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ブラックバスによるエコシステム(生態系)への影響というと、あたかもすべての環境でブラックバス以外の生物が壊滅させられるようなイメージかもしれない。ただし、実際には壊滅させられる種とそうでないものがいるし、湖沼の環境によって影響の大小が異なる。たとえば遊泳力の強い魚種、生息域の異なる魚種、小動物が隠れる環境のある場所といった場合には駆逐されなかったりする。一方、遊泳力の弱い水生生物だったり、コンクリート化された環境である場合には著しく生物のダイバーシティ(多様性)が低下する。そして、ある一定のバランスまで行き着くと均衡する。

ここで話しているのは、資源としての他生物への影響ではなく、生物のダイバーシティとしての話。アユやワカサギのような金になる資源の減少の話とは異なります。いわゆる『生態系の破壊』は漁業資源の減少を指す議論が多い。経済合理性や人間の生活にとっての合理性。CO2も石油も人間にとっての合理性だから。もはやブラックバスが観光資源化している地域も多数ありますし、そうした地域で急激にブラックバスが減少すれば関係者にとって"破壊"となるでしょう。そうではなく、漁獲されないような生物もブラックバス(やブルーギル)を最大の影響を与える変数として、多数姿を消したと思われるという話です。

「生物にダイバーシティがあるのって、何のメリットがあるの?」と質問されても、答えられない。「そうあるべきだから。」としか答えられない。「なぜ人を殺してはいけないの?」の議論と一緒で。

なんでこんな話題を持ってきたかと言えば、Twitterによって、私の情報源であったIT系のソーシャルブックマークやブログ(RSS)から有益な情報が激減してしまったことからブラックバスを思い出したのです。Buzzurlの読者機能や好きな執筆者だけをピックアップしたRSSリーダーはとてもすばらしい情報収集環境だったのだけれど、この変化は本当にあっという間だった。つまり、Twitterという外来種が放流されたことで、IT系パーソナライズドメディアのエコシステムが急速に変化した。

生物のダイバーシティに経済的合理性があることはほとんど無い。あらためて言うと、漁業関係者にとって影響ある種が一部存在する。メディアのダイバーシティによるユーザーベネフィットも経済的合理性に結びつきづらい。結びつかなくはないけれど。これも、企業が儲かるか儲からないかの話ではなく、ユーザーにとっての話。

情報の可搬性がますます高まる中で、メディアのダイバーシティの低下速度は加速しているような気がする。いわゆる『Web2.0化』によって一旦ロングテール化した情報は、各種APIによって再び集約・集権されてきているような、なんとなくのイメージがある。Twitterはノイズに埋もれ、情報収集に多大な時間をロスしてしまう。やりきれぬ。。

ところで、Twitterで十分だからRSSリーダーを使うのをやめたという話をものすごいたくさんの人から聞いたのだけれど、ちょっとビジネスマンとしては危険だと思っていて。企業のプレスリリースやニュースサイトに本当の種が埋まっていることが多いとこれまでの経験からも思っているから。(ちなみに私のGoogleリーダーは日本語英語含めて125本登録されていて、1日放置すると数百件溜まる。これのタイトルは全部目を通してる。iPhone以降は楽になったね。)TwitterでRTされまくる記事やはてブの人気記事は確かに"おもしろい"ものは多いけれど、たぶんビジネスに直結する情報じゃない。本屋を埋め尽くす自己啓発本のように。本当の差異はRTされまくる情報からは産まれないから。時代の流れを的確に読むことと、敵を出し抜くことは、違う。

まぁこの記事は誰に対する怒りでもなく、オピニオンでもなく、ストリームについていけない単なるノスタルジジイのぼやきです。

(追記)
本題のひとつを忘れてた。みんな、ブログをがんばって書きましょうよ!!