーで気になってた契約条件は一切公開されず。株主にはとても言えない金額だったんじゃなかろうか。
Google Social SearchをWeb 2.0 Summitで発表-ユーザのSNSから検索結果を取り出す(TechCrunch)
John BattelleがMayerに、TwitterはGoogleにどう関わるのかと聞いた。Mayer曰く、それは通常の検索結果に一体化されるだろう。その中心的な機能は、最新のニュースや話題について、まだ記事やブログが書かれていない段階で情報を得ることだ。

そして、MicrosoftがFacebookのデータ取得の同時発表するあたり、最近の自分の見えざる手っぷりに酔いしれぬる。
対照的に、FacebookとBingの契約では、金は問題にならなかった。FacebookのCOO Sheryl Sandbergが今朝言ったように、”うちはデータで金を儲けるつもりはない“のだ。

$1のお金も動かなかったようで、これが単体事業のTwitterと複合事業のFacebookの違いなんだろな。とりあえず、GoogleとMSが実態価値の無いデータを買ったということでお話終了。

RTB Part II: Supply supply supply!(Mike On Ads)
This is going to have huge implications for the display advertising space ? primarily, the traditional ad-network model is on it’s last legs.

そんなGoogleの発表したAdExchangeのバージョンアップについて、このブログで何度も紹介している元RightMediaのMike氏が興味深いエントリーを上げています。媒体との関係の時代から、オープンな取引市場への移行について。そしてその時代における重要なポイントについて。

Audience Science to Push Agency-Aimed Service with Funding
Its audience segmentation service, used by agencies and advertisers, combines advertiser data with data from third parties to better understand advertisers' site audiences. They can then construct audience segments to inform media buys through Audience Science, or other networks or publishers.

LZZZZZZZその一方で行動ターゲティングベンダーAudienceScienceはちゃっかり$20M(18億円)を資金調達。世界で25人採用するためとな。さらに代理店や広告主向けソリューションとして、広告主サイトのユーザーをより理解できるような第三者データと結合し、AudienceScienceや外部ネットワークや媒体の買付時に利用できるというもの。そのサービスはすごく良いと思うんだけれども、米国のアドネットワーク系の資金調達っぷりはどうかと思いますよ。もしもお金がたくさんあったなら。

ブレインパッドとダブルクリック社、 "行動ターゲィングレコメンドメールサービス"提供開始

そんな行動ターゲティング業界ですが、日本でもちょっとした動き。サイト内レコメンドを提供するブレインパッドがダブルクリックのメールシステムClickM@ilerと連携。すでにClickM@ilerはオムニチュアとKBMJとは接続できているので、レコメンドエンジンとのパートナー率はかなり上がってきましたね。ただ、DMと違ってメールは配信コストがゼロであるので、極端な話、全配信してしまえばいいのだけれど、ターゲティングする理由というのはスパム化を防止しつつ最適なクロスセル&アップセルをかけるというものであり、たぶんスコアの高いユーザーってのは一部の優良顧客になるはず。だからうっかりすると優良顧客には毎日メールが飛んでしまったり、1日に3通のメールが来たりといったことが起こりかねないので、ここらへんの最適化をきちんと行えてないエンジンが現れたりするとレコメンドメールカテゴリ自体が悪評で死んでしまうので、怖いところです。今のところ大丈夫だと思いますが。

長い。もっと短く、たくさんの記事を書けばもっと読まれるだろうに。でも、今年の3月頃からビジネスにテーマを絞って以来、セッション数がものすごくきれいな右肩上がりなのだよなぁ、リピーター数は伸び悩むが。。

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今日はSPSSの主催するデータマイニングのイベント『SPSS Directions 2009』に行ってきました。SPSSのイベントは、学会の大会とは違ってビジネスユーザーの場であり、非常にビジネスに近い内容なので毎回大いに得るものがあります。

今回異彩を放っていたのがオプトのデータ分析研究所の中川斉氏の講演。実にセンスのある分析を、実に鮮やかにプレゼンされてました。「分析」というと、まるで答えのある算数の問題のように聞こえるが、マーケティング領域の分析には正解はおろか問題も無く、問題の作り方に経験に基づくセンスが必要。それが顕著に現れるのが、マーケティング領域のアカデミック世界。産学連携とは簡単に言うけれど、ことマーケティング領域の統計学・機械学習系のアカデミック世界と産業界の谷は果てしなく深い。残念ながら、最新のアカデミック世界の成果をネット広告業界に転用できそうなものは見つけたことがない。なぜなら研究テーマ(問題)の選定の時点で「おや?」というものが多く。

さて。オプトには中川氏のような強力な人材がジョインしたようですが、弊社グループはどうなのだろうか。こうした人材の話は聞いたことがないけれど。オプト データ分析研究所がこれだけ幅広い領域を手がけているのであれば、おそらく人員は一人や二人ではないはず。ああうちにも強力なパートナーが欲しい。個人的には新卒採用や第二新卒の採用にこだわらない方がいいと思っているんだけれども。強力なリーダーに関しては。

ところで講演の中で、某ツールバーにてアクティブユーザー30万人で1日1500万レコードの全Web履歴が取れるとあったんだけど、これはYahoo!ツールバーのデータがオプトに行ってるんかな。それ以外考えられんが。死ぬほどうらやましい。数だけでなく、質もNetRatingsよりも上だろうね。広告代理店という機能を超える可能性を秘めたデータ。年俸よりもこのデータでデータマイニングの人間釣れると思うよまじな話で。

マーケティング系の統計世界を簡単に言うと、アンケート解析系とログ解析系が右翼と左翼のようになっています(言わずもがな私はログ解析系の人間ですが)。ログ派はPOSの登場で勢いづき、そしてネットの普及やコンピュータの進化によって完全に次のステージに入ってきている。アカデミック世界も、もうアンケートをコネコネするのはやめにして、Webの世界に来て欲しい。トーキー映画が登場しているのに無声映画を撮り続けるようなものに思える。(でもチャップリンは大好きだ)

ってなことを強烈に思ったのが、最近のグーグル日本法人と電通によるYouTubeに関する共同調査(下図)。グーグルであれ電通であれ、統計をやっている中の人がこれに違和感を覚えないはずはなく、誰かがデータだけを一人歩きさせようとしていると思うのだけれど。ハル・ヴァリアン氏が見たら激昂するんじゃなかろうか。某社がよく出すポストインプレッション効果のデータしかり。これらって、動画や広告を見て態度変容したのとは違うと思うのだが、そうでないのであれば教えて欲しい。



と、グーグル日本法人にがっかりだったタイミングで、米国本社はさすがに極めて正しいものを出してきた(下図)。こうした手法で出したデータでなければ、絶対に出してはいかんと思うんだよな。


Google Campaign Insights: Better measurement for display advertising

ここには二つの大きな違いがあって、キャンペーン前後の影響を適切にモニタリングできているという点と、ログによる潜在意識を含めた正確なデータであるというところ。将来的には、ログによってDAGMARモデル(認知>理解>確信>行動)も測定できると狂信的に信じている。その際、キーとなるのはクライアントさんのサイト内のデータであることは言うまでもない。(ちなみにGoogle Analyticsがまた呆れるほど進化した→Google Analytics 新機能公開のお知らせ

トラディショナル系広告代理店の研究ってのは微妙なのだけれど、ログを駆使するインタラクティブ系広告代理店は研究活動をもっともっと強化すべきだなぁと思うんだよなぁ。もちろんCPAを良くするっていうようなものじゃなくて、正しいKPI設定と正しいメトリクスと正しい施策サジェストをするような。

ああ歯切れの悪くてまとまりのない文章だこと。

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生き残るための広告技術 進化したインターネット広告「行動ターゲティング」のすべて生き残るための広告技術 進化したインターネット広告「行動ターゲティング」のすべて
著者:Rob Graham
販売元:翔泳社
発売日:2009-10-06
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日本では数人かもしれない行動ターゲティングのガチの中の人として、レビューせねばと。日本語タイトルが妙ですが、純粋な行動ターゲティングの本です。

この情報を得るための対価が1900円というのは圧倒的に安いです。俺がいろいろと独自に研究し、試行錯誤して得たノウハウが、2006年には既に英語圏で出版されていたのかと思うと腰が砕けぬる。書いてあることはほとんど正しいし、うちも一緒だし、考えていることも同じだし、BTを販売するひとはこれを読んでお客様に説明すれば間違いは無い(説明会とか資料作成がめんどくさいので情報公開できてないだけで、これらのことはデータでも実証されており)。結局データから出発すると、行き着く先は一緒なんだなぁ。

ただ、決定的に違うのはAudienceScience(旧RevenueScience)方式は行動履歴を人間がアナログに設計するということ。例えば、http://abroad.tour.travel.yahoo.co.jp/を28日間に2回以上訪問した人は海外ツアーに興味がある人である、といったルールを媒体社が人手で事前に用意しておく方式。俺はこの人間が介在する方式にはこういう理由で非常に抵抗感を感じていて、解決策としてここでいうロボBTのような方式を作ったわけです。

AudienceScience方式はどちらかというと媒体社のマネタイズ支援という意味合いが強くて、ただ日本でなぜ媒体支援モデルがほとんどうまくいってないかというと、結局日本語圏のネット人口が多くないからかなぁと思っており。簡単に言えばサイト内の特定ディレクトリを訪問したユーザーは、そのサイトの他の空き枠ページを訪問したときにも広告を出してしまうってことであり、その対象は日本ネットユーザー×当該ディレクトリリーチ率×リピート率×カテゴリ広告主入り状況という式なわけで、超巨大サイトでないと広告メニューとして成り立たず、それってYahoo!しか無いじゃん!ってオチが。だからアドネットワークでしか事実上行動ターゲティングは成り立っていない、という推測。(か、プロバイダーに徹するか。)

そして、最後に佐々木俊尚氏のコラム的な文章があるのだけれど、ここに”セレンディピティ”という、俺の中で旬すぎるワードが出てくるあたり、やっぱり佐々木さんはIT系ジャーナリスト・ライターの中では抜きん出てイケてるよなぁ、と思うた。

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TwitterのデータをGoogleとMicrosoftがリアルタイム検索できるようにするための交渉が進んでいるとかいないとか。これで契約条件がTwitterに圧倒的に有利なものが結ばれたら、(言葉の使い方は違うけど)市場の失敗だわよね。以下、契約条件がTwitter圧倒的有利と仮定しての話。

Twitterのデータのリアルタイム検索はユーザーに求められるものであり、Twitterデータに限らずリアルタイム検索は今後検索エンジンの基本機能になると思う。ただし、リアルタイム検索するユーザーは広告主のサイトを求めているかというと、そうではない。最新のニュースを、"ニュース"よりも早く能動的に探ったり世の中の反応を知りたいと思っているときに、どうして広告主のサイトへ行くものか。リスティング広告の売上のほとんどは、ニュース系のクエリではない。また、集められたデータを加工して、例えば"リアルタイム世論"みたいなデータを出したとして、どうやってマネタイズできるのか。つまり、ユーザーニーズの大きさやTwitterデータへの投資が、期待キャッシュフローと大きくズレてる。だけど、検索エンジンのレースとして投資せざるを得ない。カネは生まないのに。

これって、ケータイの3G免許の入札みたいな不毛のチキンレースに思えて。3Gに行かないと死ぬのはわかってるけど、3Gに行っても売上はちっとも上がらないのもわかってるという。そして、入札額だけが吊り上がる図式。(ケータイの場合は、ユーザーニーズよりも未来へのパスポートと帯域パンク・効率・基地局とかを含めて、行かなければ死んでしまうっていう意味が強いけれど)

だから、GoogleとMicrosoftはカルテルすべきだし、してるかもしれないし、そういうカルテルはOKだよね?(よく知らないけど。)AOLやMySpaceの枠でもそうだったけど、こういう話になると合理的な企業が極端に合理的でなくなる気が、する。



それにしても今日はいい日だ。『水曜どうでしょう Classic #2 粗大ゴミで家を作ろう』のオヤジ電柱激突シーンには100年に一度の抱腹絶倒を頂いた。この先どんな辛いことがあろうとも、このビデオがあれば生きて行ける。ありがとう、大泉洋先生。

(追記 2009/10/14 00:12:00)
今年のノーベル経済学賞のニュースを知らずにこの記事書いたんだけど、どうやら市場の失敗が研究テーマに含まれる学者らが受賞したらしい。俺に神の見えざる手が降臨してますな。

さらに考えてて思ったのは、Twitterが条件に折り合わずにクローズドなまま行ったとすれば、FriendFeed擁するFacebookが一気にオープン化してGoogle & Microsoftにデータ提供することで、あっという間に小鳥のさえずりが閑散としそうな気がする。そして、その解こそが誰もevilにならず、Webを一歩先へ進めることになる気がする。

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最後に、首都リマとその他の感想をば。

リマ / Lima

ペルーの首都リマが、日本からの国際便の玄関口。ただ、ここには何もない。

リマの旧市街と新市街
リマには古くからの街であった旧市街セントロと、最近栄え出したミラフローレス(Miraflores)やサン・イシドロ(San Isidro)という新市街がある。旧市街にはいくつかの教会があり、そこが見どころ。新市街はペルーじゃなくてシンガポールにいるんじゃないかと錯覚するような近代的な街。ミラフローレスで時間をつぶしていたのですが、まぁやることがないです。東京と変わらんもので。
また、海にも歩いて行けます。遙か彼方、ここペルーやチリで発生した地震が日本への津波を引き起こすと思うと、それもまた地球を感じる瞬間です。

リマの教会
リマにはいくつか教会があり、なかでもサン・フランシスコ教会・修道院のツアーは長い。地下の骨の中を練り歩く。。個人的に、キリスト教の美術、特にキリスト教の宗教画には芸術的な美しさは感じることができないので、特にリマで見るべきものはありません。(キリスト教批判ではなく、アートとして、です)

言語
とにかく英語の通じなさに驚きました。これは日本での英語と同じレベルくらい通じないかもしれない。基本的には全土でスペイン語の国であり、空港や外国人観光客の絶えない場所でだけ英語が通じます。多くの運転手や店員はone, two, threeも通じない。数字(uno, dos, tres...)、「YES/NO(シ/ノ)」あたりは最低限わからないと死んでしまいます。あとは「こんにちは(オラ!)」「ありがとう(グラシアス!)」「おはよう(ブエノスディアス!)」とか。機内のマッシーンで少し勉強しといてよかったです。特にタクシーの価格交渉では、スペイン語で数字を日本語に変換して、通貨を日本円換算して、、、とかが必要なので、もうちょっと体得すべきでした。今回軽く勉強して知ったのだけれど、スペイン語って、英語の兄弟みたいなもんなんじゃないかと。あと、バスで隣だった現地の少年と話すも、やはり英語がわからないとコミュニケーションにならず。最後は俺へのスペイン語講座に。。

ちなみに、ペルーどこへ行っても、英語でコミュニケーションを試みる人間はレアな様子。店員の「(おいおいマジかよ)」な顔を何度見たことか。金髪の観光客のほとんどもスペイン語を話しているのだけれど、欧米ではスペイン語は外国語として習ってんのかな?

●お金
物価は日本の1/3くらいの感覚で安いのだけれど、とにかく交通費やら入園費やら空港税やらなんやらがやたらとかかる。特にマチュピチュ遺跡とリマの往復だけで5万円以上はかかってるんじゃないかと。もはやこれは観光税ですわな。キャッシングした回数、Priceless...

●食べ物
まずい。ペルー料理は、とにかく肉とじゃがいもばっかりでてくる。後半戦は肉の入っていないメニューをスペイン語の感触から推測することで必死でした。あと、アルパカのステーキも食べましたが、固くて、肉の旨味もあまりなく。。あとはメキシコ料理とかピザ・パスタがあるけど、とにかく味付けが。。どこでどう間違うたかペルージャ。。

●気候
これは9月末の体感の話。クスコがえらく寒い。マチュピチュは太陽次第。ナスカは暑い。要は結構な防寒グッズは必要。ただ、現地でアルパカの毛の良い民族風の服はたくさん売っているので、現地調達するのも良いかも。

●美しい旅
たぶん、普通の日本人向けのツアーだと、「ペルーって美しい国だったねぇ。」となるんじゃないかと思う。リマ空港→クスコ→豪華列車→マチュピチュだけを通れば、それは夢のような世界だけだから。でも、リマ市街やナスカ市街やナスカへの道程のあたりは結構リアルなリマ。
人柄についても、いろんな国に行ってほぼ方程式ができてるんだけど、首都と砂漠などの資源が乏しい場所の人間と、田舎で資源のある場所の人間ではまるで人柄が違う。もちろん前者の街にいるとひどく疲れる。けどやめられない。まぁどの国に行っても首都滞在はできる限り避けるんだけれども、おもしろくないから。

●経済
首都リマは驚くほど発展している。特に新市街はきれいに整備されている。路上生活者も他の国と比べて圧倒的に少ない。けれど、一歩外れると、ほとんどの家族は土壁の手作りのような家で暮らしている。

●交通
今回はAmerican Airlinesが断然安かったので、AAにて(11万円だっけか)。ANA/JALで行く必要は無いかと。
また、南米で大手っぽいLAN航空はかなり高品質でした(CAがみんなモデルさんみたいでした。これはギネスじゃねぇかと)。ただ、国内線は他と比べると高いので、帰路はStar Peruにしたところ、安くて英語も通じるのでLANじゃなくてもいいかと。

●日本人
マチュピチュとクスコ以外では日本人が少ないためか、どの国に行ってもあった日本人に群がる光景が無く、新鮮。おそらくいいなりにお金をばらまいてしまう日本人がいないからかと。タクシーで最初に提示される金額もまとも。ぼったくろうという気はなくて、ご挨拶程度に盛ってるだけ。
あと、日本人のツアーはなぜにあれ程までに大所帯なのか。。40〜50人で回るツアーは世界でも日本人と中国人だけじゃないかと。にしても、リマやナスカではまったく日本人がいなかったんだけど、どこにいるんだろ?


ということで、書いているうちに太陽が昇り始めました。帰国後、めざましをかけなかったら17時間寝てしまったため今日はもはや眠れるはずも無く。

最後に。
マチュピチュは本当にすばらしい。どれだけ長期休暇を取りづらくとも、どれだけ行くのに時間がかかろうとも、どれだけの費用がかかろうとも、ぜひ若いうちに行くべき場所です。

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ナスカ / Nazca

ナスカの地上絵とは、インカ時代より前に、石をどけることによって上空から見ると線が見えるという巨大な絵を描いたもの。なんのために?どうやって?そのほとんどは謎のまま。



ナスカの地上絵
マチュピチュが"息を飲む"だとすると、ナスカの地上絵は"すっげぇな、おい。"という印象。俺が行った日は砂嵐も無く快晴で、はっきりと確認できました。特にハチドリは浮き上がって見えるほど。地質によってよく見えるものと見えないものがあるんだけれど、ハチドリと宇宙飛行士は山あいの少し黒い土の上に描かれているので、特に見やすい。ちなみに、砂嵐になると、ほんと黄色の霧のような世界になります。

セスナから見る
地上絵は小さなセスナに乗って見るわけですが、これが実にアクロバティック。よく地上絵を見るためには当然機体を傾けるわけで、それを機体の左右の客にじっくり見させるためには、傾けながらぐるぐる回るわけです。ナスカの地上絵の隣に、パルパ(Palpa)の地上絵というのがあるのだけれど、これも一緒に見るフライトにすると料金が倍の$90くらいになる。俺はナスカの終盤からほぼ吐き気との戦いとなっていたので、パルパは無くても良いかも。パルパで有名なのはスターという幾何学模様があるのだけれど、これはあんまりはっきりとは見えない。また、空港で空港税を支払わないと行けないのだけれど、これに気付かずなぜ拒否られてるのかわからくてしばらく乗れなかったので注意しませう。。
三半規管を自分でコントロールできなくなるというのはこういうことかと知る。頭は冷静なのに、目が回るという。心の中で「がんばれ俺!」って酸っぱい喉の奥から叫んでるんだけど。

ミラドールから地上絵を近くで観測する
地上絵をもっと近くで見たい場合は、ミラドール(観察やぐら)で見られます。ただし、ここへ行くのはいくばくか勇気が必要。ナスカにタクシーはほとんど走っていないので、ナスカからバスのチケットを買って乗り、ミラドールで途中下車。ミラドールは砂漠のど真ん中に英語の通じない数人の売店主がいるだけのところで、数十分おきに通りがかる帰路のバスを手で止めなければならない。最初はよくわからず、止まったけど乗車前に発車され、二台目が来た時に売店のおっさんに「トモダーチ!ブス!(アミーゴ!バスが来たぜ!)」と言われ、ようやく帰れた次第。ミラドールに行かないと、地上絵がどうなってんのかを近くで見ることはできません。(途中でバスが止まるツアー以外は)
ただ、逆にミラドールからは「手」と「木」とラインしか見られないので、必ずセスナには乗りましょう。地上からはまったくなんのこっちゃわからんし、足を踏み入れることを禁止されてます。セスナに乗らないと100%後悔します。

交通
リマからのアクセスはバスのみ。行きはPeruBus(Soyuz)で行ったのだけれど、周りはほとんどペルー人だし、途中のIcaで乗り継ぎをしなければならないし、英語も通じないので格安の1800円くらいではあるけれども結構不安。でも、Icaから見える砂の山は圧巻。帰りはCruz del Sur社のバスで帰ったのだけれど、こちらは英語の通じるガイドもいるし、トイレもあり、周りはほとんど観光客なのだけれど、3000円くらいした。車中から"FUJIMORI"やら"KEIKO"やらという政治的なメッセージが家の壁に描かれているのが見えるのだけれど、なんて書いてあるのかはよくわからない。
ちなみに、ナスカまでの道程に、山に石を並べて広告にしているのがいくつかあった。"インタレストマッチ"である。。

ナスカ市内では日本人は一人も見なかったなぁ。市内ではほとんど英語は通じないし、お店もあんまり無い。ただ、ここで見た星空は絶景だった。シリウスより南に星がたくさんあったり、さそり座が上空に見えたり、南半球にいることを気付かされ、なんというか、天体少年にとってこれは非常に衝撃的なことなのである。

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クスコ / Cuzco

クスコは標高3400mにある、マチュピチュに行くためにはほぼすべての人が通る古い都市。



クスコとは
クスコは、日本で言えば京都にあたる、インカ王国の首都だった場所。しかし、スペイン軍によってほとんどの建物は取り壊されたため、インカ王国が造った石積みの上にスペインによるヨーロッパ然としたパステルカラーの街並みが続くのもこれまた圧巻。

コリカンチャ
コリカンチャとは、現在はサント・ドミンゴ教会と呼ばれる、インカ王国の時代は太陽の神殿があったところ。インカ時代の美しい石組みの上に、スペイン人が美しい建造物がある。この内部から眺めるクスコの山に張り付いたような赤い屋根の家々の景色がすばらしい。

その他の見どころ
カテドラル(教会)を中心としたスペインによる建造物と街並み、そして青い空と手の届きそうな雲の調和。
夜は民族の音楽などを聴きながらご飯を食べたりできるのだけれど、ペルーでおいしかった食べ物は皆無。。

首都リマやナスカの砂漠に行った後にクスコに降り立つと、間違って天国へ来てしまったかのような感覚を覚える。ヒッピーが街中をうろついていて、彼らが住み着くのもよくわかる。すべてが嫌になったらクスコに住むのもいいかもしれない、空気薄いけど。たくさんある階段を登ってると息が苦しくなるし、軽く頭も痛くなる。でも、街の空気が平和だし、『天空の城・ラピュタ』で出てくる地上の街みたいな街並が広がってる。

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ペルーの旅に行ってきました。もちろん見所はマチュピチュとナスカの地上絵。

ということで、それぞれの詳細説明は本家『地球の歩き方』にまかせるとして、地球の歩き方に載ってなかったところを中心にレポートします。あまりにも長いのでいくつかのエントリーに分けて。

マチュピチュ / Machu Picchu



マチュピチュの美しさは筆舌し難し。絶句と言うか、唖然と言うか、信じられないというか。これまで世界各国の100以上の世界遺産は見てきたと思うのだけれど、間違いなく一番だ。こういったものに序列はつけられないけれど、間違いなく一番だ。なんといっても、壮大な自然と美しい遺跡の相乗効果が、言葉にならないほどの衝撃を与える。すばらしい自然や、すばらしい文化遺産というのは数あれど、この自然の中にこれだけの文化遺産があるというのは他には例を見ないかと。

ワイナピチュ登頂
よくあるマチュピチュの全景の写真の後ろにそびえる山、あれがワイナピチュ(若い峰)という山。あそこの先っぽにも実は遺跡がある。2時間くらい登山をするのだけれど、絶対に行くべき。ワイナピチュから眺める絶景と、マチュピチュ以上の断崖絶壁にそそり立つ石積みは圧巻。マチュピチュが山にどういう風にして築かれているのかを眺められるのもワイナピチュ登頂者の特権です。ただ、高所恐怖症の人や日頃運動していない人は登らないのが得策。

マチュピチュに1泊すべき?
鉄道の関係で日帰りか1泊するか決めないといけないのだけど、迷わず1泊すべき。ワイナピチュ登頂の開始時刻が13時までで、入山人数制限もあるし、山の天気はわからないし(初日は雨に降られたけど、2日目は快晴で断然美しかった)。
なお、マチュピチュ遺跡の麓にある温泉は、ぬるい。凍え死にするかと思った。そして、海外の温泉は水着着用なのは知っていたが、なんと立って入る!!ということで、温泉はぜんぜん休めず。料理はどの店に入ってもまずいのでしょうがない。

ペルーでの旅程の組み方の注意
普通の観光客は国際便の発着するリマから空路でマチュピチュに行くのだけれど、まずクスコ空港まで行き、そこから先は電車でのアクセスとなる。日本〜リマの飛行機はほぼ深夜着で、リマ〜クスコの飛行機が午前中にしか飛ばず、クスコ近郊〜マチュピチュ村の電車が午前早めの出発のみで、ワイナピチュへの登頂も午前中に行くべきなので、リマ・クスコ・マチュピチュに必ず一泊づつ費やさねばらなず(うまい!)、つまりはマチュピチュに行くだけでも最低8日間は必要です、ほぼ必ず。
なお、クスコ〜マチュピチュ村のハイラム・ビンガムトレインは一番安い「バックパッカー」のクラスでも十分OK。数時間だし、車内にトイレも売店もある。石丸謙二郎が似合う感じの旅をご希望の方は「ハイラム・ビンガム・トレイン」クラスで。想像してたよりは景色は圧巻ではない。往路で写真をたくさん撮ったのだけど、移動中の写真はほとんどボツだった上、景観はマチュピチュ遺跡に行ってから、何倍もものすごいものを堪能できる。

チケットの注意
買わなければならないチケットが、(1)ハイラム・ビンガム・トレインのチケット (2)マチュピチュ入園チケット (3)遺跡行きバスチケットの三つある。
(1)ハイラム・ビンガム・トレインのチケットはクスコで買うのだけれど、このチケット待ち時間が長かった。町外れにあるし、もろもろ1時間以上かかった。
(2)マチュピチュの入園料は麓のマチュピチュ村で買わねばならず、ここの場所がデカデカと明示されてない上、ここの担当のおっさんがテキトーで、お金を両替しに行っている間に1時間近くいなくなっていたので、注意しようがないけど注意。なお、1日あたり現地通貨S/.124(=$42=?4000)くらい、2日間マチュピチュに行く場合、?8000くらいを現地通貨ソルで持っていないといけないので注意。(現地感覚だと驚くべき金額)
(3)遺跡に行くバスの券売り場も川沿いのわかりづらい場所にある。受付嬢の"2ways"が"2days"と言ってるのかわかんないんだけど、"2days"の"1day"チケットしか売ってないと思う。
ペルーは、とにかく時間がかかる!

なんていろいろ書きましたけどね、マチュピチュの魅力は写真やテキストでは1%も伝わらないと思う。残念。

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