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2009/12

かしゆかも終わったので、2008年に引き続き2009年の五大事件をまた酔っ払いながら書いてみようと思います。

個人的なところでは京都に引っ越したり、仕事がどんどんマニアックになっていったのだけれど、意外となんも事件はありませんでした。TVの電波の大部分は無駄に使われている気がした2009。クスリもマスクも。なお、このブログのVisitor数は信じられないくらい増えました。多謝!

(1)SPSSがIBMに買収される
お願いだから"IBM化"しないでください。

(2)Adobeによるオムニチュア買収、NTT Comによるデジタルフォレスト買収
やはりアクセス解析やサイト最適化では単体の事業としては成り立たないことが証明された一年でした。NTT Comは先日レコメンドエンジン出してましたが、あの給与体系の会社でどうやって儲けるんでしょうか。Edyも楽天に事実上行きましたが、これは予想通り。単体で事業が成り立たないけどニーズがあるものはいつの世も存在することを痛感。大切なのは全体最適の事業モデル。

(3)米国でのAd Exchangeエコシステムの成長
2009年後半はずっとこればっかり考える毎日でした。DoubleClick Ad Exchangeリニューアルも。2010年はいよいよRTB&DSP時代です。

(4)政権交代
「もう自民党は懲り懲りだ」がうねりとなり、転じて、多くの国民は支持したわけではないマニフェストの実現、選挙前にすでに予見されていた壮絶な未来へ。民主主義のうねりと怖さを体で知ったあの数週間は一生忘れません。

(5)(我的)パッツンブーム
たっぷりマスカラから重めの前髪までの距離の美学。これはY!-MSの距離感よりもグッとくるものがあります。

では、良いお年を。

2010年のマニフェスト

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2010年は目標じゃなく、マニフェストにしてみました、あえて。相変わらず、誰に向けて書くわけでもなく、自分を追い込むためのエントリーです。 これが2009年の目標。イングリッシュとデータマイニングは公約通りできましたが、サスティナブルは全然ダメでしたですね。

(1)English - TOEIC100点UP
Writing! Speaking! Grammer! 毎日大量の英語RSSと格闘していると、さすがにリーディングはできるようになる。 問題は自分の表現したいことを的確に相手に伝えられる、出力側である。。
入力側はTOEIC100点UPを目標に。 (まだまだ伸びしろがあるのが痛々しい)

(2)Programming
よく誤解されるのだけれど、文系出身です。本気でプログラムを学んだことも無く、全然書けない。 (HTMLとかSQLとかSPSSのスクリプトとかはできるけれどもね) 最近はプログラムが書けないことが巨大な壁となって立ち塞がりつつあり。 Google App EngineとかAmazon EC2とか使って簡単なプログラムを作ってテストできるくらいにはならんと。 アルゴリズムによるモデルは簡単にできてしまうのだけれど、そのアウトプットをすぐにテストすることができなくてイライラ。 この便秘をスカっと解消したい。 そして30歳前の今、プログラム脳を身につけないと一生追いつけなくなる気もしている。 簡単なプログラムができるようになると、すぐに実践テストし、それをすぐにFBできる、はず。そしてそのデータがあれば、社内の説得も何十倍〜何百倍もスムーズになる。

大嫌いだった剣道形データマイニングはわざわざ目標に掲げなくとも好きだし勝手に好奇心で勉強するから2010年はマニフェスト除外。ここを深く探求しても売上は上がんないしね。マーケティングは人間の脳が対象であるので、工学的過ぎてはダメ。もっと重要なのが、エコシステムを育てる展望を描き、適切な部分に適切なアルゴリズムをぶっこめる能力。

ちなみに、プログラマを目指すわけじゃないす。一生かかっても東大・京大に入れる知能を持ち合わせていないことくらい自分でもわかる。

(3)Sustainable
社会は"サスティナブル=エコ=CO2"みたいな感じになっているのだけれど、俺のサスティナブルは"経済"と"水質"。

経済に関して、2009年は結局Kivaで融資するくらいのことしかできなかった。Kiva Japanもできたみたいだし、コンタクトとってみよう。もうひとつは、低価格PC/ChromeOS/電子書籍/iPhone+通信/電力インフラといった環境を開発国に提供することで、世界を変えられる気もしている。全員に貸与する必要は無い。知的好奇心旺盛な若者が使えばいい。 
水質に関しては、小学生の頃から水質汚染に並々ならぬ情熱を持っていて。サカナ君だからなんだけど。授業中に源流から河口までの絵を描いていたり。ただ、水質に関しては民間人ができることってすごく小さいのだよな。結局規制の話だし、ゴミ拾いで問題が解決するわけでもない。その点で、啓蒙活動だけはできるのかもしれない。(鉄腕DASHはすごく良い。政府もああいう形態の啓蒙をすべきなのに。)

最近つとに思うのは、物心ついた頃からWikipediaやGoogle Earthを自由に使うことができた好奇心旺盛な15年後の大人たちに、15年後の俺は勝てないと思う。が、がんばろう、未来の若者に負けぬよう。

DSP(Demand-Side Platform)とは

《連載》ネット広告エコシステム
第一回:Ad Exchange(アドエクスチェンジ)とは
第二回:DSP(Demand-Side Platform)とは
第三回:Yield Optimizationとは
第四回:RTB(Real-Time Bidding)とは
第五回:Data Exchanger(データエクスチェンジャー)とは

本日はネット広告エコシステム連載(?)の第二回目、DSP(Demand-Side Platform;デマンドサイドプラットフォーム)について。こちらで突然DSPが記事になった上に、日本語のDSP情報ってまだWeb上に存在していないので、今日もせっせとSEO。

Demand-Side Platformを直訳すると「需要側プラットフォーム」。経済の需要と供給で言うところの、需要側が広告主側で、供給側が媒体側。俺は「広告主最適化ツール」とかいつも呼んでますが。誤解を恐れずに言ってしまえば、リスティングの自動入札ツールのバナー版。(ちなみに自動入札ツールベンダーのEfficient Frontierとかもつい最近DSPに参入している。)

DSPが叫ばれ始めたのはまさに今年から。前提として、米国でのAd Exchangeの普及があります。Ad Exchangeの普及なくしてDSPの普及なし。米国ではnon-premiumな枠、主要サイトの実に99%とも言われたりしますが、Ad Exchangeで買えます。AdSense枠もDoubleClick Ad Exchangeで買える。

さて、なぜDSPが必要とされたかですが、複数の要因があります。
  1. 複数のAd Exchangeが存在しているので一括管理したい
    RightMedia, DoubleClick, AdECN, OpenX, AdBrite, etc.
  2. 複数の行動履歴ベンダーのデータをまとめて扱いたい
    閲覧履歴からデモグラ情報からオフライン履歴まで多ソースを一元管理。
  3. 入札価格を最適化したい
    「このユーザーの2FQ目は$0.1で買う」とか手動での入札じゃ無理だし、配信結果を受けての最適化も手動じゃ無理。
  4. RTB(Real Time Bidding)を行いたい
    半端なシステムじゃぁRTBに耐えられないから。
    しかも秋刀魚一尾づつ(1impづつ)にオッチャンは入札できないヨ。
  5. 不適切な媒体を除外したい
    Ad Exchangeには限りなく黒に近いグレーが存在。
  6. 最適な予算管理のため
  7. 効果測定を一元的に行いたい
リスティングであればリスティング担当者が手動で運用したり、これまでの純広告であればアカウントプランナーが手動でExcelで効果検証したりしていましたが、メディア数が膨大になり、さらにオーディエンスデータまで絡んでくると人間にはお手上げです。極めて少ない変数で明快に説明できるリスティングとは異なり、ディスプレイ広告の世界は変数があまりに多いためです。Excel的世界での運用は無理なのです。月に梯子をかけるプロジェクトのようなもので。ただ、ポートフォリオ理論はリスティングですら計算量がハンパ無いはずなので、機械学習系だろうなぁっていう話は長くなるので割愛。

c0164470_16221880そして、DSPのようなソリューションを提供する企業がどんどん産まれると、起こることとしては誰でもアドネットワークをビルディングできちゃうじゃんという話で。米国では代理店などがどんどんDSP化してきています。これまでの世界はアドネットワークがリーチを競ってきたわけですが、これが徐々に変わってきているわけです。(まぁ俺が昼間作る資料はリーチ!リーチ!っていっつも書いてますけどね。)

で、俺もGoogleはどこかのDSPを買収するとは思っていて、ただその理由は広告主へのソリューションであって、特にそれ以外の狙いは無いと思っているのだけれど。また無料で開放しちゃうんじゃないかなぁ、UrchinをAnalyticsにしちゃったみたいに。そしたらGoogle AdWordsにまずバジェット入れて、そっからすべてが始まるって世界になるのだもの。AdWords管理画面が広告主のコクピットに。とはいえ実態は代理店ツールになるのだとは思うけれど。

やれやれ。

三ヶ月前の自分をクズだと思い続けるための戦い

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ベンチマークについての話。俺みたいな特殊な仕事をしていると、ライバルは当然社内にいないし、社外にいてもいろんなプロジェクトを職人技で転々としたりしていて、同じ業界でベンチマークすべき存在がなかなかいない。そこで、三ヶ月前の自分をベンチマークにしてます。つまり、三ヶ月前の自分が社内CMSに投稿した報告を読み返したり、昔作ったロジックとかを見て「クズだな。」と思えるかどうかが勝負。

で、今のところ1年3Qくらいはずっと自分をクズだと思えている。今フリーザさんと戦ってるとすると1年3Q前の俺はピッコロ大魔王の頃の感じで。入社当時の俺にいたっては天下一武道会くらいのもんで。

3505361463_d1feb4e381_mまぁ(愛以外の)継続力には自信はあるけれど、自分との戦いというのは精神力が必要で、そのために東京を離れてるわけで、一種のマインドコントロールですわな。スーパーサイヤ人。

で、スーパーサイヤ人について調べてみた。Wikipediaによると『変身に必要とされる条件は、一定以上の戦闘能力を持ち、穏やかな心を持ち、極端な危機感、強い怒り、悲しみに苛まれていること。サイヤ人の個体数が少数化したことにより種そのものが絶滅の危機にあることも関係している』らしい。っていうか、実はスーパーサイヤ人についてほとんど知らんかったんだけど、ベジータは『悟空を超えることが出来ずにいる自分自身に対する怒り』らしい。わかる。。で、スーパーサイヤ人は非常に好戦的な状態になっているわけです。和をもって尊しとする人と、喧々諤々の議論が年中繰り広げられる世界を理想郷とする人では一生わかりあうことはできないし、亀井さんと竹中さんが一生わかりあえないように、日本人と米国人がわかりあえないように、無理に自分を変えようとすべきでもないし、受け入れるっきゃないわけで。

ちょっとスーパーサイヤ人が興味深くて話ぶれましたが、天下一武道会に5年連続出場とか意味ないよねってことが言いたかったことで。与えられたクイズに回答し続けてるだけっていうか。

Ad Exchange(アドエクスチェンジ)とは

カテゴリ:
《連載》ネット広告エコシステム
第一回:Ad Exchange(アドエクスチェンジ)とは
第二回:DSP(Demand-Side Platform)とは
第三回:Yield Optimizationとは
第四回:RTB(Real-Time Bidding)とは
第五回:Data Exchanger(データエクスチェンジャー)とは

ここ数ヶ月で、また米国のネット広告に日本がぐいぐい引き離されはじめた気がするので、ちょっくらがんばって書いていきます。(実はこのブログ、買収とかのニュースをネタにした記事がほとんどなので、ゼロベースであまり記事を書いたことが無い。。)

諸説はあれど、やはり日本は米国の2年遅れ。米国でアドネットワーク(Ad Networks)が完全に普及したのは2007年頃。その2年後の2009年、日本でも純広告は一部を除き売れなくなり、アドネットワークが普及しました。金額ベースではまだまだですが、枠ベースでは相当な占有率に達しているはずです。同じ2009年、米国ではAd Exchange(アドエクスチェンジ)がかなりの勢いで台頭しました。

Ad Exchangeとは、日本では『アドマーケットプレイス』(Ad Market Place)と呼ばれることの多い、広告の取引市場です。(以降、日本のものは『アドマーケットプレイス』、米国のものは『Ad Exchange』と呼ぶ。)日本での『アドマーケットプレイス』のイメージは、「広告主が広告枠をネット上でダイレクトに購入することができるから、代理店を中抜きにできる」というようなイメージだろうと思います。

ところが、米国で普及したAd Exchangeは全く様相が異なります。一点目の違いが、買い手がアドネットワークや広告代理店であって、広告主ダイレクトではない点。株式市場で言うところの個人投資家が数株をポロポロ買うような世界がいわゆる『アドマーケットプレイス』だとすると、『Ad Exchange』は機関投資家やファンドが買い漁るような世界。二点目の違いが、枠を指定して買うのではなく、オーディエンスデータ(Audience Data / ユーザーデータ / cookie)を利用して買うという点。むしろ、本当の枠などは見えなくて問題になっている(Transparency / Liquid)。三点目の違いが、ターゲティング企業(Data Exchange)や広告主最適化(DSP / Demand Side Platform)、媒体収益最大化(Yield Optimization)や媒体選定(Brand Safe)といった第三者のプレーヤーが多数エコシステム内に存在している点。(下図)

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日本の『アドマーケットプレイス』の場合、レップ系であればブランド名のある媒体のみにカスタマイズして配信するパターンと、CGM系の媒体をダイレクトに買い付ける2パターンが存在しています。いずれの形態も、媒体側から見ると「広告主とネットで直接取引できる」、広告主側から見ると「媒体を選べて一括で出稿できる」といったポジティブな意味合いを持つものです。ところが、米国で普及したものはこれとは全く異なり、媒体側から見ると「売れ残り枠を放りこんでおくと、勝手にいくばくか収益が上がるもの」であり、広告主側から見ると「アプローチしたいユーザーにだけリーチできる」(cherry pic)ものです。

米国でも、以前はAd Exchangeはゴミ溜めであって、ダメダメであったわけです(推測)。そこが変わったのが、オーディエンスのデータによる買付、言い換えると独自データや第三者データを使ったリターゲティングを含む行動ターゲティング等をAd Exchange上で利用できるようになったためです。その爆発は、まるでFacebookがAPIを公開して一気にエコシステムがポジティブスパイラルに入ったように。「媒体を買い付ける世界」から「オーディエンスデータで買い付ける世界」へのパラダイムシフト。さらに世界は1 impressionごとにcookieなどに対して入札されるRTB(Real Time Bidding)へと踏み出している。

以上、あらすじ。各々詳説へ続く。

ぴあはセブンよりもヤフーと結婚したらいいのに

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ぴあさんについては、社会人なりたての頃に一緒にお仕事させてもらってたこともあり、勝手ながらネットの血を入れるべきとか並々ならぬ思いを綴ってきたわけですが、
セブン&アイ、ぴあを持分法適用会社化 - ITmedia
ということで。第三者割当増資で20%という、アレな感じの結末で。

セブン&アイって、結局チャネル側かよーって。ヤフージャパンと組めば、世界一おもしろい仕組みとかできそうなのになぁ。結局チケット流通という考え方なのだろうなぁ。ネットとチケットをネイティブな感じにすれば、絶対楽しいのに。今のYahoo!チケットでのY!xぴあよりも深く連携させるって意味で。公演情報と正価販売チケットとヤフオクとSNSが一画面という禁じ手とか

4058499212_75d6a62930_mいつか『Google Tickets』とか『Facebook Tickets』とか始まりそうだし。チケットの自由流通市場。ユーザーがクリティカルマス超えたら主からそこにチケットが正式に提供されるようになって、さらに良いエコシステム。DoubleClickとAdSenseの枠が融合していくようなイメージで(一般の方に非常にわかりづらい例え)。権利流通のエコシステムではExchangeが最適価格を導くと思ってるのだけど、どうだろう。空論だろうか。

ネット時代に合わせて変化したリクルートと、ハードでの変化をしようとして本質的に変化できなかったぴあ。これがオーナー企業の一側面なのか。

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