2009/10/20

[本]生き残るための広告技術 / Rob Graham

生き残るための広告技術 進化したインターネット広告「行動ターゲティング」のすべて生き残るための広告技術 進化したインターネット広告「行動ターゲティング」のすべて
著者:Rob Graham
販売元:翔泳社
発売日:2009-10-06
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日本では数人かもしれない行動ターゲティングのガチの中の人として、レビューせねばと。日本語タイトルが妙ですが、純粋な行動ターゲティングの本です。

この情報を得るための対価が1900円というのは圧倒的に安いです。俺がいろいろと独自に研究し、試行錯誤して得たノウハウが、2006年には既に英語圏で出版されていたのかと思うと腰が砕けぬる。書いてあることはほとんど正しいし、うちも一緒だし、考えていることも同じだし、BTを販売するひとはこれを読んでお客様に説明すれば間違いは無い(説明会とか資料作成がめんどくさいので情報公開できてないだけで、これらのことはデータでも実証されており)。結局データから出発すると、行き着く先は一緒なんだなぁ。

ただ、決定的に違うのはAudienceScience(旧RevenueScience)方式は行動履歴を人間がアナログに設計するということ。例えば、http://abroad.tour.travel.yahoo.co.jp/を28日間に2回以上訪問した人は海外ツアーに興味がある人である、といったルールを媒体社が人手で事前に用意しておく方式。俺はこの人間が介在する方式にはこういう理由で非常に抵抗感を感じていて、解決策としてここでいうロボBTのような方式を作ったわけです。

AudienceScience方式はどちらかというと媒体社のマネタイズ支援という意味合いが強くて、ただ日本でなぜ媒体支援モデルがほとんどうまくいってないかというと、結局日本語圏のネット人口が多くないからかなぁと思っており。簡単に言えばサイト内の特定ディレクトリを訪問したユーザーは、そのサイトの他の空き枠ページを訪問したときにも広告を出してしまうってことであり、その対象は日本ネットユーザー×当該ディレクトリリーチ率×リピート率×カテゴリ広告主入り状況という式なわけで、超巨大サイトでないと広告メニューとして成り立たず、それってYahoo!しか無いじゃん!ってオチが。だからアドネットワークでしか事実上行動ターゲティングは成り立っていない、という推測。(か、プロバイダーに徹するか。)

そして、最後に佐々木俊尚氏のコラム的な文章があるのだけれど、ここに”セレンディピティ”という、俺の中で旬すぎるワードが出てくるあたり、やっぱり佐々木さんはIT系ジャーナリスト・ライターの中では抜きん出てイケてるよなぁ、と思うた。