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2014/12

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過去何年も、年末には一年の振り返りブログを書いてきたので、今年も一応。

何はともあれ2014年、起業しました。用意周到に準備はしていたとはいえ、心配事のすべては杞憂に終わりました。むしろ、あまりにもすべてが想定通りすぎて、拍子抜け感。お陰様でもろもろ順調でございます。ただ、想像以上にやることが多いので、自分が本当に時間を費やすべきことだけを選択していかないと回らんなぁというのはひしひしと感じており、来年のテーマは仕事をどう外出しするかということかなと思う今日この頃です。

2014年の位置情報はまだ胎動といった感じでしたが、2015年は日本にマーケットを誕生させるべく、刺激を与えて行く所存です。

IBMの人工知能Watsonを触ってみた

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IBM Watson Analyticsベータ版をビジネス向けに提供開始 - Japan

IBMがゴリ押し中の所属タレント、Watson君が昨日からパブリックベータになったので、さっそく試してみました。WatsonはIBMの作った人工知能で、米国のクイズ番組でクイズ王を倒したという実績があり、今回リリースされた"Watson Analytics"は、データ分析などをやるブランドとのこと。世界のミッキー同様、クイズのWatson君とAnalyticsのWatson君は中身は別人だと思われます。ちなみにWatsonという名前はIBMの創設者の名前らしく、気合が伝わってまいります。

お金の無いスタートアップにとって 、イニシャルコストの必要ないクラウドサービスは大変有難いのですが、このWatson Analytics、機能制限はあるものの基本は無料で使えます。機能としては、データをどんどん深堀りしていく探索的BI機能(Explore)と、データマイニングの機能(Prediction)、ダッシュボード的BI機能(View)があって、ブラウザで使えるお手軽BI+データマイニングツールと考えて良さそう。

試しにSSPのアドネットワーク別レポートを突っ込んでみました。まず出てきたのがこちら。
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「広告タイプ別の月次売上は?」とか「CTRとCPCの関係を月次で?」みたいな提案があります。つまり、SSPからダウンロードしたExcelレポートをアップロードしただけで、Dateの列は日付であることを認識して提案してくれてます。

Watson君からの提案は、とんでもないものが多々。新卒社員ばりの天然っぷり。ただ、訳の分からない提案をされると、「うん?」と思考する時間があって、今まで自分の常識の範疇では絶対にありえない分析とかをやってみようかという発想が出てくることがある。セレンディピティとでも言いましょうか。機械には人間の常識は通用しません。データ分析しろと上司に言われて呆然とディスプレイを眺めている人には良いかも。長年同じ分析をやっている人にとっても、ヒントを与えてくれるという意味では面白そう。現時点では、あんまり使い物になってないけど、今後、クラウド側にカラム名やデータ傾向が蓄積されて、業界用語と関係性をWatson君が理解できるようになったら、まさにイノベーション。BIで一番めんどくさいのが、事前にデータを定義することなので。

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 提案のままだとダメなので、いろいろと組み替えるとこんな感じ。アドネットワーク別のインプレッション比率。これをある程度インタラクティブにいじくることができる。ただ、他のBIツールと比べてまだまだ感は否めない。

今度はデータマイニング機能。町丁目別の人口増減率を説明するモデルを作ってみた。ちなみに、適当に突っ込んだデータなので、結果には何の意味もありません。
predictどの変数が効いているのかが出てきて、一般的なデータマイニングツールよりは普通のビジネスユーザーにもなんとなく理解しやすいかも。ただ、一定のデータマイニング知識は必要だし、知識がない上で触ると誤った答えを導くので、ビジネスユーザーに使ってもらう製品と考えると難しいところ。なお、Watson Analyticsはまだ日本語に対応していないため文字化けしてます。

predict_field入力変数ごとに目的変数との相関が出てきたり、グラフも値に合わせて出してくれたり。

 ざっくり使ってみた感触としては、まだお金を取れるレベルではない感じだけど(ベータ版だし)、分析を分析屋だけに留めず、ビジネスのフロントの人間に直接触って欲しいんだというメッセージはひしひしと感じます。

既存のIBMのデータマイニングソフトウェアであるSPSS Modelerや、BIのCognosには到底及ばないのだけれど、今後データをクラウドで集中管理し、クラウド側がデータの意味を理解できるようになってくると、本当の人工知能として、BIやデータマイニングツールのカイゼンとは隔絶したイノベーションの可能性は垣間見える、そんな気がします。
  • 私のMac環境では、Safariでファイルのアップロードでエラーが発生しましたが、Firefoxを使用することで回避出来ました。
  • WebからダウンロードするレポートなどであるExcel用CSVをアップロードする際にエラーが発生しますが、一旦Excelで開き、フォーマットをExcelブックにして再保存することで回避出来ました。

株式会社ジオロジックを設立しました

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位置情報ベンチャー『株式会社ジオロジック』を設立し、本日から営業開始しました。

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Geography《地理学》 + Logic《論理》 = GeoLogic
位置情報にインテリジェンスを。

これまで培ってきた「アドテクノロジー」「データ分析」の技術に加え、「位置情報」が新たに加わります。

「なぜ位置情報?」

よく聞かれます。これまでの位置情報にまつわる数々の失敗事業の歴史はもちろん知っています。今の位置情報広告の市場規模は、ほぼゼロです。でも、今はまさに位置情報がビッグバンを起こす瞬間だと思ったんです。そろそろ、今まで出たくて出たくてうずうずしていた位置情報データたちが飛び出してくる頃合いです。スマホはもちろんのこと、今IoTやO2Oと呼ばれているもののほとんどは位置情報と密接に関わった領域です。にも関わらず、地理情報業界(GIS業界)のマーケティング方面への動きは活発にはなっていません。アドテクやビッグデータ分析などが勃興してきた頃に、マーケティングリサーチ業界が動かなかったあの頃のデジャブを感じています。

今までのオーディエンスターゲティングは、Web閲覧履歴(URL)を基にユーザーの興味関心・デモグラなどを推測するものでした。これからは、そこに位置情報データが加わります。URLと緯度経度は同じようなもの。そもそもドメインというものは、IPアドレスの数字を人間に読みやすく変換してるだけ。たとえば、http://54.65.75.112とブラウザに打ち込んでも、http://www.geologic.co.jpと同じページが開きます。GeoLogicではその逆に、緯度経度の数字を人間にわかりやすく変換するだけでなく、同時にマーケティング情報を付与したいなと。Webの世界では[IP:11.11.11.11→realestate.jp→不動産サイト]と分析すると考えれば、位置情報の世界では[緯度35.656806, 経度139.701101→渋谷区桜丘町16-12→不動産屋]となるだけなので、URLベースの分析も緯度経度ベースの分析も本質は変わらないのです。(緯度経度だけでなく住所でも分析はできます。)

人間はWebの中だけに生息する生物ではないので、リアルを加味するのはマーケティングとして当然の進化です。過去にエリアターゲティング広告(いわゆるジオフェンシング)が全然ダメだったというスコープの話ではなく、もっと大きなマーケティングのスコープにおいて。

いま、アドテク業界には位置情報に関するノウハウはほとんどありません(たぶん)。しかも、位置情報のノウハウは、アドテクのノウハウとはまったくの別物ときています。片手間でできる代物ではないです。そこで、GeoLogicはテクノロジープロバイダとして、アドテク業界における位置情報データ活用を一任してもらえる存在になりたいと思って、会社設立に至ったわけです。

まだウェブサイトもHTMLソース手打ちの状態なんですが、TwitterアカウントFacebookページを用意したので、今後のGeoLogicが少しでも気になる方はフォローしていただければと。また、位置情報以外のコンサルティングも、あまり時間は割けないのですが案件によってはお引き受けできるので、サイト上からお問い合わせいただければと。

本来、会社設立のブログエントリーってものは大きなビジョンを語るもんです。はい。ただ、こういう感じがオレ流な感じもしたんで、そのまま投稿ボタンを押してみることにします。 

位置情報データ分析のジオロジック 

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