Book

2011/03/25

『フェイスブック 若き天才の野望』を読んで考えた未来の広告

フェイスブック 若き天才の野望 (5億人をつなぐソーシャルネットワークはこう生まれた)
フェイスブック 若き天才の野望
5億人をつなぐソーシャルネットワークはこう生まれた

デビッド・カークパトリック 著

Facebookは昔から大好きだったけど、「ソーシャル」というバズワードは大嫌いでした。でも、きっとこれから僕はソーシャルを叫びだすと思う。いまさらながら。

映画『ソーシャル・ネットワーク』はかなりの部分がフィクションであるのに対し、この本はより事実に基づいていてザッカーバーグ自身へのインタビューも行っていることは周知の通り。さらに言えば、映画は草創期まででエンディングなのに対し、本書は2010年までを追い、未来についても言及されている。何より、人間模様を描いた映画と、企業やメディア運営を描いた本書という点で大きく異なっていて、このブログを見ている方にとっては身に覚えがある話が次々と現れてほっこりした気持ちになれるでしょう。Microsoftとの広告販売権のくだりなんか、最高にたまんないですね。あるあるネタで。

Facebookやザッカーバーグというと遠い世界を想像しがちだけれど、我々と同じようにいつもつまづきながら、最初は小さな山を越え、どんどんと大きな山へ向かって行った事がわかる。自分の過去の仕事を振り返ると、とんでもなく小さなことを必死こいてやっていたのに後から気付くみたいに。ただ、Facebookの場合、その山の大きさがドラゴンボールのストーリー並に指数関数的に大きくなっただけさ。。最初から今のFacebookのサービス構想やビジネスモデルがあったわけじゃなかったし、現在のFacebook Adsのターゲティングも、その価値に後から気付いたとされている。

結構な長編なので途中で挫折する人も多いと思うけれど、本当におもしろいのは終盤。しれっと告白すれば、ボクは今までFacebookコネクト(今はSocial Pluginsへ?)をサイト側が利用するメリットを理解できてませんでした。ストリームと連動するところがキモなのだね。今や無きFacebookビーコンしかり、行動がストリームに共有されると、友達からの反応があったりして楽しいから。

そして、今後はFacebookサイトそのものの重要性は薄れていく。免許証とかを使った本人確認ではなく、ソーシャルグラフで担保するという考えには涙が出る。透明性によって秩序を持たせる。ソーシャルグラフと認証が組み合わさることで、単なる本人確認からエスクローへと展開が可能になる。そこに金銭授受が発生するなら決済プラットフォームを統合すれば高い利便性が実現できる。そのアクションは、ワンクリックでストリームとして共有される。ストリームはFacebookサイトの外にあったって別に構わない。ユーザーと企業の利害は一致するから。アクションに関連した広告は情報としてインサートされる。完璧すぎる。

今のFacebook Adsはデモグラや興味のあるキーワードへのターゲティングだけですが、きっと今後は"シチュエーション"でターゲティングできるようになるだろう。それは地域情報だったりイベントだったり外部サイトでの行動だったりつぶやきだったり。きっと、現在多く存在する"広告メニュー"的なものではなく、代理店・広告主が自由自在に条件をカスタマイズできるリスティングのような形式で展開していくに違いない。いや、そうでなければ真価が発揮できない。すべてFacebook側で最適化なんて絶対に無理だから。これはFacebookサイトだけではなく、外部のサイトでもFacebookのデータを利用したターゲティングをできるようにするはずだ。

広告代理店はこれまでの検索ワード・コンテンツ・オーディンエンスデータに加えシチュエーションでのコミュニケーション戦略を実行でき、それらはデモグラによってフィルタリングできる。組み合わせパターンは爆発するから当然データマイニングと人間のマーケティング感覚が混ぜ合わされる。

僕らはFacebookによる閉鎖社会を過剰に警戒する必要は無い。Facebookは外部法人(人格)がユーザーに不適切なアプローチをしないように統制する、いわばフェイスブック市警察の役割をするはずだから。透明性を高めさせ、それでもフェイスブック市民によって通報されるような法人はフェイスブック市から永久追放される。だからFacebook八分を恐れて法人は悪さをできない。きっとザッカーバーグはそう考えるに違いない。

そんな風にザッカーバーグの思考回路をほんの少しだけ理解できるようにしてくれるのが、本書なのだと思う。



2011/01/03

[本]電通とリクルート / 山本直人

電通とリクルート (新潮新書)
電通とリクルート (新潮新書)

この本は、今まで自分の頭の中でモヤモヤとしていたことを、体系的にスパッと切り分けてもらったような気持ちよさがありました。

マス広告によって「意味の書き換え」を行う電通は「発散志向広告」であり、広告を集めたメディアによって消費行動へのガイドを行うリクルートは「収束志向広告」であるとして対立軸を持たせつつ、それを消費社会の変遷と照らし合わせて解く。意味の書き換えとは、新幹線を「恋人たちを結ぶ列車」にしたクリスマス・エクスプレスの広告に代表されるような、スペック勝負ではない世界のこと。リクルートが行ったのは物件スペックなどのバラバラな情報の企画の統一と検索性向上。電通は夢・ニュース・ストーリーを創り、リクルートはリアル・合理性を提供した。リクルートが提供していたのは、「使うもの」としてのメディア。戦後、大衆はやがて分衆・小衆になり、インターネットの登場もあり自分の行動を自分で決めるようになった。ちなみに、これを読んで今さらながらリクルートのかたがGoogleを競合視する理由に気付きました。

さて。ネット広告に話を移します。(本書の内容とはズレます。)

ネット広告の世界では広告主がブランディングかダイレクトレスポンスかのような二軸で議論されることが多いと思いますが、ここではちょっと違ってメディアの区分を。広告枠として強いメディアとオーディエンスデータとして強いメディアは比例しません。昨今オーディエンスターゲティングがブームになっていますが、本当に重要なのは、リクルートのようなガイドを行うメディアのオーディエンスデータ。この記事ではファンクションサイトと呼んでいましたが。そして、配信先はそれ以外のメディアで。「どういうデータが売れますか?」としばしば聞かれるのですが、「比較サイト・検索サイト・情報サイトなどのオーディエンスのインテントが浮かび上がる行動」と答えていますが、より正確に言えばガイドメディアかもしれません。今後ガイドメディアは、情報が整理されたコンテンツによるガイドだけではなく、オーディエンスデータによってサイトを離れた後にも生活者をガイドすることになるはずです。その世界では「オーディエンスデータの販売」は死語になっているはずです。

そして、この文章がすごくはまった。

 情報と人々の関係は、雨と陸地の関係に似ている。かつては、土が雨を吸収するように、人々は情報を得てそれをまた糧としていた。そして、大地が潤うように豊かになっていった。それは八〇年代に「消費社会」という森になった。
 今の風景は、まったく異なる。人々はコンクリートの地面のように情報をはじいている。常に豪雨が続いているような状況では、情報に押し流されてしまうからだ。ほとんどの情報が下水道に流される一方で、お望みの水路から自分の蛇口へとつないでくれるグーグルのような存在が重宝される。

これもネット広告に置き換えてみると。RTBの世界というのは、ひとりひとりのオーディエンスに対して蛇口が開通することを意味しています。(RTBに対する誤解が蔓延しているので、今後しっかり書きたい。)オーディエンスターゲティングはあくまでも土管であり、云わば"コミュニケーション・インフラ"。どこでもドアです。ボクはどこでもドアを開通させるお仕事をしています。それがテクノロジー企業です。ただし、どこでもドアが開発されても、しずかちゃんがシャワー中に入っていってしまっては元も子もないのです。

ということで、蛇口を通してどんな情報を提供するのかが問題です。私はバナーのクリエイティブは(課金形態にもよるが)CTRの高いものが良いと思っており、バナー内の情報がどうあれ構わないと思っています。問題は、クリックしたその先にあって、サービスサイトなのかキャンペーンページなのか、またはFacebookなどのファンページなのかはわからないけれど、広告会社はサイトに近い方向を担当し、テクノロジー企業はコミュニケーション・インフラを極めるという分業像を、個人的には描いています。広告会社はテクノロジーを作るのではなく使いこなすとも言えますが。キーワード〜やメディア〜よりもサイト上でどのオーディエンスにどんなメッセージを発信し続けるのか。そして、オーディエンスのサイト内外での行動データを解析し、リサーチだけでなく柔らかなCRMを。考えるだけで楽しい。

久しぶりにブログ書いたら、まったくまとまらない。

ちなみに、商学部の授業では本書のようなことをやっています。商学部、like


2010/05/09

『金融工学は何をしてきたのか』を読んで考えたネット広告の遠い未来

「金融工学」は何をしてきたのか(日経プレミアシリーズ)「金融工学」は何をしてきたのか(日経プレミアシリーズ)
著者:今野 浩
販売元:日本経済新聞出版社
発売日:2009-10-09
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ブックオフで買取査定(エヴァリュエーション!!)の待ち時間になんとなく手に取って700円くらいで買った、正直期待していなかった本なのですが、非常に興味深い内容でした。統計学のお化けである金融工学は、以前より興味がありそれなりにロジックの勉強はしてきたのですが、この本は米国での金融危機に至る環境・社会に関する話題が中心。そして、ずっと持っていた疑問、「十分なデータも無いまま組成された金融商品はどうやってリスクや価値を算定するんだろう?」というのは、どうやら勘の要素が大きいらしい、というのを知れたことだけで晴れ渡る心持ち。

なかでも興味深いのが、MBA出身の経営者に実権を握られた金融機関のエンジニアは無理難題を押し付けられてもNOと言えないという環境。データマイナーや数学者は、できることできないことはだいたい勘で分かるもんですが、NOと言えばクビになる。だから適当にやる。適当に組成した金融商品を、格付け会社が適当に格付けし、機関投資家が適当にポートフォリオを組む。

もうひとつが、デリバティブを原子力技術に例え、発電にも爆弾にも使えるという表現は秀逸。本来的に金融工学は悪ではないと思うのです。環境や社会があらぬ方向へ導いた、と。

話をアドエクスチェンジに置き換えてみます。アドエクスチェンジは広告の取引市場であり、金融と本質的に同じです。ちなみに天然ガス取引を手始めに、電力、インターネット回線などのエクスチェンジも行っていたのがエンロンです。末路はご存知の通り。

金融市場とアドエクスチェンジの決定的な違いは、広告には時間軸の要素があまりなく、(広告効果−買付金額)の最大化が目的なのに対し、金融は(売却金額−買付金額)の時間差での最大化や(収益確率×金額−損失確率×金額)の最大化が基本だということです(細かいツッコミはご勘弁!)。もうひとつの大きな違いが、同じインプレッションや同じオーディエンスでも広告効果は広告主によって千差万別であるということ。金融商品は持ち主によって価値は不変です。その他にも、市場の流動性の不足や、枠提供がイレギュラー、突発的要素が多々あり、データの量は多いが1年以上前のデータはほぼ使えないことなども特徴です。

これらの点が、金融市場で活発化し、金融危機の根本であるデリバティブと同様の活動をできなくするので、広告のデリバティブ的なものは産まれないと思うのです、きっと。市場リスク技術(価格変動)を応用した先物的なオプション取引といったものは成立し得ないと思う。

ただ、広告予算の期限付き消化要望を頂くことは多いのでこういったソリューションも何らかできるのかもしれないし、入札額に対するポートフォリオ理論の応用はできるはず。期間保証で予想外のPVだった時のオプション取引とかもあり得る?信用リスク技術を応用したオーディエンスのエヴァリュエーションは当然できるでしょう。ただし、時間軸での裁定取引(アービトラージ)だったり(リアルタイム裁定取引はOKだと思う)が登場してくると一気に怪しげな世界になりますね。おそらくGoogleやMicrosoftの研究所やシリコンバレーのどこかの一室では既に研究しているとは思いますが。私は、未来の予想なんてできないから、未来にも広告のデリバティブは成立しないと予想します。

ちなみに、ボクは天才的頭脳を持ち合わせていないので何度挑んでもブラック=ショールズ式を理解することができません。てへ。

2009/10/20

[本]生き残るための広告技術 / Rob Graham

生き残るための広告技術 進化したインターネット広告「行動ターゲティング」のすべて生き残るための広告技術 進化したインターネット広告「行動ターゲティング」のすべて
著者:Rob Graham
販売元:翔泳社
発売日:2009-10-06
クチコミを見る

日本では数人かもしれない行動ターゲティングのガチの中の人として、レビューせねばと。日本語タイトルが妙ですが、純粋な行動ターゲティングの本です。

この情報を得るための対価が1900円というのは圧倒的に安いです。俺がいろいろと独自に研究し、試行錯誤して得たノウハウが、2006年には既に英語圏で出版されていたのかと思うと腰が砕けぬる。書いてあることはほとんど正しいし、うちも一緒だし、考えていることも同じだし、BTを販売するひとはこれを読んでお客様に説明すれば間違いは無い(説明会とか資料作成がめんどくさいので情報公開できてないだけで、これらのことはデータでも実証されており)。結局データから出発すると、行き着く先は一緒なんだなぁ。

ただ、決定的に違うのはAudienceScience(旧RevenueScience)方式は行動履歴を人間がアナログに設計するということ。例えば、http://abroad.tour.travel.yahoo.co.jp/を28日間に2回以上訪問した人は海外ツアーに興味がある人である、といったルールを媒体社が人手で事前に用意しておく方式。俺はこの人間が介在する方式にはこういう理由で非常に抵抗感を感じていて、解決策としてここでいうロボBTのような方式を作ったわけです。

AudienceScience方式はどちらかというと媒体社のマネタイズ支援という意味合いが強くて、ただ日本でなぜ媒体支援モデルがほとんどうまくいってないかというと、結局日本語圏のネット人口が多くないからかなぁと思っており。簡単に言えばサイト内の特定ディレクトリを訪問したユーザーは、そのサイトの他の空き枠ページを訪問したときにも広告を出してしまうってことであり、その対象は日本ネットユーザー×当該ディレクトリリーチ率×リピート率×カテゴリ広告主入り状況という式なわけで、超巨大サイトでないと広告メニューとして成り立たず、それってYahoo!しか無いじゃん!ってオチが。だからアドネットワークでしか事実上行動ターゲティングは成り立っていない、という推測。(か、プロバイダーに徹するか。)

そして、最後に佐々木俊尚氏のコラム的な文章があるのだけれど、ここに”セレンディピティ”という、俺の中で旬すぎるワードが出てくるあたり、やっぱり佐々木さんはIT系ジャーナリスト・ライターの中では抜きん出てイケてるよなぁ、と思うた。

2008/12/30

読み終わった本というモノ

donadona_booksサザエさん的年中行事をほとんどやらないわたくしですけれども、大掃除だけはやります。

今年、ブックオフという天道かちり紙の畜生道、果たまた火の燃えさかる地獄道へ突き落とされる、輪廻の世界を漂うのは彼ら。本のフローが年々加速してます。

これは、確実にインターネットに影響されてる。インターネット的世界になると、情報量は公文塾の世界から天文学の世界へといざなわれるわけで(量の問題)。また、情報はすぐ陳腐化するもんで、古い本の大半は役に立たない(スピードの問題)。読んだ本をとっておくことは、もうデメリットの方が確実に大きくなってきてる。iTunesとiPodによって、CDがむしろ邪魔になってきてるように。物理的問題はもちろんのこと、検索性が重要になる、爆発後は(iPodはこの問題を完璧なまでに解決した)。で、本をとっておいても、なにより「あれを本でもう一度調べよう」なんて思うことは現実ほとんど無いわけで、いままで27年生きてきた経験則からは。パラパラとめくるという、あれはイマジネーションにとっては良いのだけど。

おそらく数年後には日本の出版界もGoogle Book Searchの適用範囲を広げていくでしょう。ということで、今年はひときわばっさりと捨てた。「本」というのはコンテンツにとっての一形態でしかないわけで、紙にとどめておくことの方がかわいそうなことなのです本当のあるべき姿は、コンテンツに対して対価を支払うべきなのにね。

たとえば、書籍は3,000円でデジタルだと2,000円。書籍を購入した場合はデジタルの無料閲覧権がもらえる。で、本は最初に全文を読むためのものになり、デジタルは部分を調べたり検索から呼び出されるためのものになる。本は古本が当然のように流通するようになり、古本でももちろん出版社へコンテンツ料が支払われる。これが、既存の枠組みを想定せずに、フラットに考えた理想像だと思うんだけど、これいかに。あくまでも、「本が滅びる」と狂言を言ってるんではなく、役割による棲み分けができるようになればより世界がすばらしいのになぁ、ということデス。

大掃除してたら、昔の大学のノートが出てきた。昔はつまらなかったことが、今読み返すとこんなにおもしろい。しかも、やはり大学でやっている内容は不変的なことが多い。やっぱ大学は社会人になった後でいくべきだってな話はまた別の機会に。。

日本の図書館がすべてスキャンされるのはいつの頃だろうか。

2008/11/02

[本]次世代マーケティングプラットフォーム/湯川鶴章

次世代マーケティングプラットフォーム 広告とマスメディアの地位を奪うもの
次世代マーケティングプラットフォーム 広告とマスメディアの地位を奪うもの


著名ブロガーでもある時事通信の湯川鶴章氏の新書。
非常に乱暴なまとめ方をすると、CRMは単一ベンダー・単一チャネルに閉じたものではなく、マルチベンダー・マルチチャネルになって行くよ、既存の”広告”だけの視点しか持ってないと危険だよ、という感じ。

総論は賛成なのだけれど、アドネットワークや行動ターゲティングを作る者の現場感として、各論は「どうかねぇ」といった感じ。

Web、特にcookieを利用したターゲティング技術の発展は目覚しいものがあって、有効性に関しても間違いないという確信はある。アドネットワークやAd Exchangeにしても然り。さらに進化するのも間違いない。だけど、それがAPIによるベンダー連携やマルチチャネルで、となるとどうなのか。具体的には、プライバシーを保護した上でcookieの壁を越える何らかのイノベーションが必要だし、各事業者のビジネスが成立しないといけない。

この本の中で大きくフォーカスされているOmniture1社とってみても、普通のサイトではとても導入できるような金額じゃない。もちろん中小サイトは導入できないし、大手の中でもすでにWeb事業で大きく黒字化できているような「既存の勝ち組サイト」でなければ入れられない。Salesforce.comなども組み合わせたら、さらに。結局はこれまでのSIerによるCRMシステム構築のような金額にまで行きかねないのでは、と。もちろん各ベンダーのユーザーインターフェースは非常に優れてるから、SIerが作るものより使いやすいだろうけど。

さらに問題なのは、クライアントのノウハウ&スキル。今の現場感からすると、まだまだだろうなーって感じ。クライアントはもちろんのこと、インタラクティブ系代理店だってまだまだなんだから。リスティング広告が脚光を浴びてから数年、リスティング広告はもはや工場の職人技みたいになってますけど、これがさらに拡がるのだから大変。キーワードっていう職人技よりも、マーケティングの思考が必要だし。

ベンダー側からすると、Googleの無料ツールなどへ対抗して各社に値下げ圧力がかかると、きっと撤退せざるを得ない。仮に安く提供して導入企業が増えても、コストに見合わないでしょ、ノーコンサルにしないと。で、結局Google一社でまとめた方が良くね?って。

あと、特にデジタルサイネージの章で、広告効果測定がメディア収益が伸びることへの必要条件であるともとれる内容に?効果測定って、十分条件なんでは?既存のマスメディア広告は過大に予算が投入されているので、ここは値下げされるべきでしょうねー。これは測定できないがゆえの功罪。測定できる=本当の価値が算出できる→ネット広告は効果がある&効果があるものを選別できる→ネット広告市場拡大。で、デジタルサイネージってどうよ?そんなに価値あるんだっけか?

じゃーお前はどう思うんだって言われると、PCのWebはPCの世界に閉じたターゲティングやイールドマネジメントツールの進化によってしばらく発展を続けると思います、さらにはFacebookやiPhoneのようなプラットフォームによって、広告を超えた新しいマーケティングは次々と生まれてゆくんだろうって、思います。それ以上はわかりまへん。(いつもこのオチ)

ところで本の中で頻出する「サザエさんの三河屋さん」って、俺知らないんだけど。。


2008/06/13

『ゲーテ』がおもしろい

GOETHE (ゲーテ) 2008年 07月号 [雑誌]

今日、飯食べてる時にお店にあったGOETHEをなんとなく、産まれてはじめて読んでみた。ら、おもしろかった。すごい。

松本大マネックス社長のコラムが良い。日本の金融業界は内弁慶(鎖国)かつ卑下しすぎている。この話は金融だけじゃなく、ネット業界でもまったく一緒だ。非常に身にしみる。し、我々が金融業界に対して見ているのと同じ構造なのかもしれない。広告テクノロジーは、いずれ(広い意味での)広告業界を金融業界のような巨大産業にする、させる。米Yahoo!に買収されたBlueLithiumという会社があって、そのスローガンが好きで妬む。"Data is the difference"

話戻って、元再生機構の冨山さんのコラムが最高すぎるし、他の記事も最高におもしろい。中田ヒデの特集も。

やっぱ幻冬舎すげぇな。やっぱ雑誌編集ってすげぇな、って思ったのでした。


2008/04/14

『広告批評』休刊にして思ふこと。

b0923453.jpg 雑誌『広告批評』が休刊に。

人生をも大きく左右した雑誌が、来年、なくなってしまいます。

高校生1年生の正月、キューピーハーフのCM、そしてPARCOのCMを見て、全身に衝撃を受けた。立て続けに新しい世界を見せられ、「広告やろう。」と思ったのでした。

その想いを強く強くしていってくれたのが『広告批評』でした。いろんなことを教えてくれました。キューピーハーフのCMの、研ぎすまされたコピーは秋山晶さんというベテランコピーライターが書き、一瞬にしてブラウン管への意識を集中させる映像はライトパブリシティという制作会社が作っているらしい、と。PARCOのCMは(今では誰もが知っている)佐藤可士和さんというクリエイターが作り、彼は大貫卓也さんという人に大いに影響を受けた人である、と。

広告クリエイティブ界には、たくさんのスターがいた。みんながGLAYやL'arcに夢中になってた頃、俺は30秒の佐藤可士和作品をVHSで1/16速のスローモーションで必死でリプレイしてた。そのうち、強いCMなら見ただけでどの会社のどのディレクターが作ったのかはかなり当てられるくらいになった。お金が無いから『広告批評』は毎号図書館で借りてたんだけど。

大学は広告とマーケティングを学ぶために商学部に入り、広告とマーケティングの授業をたくさん受けた。だけど就職活動の頃、電通や博報堂は、調べれば調べるほど入りたくなくなった。「結局入っても営業か。」で、一旦は電電公社に入ってしまうのだけれど、広告への想いが捨てきれず、今のネット広告会社にいるってわけです。(就職活動の時、なぜか一社だけ食品会社を受けた。キューピー株式会社ね。)

今、俺のやっている仕事は、広告の中でもデータをとにかくつきつめる仕事で、さっきから言っている意味での”クリエイティブ”とは通常相容れない関係にある。今は、 消費者の反応や効果やシチュエーションといったデータを極限までつきつめて、世界最高の広告プラットフォームを作ってやろうという思いでやってますが、いつかはすばらしいクリエイティブの広告が、より適切な人に適切なタイミングで届くような仕組みを作りたい。言い換えれば、「心に響く。」を最大化する仕組みをね。

なんだかおセンチモードになってきましたが、『広告批評』と言えば、カンヌ受賞作品CD-ROM、年間トップテン、毎年8月の戦争特集が思い出される。強烈な印象を残した特集としては、'00.10の「10人のCMディレクター」特集はヤバかった。山内さん中島(哲)さん黒田さんとかがテキトーに喋ってるんだから。「佐藤雅彦研究室」ではSFCに対する猛烈な嫉妬心を抱いた。あの授業を受けられないくやしさ。「佐藤雅彦になりたい。」という、よくわからないことを考えたり。そして特集「佐藤可士和」。このインタビューは、後年の数々のインタビューよりも強烈だった気がする。橋本治のコラムも、まったく共感はできないのだけれど、こういう考え方をする人もいるのだな、と思って参考にしていた。とにかく、広告クリエイティブの歴史は『広告批評』と共に見てきた。

広告クリエイティブが好きだ。それを作った人達が好きだ。

広告クリエイティブは、広告主のお金で、広告主の要望を満たす。その要望という制約条件の中 で、いかに強いインパクトで、いかに広告主のブランドを高め、かつ高いクリエイティビティを出していくか。そこが好きだ。お題、そして答え。芸術家の作品 は好きじゃない。「表現が上手い」よりも「答えが巧い」に圧倒的に惚れる。そこに視覚的な美しさがあればなおさら。

ネットの世界にいるぼくらは、いつもTV・新聞・雑誌・ラジオなどの従来マスメディアと比較され、対決構造をおもしろおかしく書き立てられてきた。現に、従来マスメディアとの対決姿勢を前面に押し出す人も業界内には少なくないし、ネットの方が優れている点は多々あって挙げ出したらきりがない。

だけれども、雑誌、特に専門誌にはもっともっとがんばってもらいたい。優良な情報に対して有料の情報料を支払う。こんな当たり前のことが成り立たないはずがない。流通を含め、今こそ構造改革をしなければ専門雑誌に関わるプレーヤーが、みんな死んでしまう。ネットでは『広告批評』のような高品質なコンテンツは展開できないだろう。少なくとも広告収入では。大貫卓也×佐藤可士和の対談が実現できるんだろうか。

それにしても、なぜ休刊なのか。1冊562円で編集長と内部デザイナーと営業込みで12人。発行部数少ないのかな。広告3誌にテーマを振るならば、『ブレーン』はクリエイティブ、『宣伝会議』は広告ビジネス、そして『広告批評』は社会。最近では後発の『デザインノート』がいい感じの特集を毎号やってますが。今のニーズはもはや『広告批評』には少なかったのかな。

ここで、『広告批評』のウェブ化についての検討を。特集のインタビューなどはウェブでは厳しいことが目に見えているのでカット。ただ、毎月の新広告ラインナップ+制作クレジット+ショートコメントは広告業界ニュースサイトとしての運営ができるのではないか。広告収入で。ニッチポータルはコストをかけず、業界No.1の地位さえ獲得できれば意外といける。動画の許諾が得られたものは動画も掲載。ここは日本での著作・肖像権の動向に大きく左右されるけれど、あの広告ラインナップが1クリックで動画再生できればどれ程有用か。さらに検索機能を備えれば有料でも使いたい。日経テレコンのようにね。『広告批評』が社会に合わせて変容していったら、最高におもしろいよね。

この写真は、我が家の『広告批評』ライブラリー。残念ながら、学生の頃に引っ越す際に、重要な刊を残して捨ててしまった。残りの『広告批評』は、まだまだ捨てられない。

2008/03/17

或る決意

ウェブ時代 5つの定理
この言葉が未来を切り開く!
梅田望夫


非常にゾクゾクする本です。
シリコンバレーという宗派の宣教師・梅田氏による福音書、と言いたい。(そんな宗派があるなら俺は喜んで入信しよう!)シリコンバレーの経営者やキャピタリストなどによる金言を基に”シリコンバレー流”を紹介しています。これは泣きます。

なかでも印象的なのがGoogleのマリッサ・メイヤーの

Don't politic, use data. --- Marissa Mayer
政治的になるな、データを使え。

という言葉。「I like 〜」という言葉は使うな、とも。

もうひとつマリッサから。

We're doing things that make people better educated and smarter - that improve the world's intelligence. --- Marissa Mayer
私たちは、人々がより良い教育を受けて、
より賢くなれるようなものを生み出したい。
それによって、世界の知力・知性は向上するだろう。

その他にも涙の出る金言は数あれど、紹介しきれないので本を買いませう。組織や人材評価、採用、思想、あらゆる点で今のインターネット業界のあるべき姿はこれなのだなぁと。日本は…と。

ここであえて「インターネット業界のあるべき姿」と言ったのは、成熟した業界ではうまく機能しない仕組みだと思うから。今、インターネット業界はまさに毎日進化し続けるフロンティアだからこそ、シリコンバレー流が成功する。だけど、いろんなものが成熟して固定的になった業界、言い換えると創発が産まれにくい業界では、シリコンバレー流はまったくダメだろうね。

そう考えた時に、医療系ってのはシリコンバレー流のやり方をすることで、劇的な進化が待っている気がする。ただ、大きな設備投資が必要なのかな、医療系は。そこんとこパソコン数台でできちゃうネット業界とは違うのかも。

話バラバラでなんとも情けないんだけれど、医療の営業はMRであり、MRのほとんどは薬剤師(だと思う)。それは、医療が極めて専門的な知識が必要だから。金融だとFPとか。こうした業界と比べると、インターネット業界の営業は数年で現場を離れ、ものすごい早さで新陳代謝が起こっている。(あら歯切れの悪い!)

シリコンバレーでは、ベンチャー企業が産まれ、失敗し、また産まれるecosystemがある。たぶん日本ではこのecosystemは成立しない。(理由割愛)まぁ日本はフロンティアに向いてないのかもね。結局日本で成功するには、フロンティアで生み出されたものを、日本人向けにウケるかどうかを見極める眼力、スピード、そしてそれを売る力とか周辺事業なのかな。日本では石油は出ない、石油が出ないから輸入しよう。石油の買付・販売や船舶輸送、石油コンビナート、先物取引、いっぱい。悲しいけれど、これが正しい気がする。

虚構
堀江と私とライブドア
宮内亮治

心から、この世からいなくなって欲しいと思った。ホリエモン氏を。こういう経営者は最も嫌いだ。生理的に受け付けられない。日本人の99.9%にとっては「ライブドア」と「シリコンバレー」の違いはわからず「IT系」というくくりなんだろうけど、まったく違うし、まったく逆。
宮内氏が自らの潔白についてダラダラ書かれていたりもしてアレなんですが、ホリエモン氏に関する記述に完全なる虚はあるまい。ぜんぜん笑えない。はっはっは。

ウェブ時代をゆく
いかに働き、いかに学ぶか
梅田望夫

これも梅田氏によるもの。だいぶ前に読了しましたがこの期に。IT業界で働く人は読んだ方がいい(つってもベンダーさんまとめてる文系SEの人とか除いて)。読んでおもしろくない人は早めに他の業界に移った方が良いと思う。俺はワクワクしちゃいますが。


最後に、アップルのスティーブ・ジョブズの言葉を。

 Silicon Valley is all about changing the world.
It's all about changing the world for the better, and if you do that,
you can be incredibly successful economically.
--- Steve Jobs
シリコンバレーの存在理由は「世界を変える」こと。
「世界を良い方向へ変える」ことだ。
そしてそれをやり遂げれば、
経済的にも信じられないほどの成功を手にできる。
―スティーブ・ジョブズ


2008/01/02

[本]次世代広告コミュニケーション/横山隆冶

次世代広告コミュニケーション
横山さん中心のADKインタラクティブの皆さん執筆の、ネット時代の(プロモーション面の)マーケティングに関するお話。

正直、この内容は本にすべきほどのコンテンツ無かった感が。結局、伝えたいメッセージは、(1)企業サイトでエンゲージメント(絆)を深めるとか、(2)消費者の入り込み度合いによってチャネルやコミュニケーションをあわせないといけないとか、(3)ブログ/SNSなどのでのバズを起こすときには注意が必要だねってことだけで、それを体系だてた風味。

なんていうか、代理店のためのインタラクティブ領域を売るためのロジック福袋か、出稿企業のマーケ担当者が社内の稟議通すための講義ノートって感じで、実際これ効果無いだろうし(言っちゃった〜)。ちょっと意味不明なこじつけフレームワークとか、結局ぜんぶ売ってグロス大きく取りたいだけじゃん的な。マーケティングとかマネジメントのようなビジネスが学問として成立しているものは、フレームワークとして整理することによってヌケ・モレをなくすって意味合いがあって、絶対的に必要なことだと思うんだけど、ここで提唱されているフレームワークって、むしろあてはまる案件のほうが少なくて、別にフレームワークにする必要もないかなと。事例とかも、ちょっとクライアントの自己満だろ的な。きちんと滞在したユーザー一人あたりいくらコストかかってんのか気になるところ。クチコミマーケはセカンドライフみたいな(あまりに空虚な)バブル崩壊も目前だけど、太駄さんが強調している通り、「クチコミが広がりやすい環境や条件を整えること」であって、無理やりクチコミを広げさせることじゃない。きっとこの領域はバブル後には一定の大きさの存在は保つと思う。SEOと同じように、企業として当然やるべきものとして。

過去の横山さんの著作やCNET記事などは非常に参考にさせていただいているのですが、この本はちょっといただけないかと。(酔っ払って大きな気持ちになっています、現在)



2007/12/15

また本を大人買いしたわけです

今、いつもの三茶のTSUTAYAの本屋にぶらり立ち寄ったら、入り口のとこに見覚えのある本が。最近、とある本の一部を書いたりいろいろ作業したりしたんですが、それ。

われわれ仕事はパソコン画面の世界だもんで、ふつうモノが無いわけで。なんか新鮮、リアルモノ。しかも昔からの生活の一部に入り込んできたのが余計に。

と、そんなぼくですが、めっきり読む方のペースが落ちてます。しっかりした本は1ヶ月1冊も読めてないかも…最近ヤバいなと思います。仕事をがんばるのもいいのですけれども、毎日読書の時間はとらねばなりません。大企業で働いている知人たちは、仕事をそんなに遅くまでやらない代わりに結構本読んだり勉強したりしてるようで、話聞くたびあせる。会社の教育システムも充実してるしね。目前の仕事ばかりやっても長期的成長は見込めない。幅広い見識・知識が必要だよなぁ。趣味も同様にね。ベンチャー風土の会社にいるとそこが怖い。あらゆる単位が”月”だし、上に行く=マネジメント=コーチングみたいな感じとかも。話の収集がつかなくなっている今日この頃、2008年は1.英語、2.統計学、3.マネジメント(≠コーチング)、4.経済学の強化年間宣言。言い放つ事が重要だのだ。だー。


2007/10/09

いい意味でヤバいっす

ブログの名前戻しました。実験終了です。

やっぱこのブログは検索エンジンから来る人が半分以上を占めてんです。mixiからリンクさせているので、mixi経由で来る人も多いんですが、それを大きく上回ります。だので、俺をリアルには知らない人が観てる人の半分以上をきっと占めてるわけです。

っつーことが以前からうすうすわかってたので、検索されやすいように映画とか音楽とか個別記事にしとるんです。だから日記っぽくない。リアル友人にはこの形式ウケが悪いんだけど、、日記風に書くと検索に弱くなってしまうだで。しかも、マニアックでよくわからん内容多いと思うけど、まーそれはそれでいーじゃん、タイトルで読み飛ばしてよってな感じで、日記っぽい日記を一週間分超ヤバい特大号。


お金をたくさんもうけたい。

そういう人には縁のない銀行です。

民営化した日本郵政グループの事業会社のひとつ、ゆうちょ銀行のコピーがヤバい。ここまで思いきったのは超ヤバい。誰だろコピーライター。。かんぽ生命の「むずかしい保険は、未完成な保険だと思う。」ってこれもチョーヤバい!!前田知巳さん並。日本郵政ホームページはヤバい。ギャラリーは絶対見るべし。

ただ、民営化後日本郵政はロゴが残念だなぁ。なんかダサイよね。公社の時の「郵」の白抜きはヤバいかっこよかったんだけど。ヨーロッパテイストを期待してたんだけど、逆に、ぼくたちはずっと変わらないよきみの知ってるぼくのままだよアピールって感じだね。


ヤバい経済学

次。『ヤバい経済学』を今、読んでます。ヤバいっす。読了したらレビューしよ。


佐藤可士和の超整理術
と、これも読んでるんだけど、こっちはイマイチかも。やっぱ可士和さんも物書きは本業じゃないしね。でも、思考回路は(恐れ多く申し上げますが)かなり似てる気がする。ヤバいくらいスッキリさせたい欲望。


最近、うちの水槽が死にかけてきたので、思いきってゴージャスな設備にしまけり。あこがれの外部フィルターという奴です。約1万円のニクい奴。さっそく威力発揮してます。まじヤバいっす。これで魚も水草も元気元気、きっと。グローライトテトラ5尾、ランプアイ5尾投入。賑やかなり、艶やかなり。神田うのより綺麗です。

うちのWindows PCの1台をnapster専用マッシーンに衣替え。コンポにつないで、リビングで座りながら音楽をダウンロードして再生ってこれヤバい。YouTubeも全画面にしてリビングで画面から離れながら見るとヤバい。

ヤバい、オタク日記じゃん。


2007/09/02

[本]広告会社は変われるか/藤原治

広告会社は変われるか―マスメディア依存体質からの脱却シナリオ
藤原 治 (著)

前・電通総研の社長が考える、電通を中心とした「広告代理店」の未来。日本の広告代理店は広告枠というスペースを売る生業である。しかし、消費者は大衆から個へ、マスメディアは細分化され、企業は大量生産の時代を終えた。そしてインターネットの隆盛とグローバル化が訪れた今、日本の広告代理店はどうすべきか。

いろいろ批判されているこの本ですが、俺は結構素直に共感しました。言っている事はほぼ俺も同じ考えだし。ただ、ネット業界で働くボクたちにとってはあたりまえのことが書いてあるだけで、この本から得られた事は何も無かったに等しいのだけれど。おそらくこの本は電通をはじめとするトラディショナル代理店の方々に向けて書かれていると思うのでいいんだけど。たぶん批判を受けるのは、「eプラットフォーム」の具体像がまったく描かれていないからではないかね?

テレビやWebを含めた複数媒体を通貫して広告を管理できる「eプラットフォーム」の管理者として最有力な事業者にGoogleを挙げているのであれば、Googleがすでに提供をはじめているTV/Radio広告管理システムに関する分析・問題点の洗い出し・日本固有の問題、とかに踏み込んで考えを聞かせてもらえたら、ボクたちにとって面白い本だったのにな、と思う。

突如として言い訳がましい表現が現れてドン引きする箇所もありつつ。おそらく特定の誰かに向けたメッセージなんだろうけど。

あと、サブタイトル「マスメディア依存体質からの脱却シナリオ」はちょっと内容と違うかもね。ま、ダイヤモンド社だからしょうがないか。帯もどうしようもないし。

ただ、最後に触れてある、今後戦略として強化すべきポイントとして研究開発(R&D)と人材育成という点は、非常に重要だと思う。現実問題うまくいくかはわからんけど。いずれにせよ、広告業界における「人間」の役割はものすごいスピードで変わっていくと思う、個人的に。

いろいろとアレですが、うちの会社とグループ会社の営業の方は目を通される事をおすすめします。1日で読めますよ。


2007/01/08

書評

年末年始に読んだ本の書評でも書いておきます。

テレビCM崩壊 マス広告の終焉と動き始めたマーケティング2.0

多いに売れてる、あれです。
言ってることの方向性は正しいと思うんだけど、さすがにちょっと詭弁である気がする。

CM価格が下がる→テレビ制作費が減る→視聴者が減る→…というスパイラルなのか?本当に。お金をかける=おもしろい、なのか?大型クライアントをかき集めて超大型ドラマや大型ドキュメンタリーを作ると、確かにおもしろい。
が、おもしろい深夜番組をゴールデンに持ってきて、よりおもしろくなったものって多いか?むだ丼ぶりの腐臭がします。スカパーでもおもしろいのあるし、予算との相関性は低くて、他に問題がある気がしますが。

そして、インタラクティブなWebプロモーションを彼は推しているのだけれども、それで世の中が溢れかえるとどうなの?その手法こそ、長く続くのか?(売りにくいしね、経験上…)

Tivo(日本のDVD/HDレコーダーみたいな)の下りは共感。将来的には映像コンテンツはオンデマンド化が相当進むと思うし、対策も必要。いっそのこと、無料で1TBのHDDレコーダー配ればいいのに、なんて最近思います。もちろんコンテンツに合った広告が出るわけですが。破戒ですが。

この本を読んで思うことは、人間はずっと能動的に行動してるわけではないのになー、というとこ。超受動的接触メディアとして、テレビは俺の生きてる間には生き続けていると思います。


外資系トップの仕事力―経営プロフェッショナルはいかに自分を磨いたか

これもよく本屋さんで積まれてる、あれです。
こちらもイマイチ…。それを予想して買ったんだけど、やはりというか。トップ達へのインタビューで共通しているのは、何か業界の専門性を極めるのではなく、「経営」という職業のプロフェッショナル達であるということ。全く違う業界からスコーンとトップへ着任とか。

個人的に、考え方が違うので心に響かなかったですね。(でも、うちの会社の多くのヒトは好きだと思いますよ、この本)
まぁ俺そもそもトップになりたいとか、成り上がりたいとか思ってないしな…世の中に価値を提供したいだけなので。

ただし、経営のプロというのはやはり必要で、その能力があれば、それは会社にとって非常に価値のあることだと思います。

その他にもいろいろ本読みましたが、内緒です。
今回読んだ本で、感銘を受けた本は一冊も無しだったので、なんだか湿っぽいレビューになってしまいました

2006/05/07

ネット広告。

GWに、この本を読破しました。

ザ・サーチ グーグルが世界を変えた

「ネット広告ってなんだろう?」と、思うてしまう自分発見。

いま、95%以上の人々が、あたりまえのようにWindows IE6から
アクセスしているのと同じように、
ほとんどの人々が、GoogleやYahoo!をスタートページに設定して、
お気に入りなんて誰も使わなくて、
そこには自分の見たいコンテンツがずらっと並んでたら?
これまでのように検索ベースじゃなくて。プッシュされとるわけどす。
そこで目立つために企業が広告費を払っていたら?

もちろん俺がアクセスしたら、三軒茶屋に一人暮らし25歳男性サラリーマン年収想定○万円でIT全般に詳しくて生物オタクでインテリアや服にはそこそこ金を出す人で平日は夜23時前に帰ってくることはほぼ無く休日はそこそこ外出して、、といったプロファイリングに基づいたおすすめサイトが。

俺のケータイで「昼食」と検索したら、三茶で、俺の好みであろう、予算内であろう店が、地図付きで表示されたら。

個人情報と、圧倒的な利便性、人々はどちらを取る?

こうなると、従来型のネット広告、アナタ、このスペース、この期間、いくら、はテレビ的な使い方しかできないのではなかろうかと。

そんなゴールデンウィークでした