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2008/06

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今、NHKスペシャルの特集『沸騰都市』でバングラディシュが特集されてました。

ほんと涙が止まりません。世界で最も貧困な国のひとつであるバングラディシュで、NGO「ブラック」が融資によって人々の生活を変えている。五人組の連帯責任でのマイクロクレジット(小額)融資やインターネットを農村部へも引いて情報格差を縮める、ベンチャー企業への無担保融資、そして活気。

俺がずっと考えてたことはこれなんだと思った。貧しい政府に寄付したってどうしようもない(一部の人に悪用される)。募金や古着を日本から送ってもそれは次にはつながらない(一時的なもの)。でも、金融やインターネットなら、全体を長期的に変えられる。

ビル・ゲイツ夫妻やGoogleも有望な企業などへ投資しているようです。「ビル・ゲイツは金が有り余ってるから貧しい人々にお金をばらまいてる。」なんてことを言っている人がいますが、んなこたないはずです。

今回の放送は良い面だけしか映していないけれど、きっと悪い面もたくさんある。だけど、彼らの顔を見ると、もう理由なんか無く応援したくなる。きっと日本も昔はこんな感じだったんだろう。僕らの親の世代は。

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この件について、結構多くの日本のメディアに間違ったことが書かれてた(特に日経)のと、日本の”アルファブロガー”と呼ばれる方々がこの件を気持ち悪いくらい無視しているので、書いてみむとす。大政奉還と同じくらい大事件なのに。(ま、俺は偉くないし第三者なのでなんとでも言える

プレーヤー
- Yahoo! Inc. (US)
- Google Inc. (US)
日本のヤフー株式会社はYahoo! Inc.に33.4%の株式を保有されていますが、孫正義率いるソフトバンクが44%の株式を保有しており事実上の決定権を握っている。ヤフー株式会社は「Yahoo!」というブランドやテクノロジーのライセンスを買っている感じ。だから本件は日本のYahoo!には直接関係ないといえる。

提携内容
Yahoo!の保有する広告掲載面にGoogleの獲得した広告を掲載する。
(逆は一切存在しないところが重要)

広告掲載面; Publisher / Inventory
- Yahoo!の検索結果
- Yahoo! Publisher Network(Yahooが提携しているサイトの広告枠。GoogleでいうところのAdSense部分+日本でいうところのITmediaやオリコンなどのヤフーネットワーク)
リリースの際にGoogleが「AdSense」を提供するということで、コンテンツ連動型広告を提供するものと勘違いしているメディアが多いですが、これは誤り。「AdSense」とは媒体(メディア)向けのサービス名称なので、検索連動型広告も含まれる。

お金の流れ; Revenue Stream
Yahoo!の広告掲載面で表示/クリックされたGoogleの広告による収益は、Yahoo!とGoogleでシェアされる。
バッグの通販をやっている広告主A社を例にするとこんな感じ。
  1. Googleに対して「バッグ 激安」というキーワードを$1.00で入札
  2. 誰か(お客さん)がYahoo!で「バッグ 激安」と検索
  3. そこに出てきたA社の広告をクリック
  4. A社が支払うのは$1.00→Googleが受け取るのが$0.30→Yahoo!が受け取るのが$0.70
※これは空想の話。金額はデタラメ。

つまり、Googleは検索市場でのライバルYahoo!での検索結果にも広告を出すことができてハッピー!Yahoo!はGoogleが取ってきてくれた広告で売り上げが上がってハッピー!ハッピーハッピーじゃん!(おさる?)って思うじゃん。

表示される広告
- 収益が高いと予想される広告
Yahoo!自らが獲得してきた広告と、Google経由で獲得した広告(AdWords)の、どちらが高い収益を生み出すかをYahoo!のAd Exchangeが予測して配信する。

Ad Exchangeとは?
Ad Exchangeとは広告の交換(流通)市場のこと。日本ではアドマーケットプレイス(Ad Market Place)と呼ばれることの方が多い。東京証券取引所の中で、トヨタやドコモみたいな様々な株式が売買されるのと同様に、広告枠にも売り手と買い手が存在する。

- 枠の売り手(媒体; Publisher)
メディアを運営してる人。収入を得たい人。ブログ書いてる人だってこれにあたる。お小遣い欲しいじゃん。
- 枠の買い手(広告主; Advertiser)
宣伝したい人。お金を払って自社を宣伝して欲しい人。広告代理店はこれを代行する人。

テクノロジーとしては、Yahoo!が以前買収したRightMedia社のAdExchange(Ad Market Place)機能をさらに検索やモバイル領域まで統合したAMP!という新プラットフォームにて実現される。

ってことは、ホリプロが、ジャニーズのタレントの仲介もできるみたいなもんじゃん!すげーじゃん!って思うじゃん。

パワー
基本的に、広告を獲得するプレーヤーがパワーを持つ。圧倒的に強いタレントパワーを保有するジャニさんが「You, スキャンダルとかソウイウノ記事にしちゃダメだよ。」と言えば雑誌社が載せられないのと一緒です。
- Google
獲得した広告を効果的/効率的に配信すればするほど、さらに広告を引き寄せる。Googleの保有するそのテクノロジーは圧倒的に世界一。
- Yahoo!
Yahoo!は自身の営業部隊からも広告を獲得できるが、配信効率で劣る上に、欧米ではもはやGoogleの方が検索シェアが高いので、Googleへの出稿の方が広告主にとって重要なウェートを占める。

CPM
さっきのバッグ販売のA社の例で言うと、Yahoo!は$0.70の収益を得られる。これを、今までのようにYahoo!の営業部隊が獲得したYahoo!の広告だったとしたらどうなるか。真ん中のGoogleがいないので、A社から$1.00がそのまんま入ってくる。こっちの方がいいじゃんか!

ところが、Googleのエンジンの方がクリックされる確率が高いのです。テクノロジーが優れていたり広告のDBの状態が良かったりするので(詳細割愛)。そうするとこうなる。
- Googleエンジン; 1000回検索して10回クリックされる = 10 * $0.70 = $7.00
- Yahoo!エンジン; 1000回検索して7回クリックされる = 6 * $1.00 = $6.00
(※これも空想の話。金額はデタラメ。)
同じYahoo!での1000回という検索回数で、Googleの場合30%がしょっぴかれていたとしても、Googleエンジンを使った方がYahoo!は儲かってしまう。自分たちのサイトに、自分たちが獲得した広告を掲載するよりも!

別の観点から言うと、Googleの方がYahoo!よりも広告主に対して広告を高く売れる。
広告主が1クリックあたりを$3くらいにしたいと思っているとする。
- Googleエンジン; $3 = $0.015 * 1000 / 5
(1000回表示されて5回クリックされる)
- Yahoo!エンジン; $3 = $0.009 * 1000 / 3
(1000回表示されて3回クリックされる)
※これも空想の話。金額はデタラメ。
1クリック$3にするためには、GoogleでのCPM(1000回表示されるあたりの金額)$0.015入札と、Yahoo!のエンジンでのCPM$0.009で変わらない。Googleの方が単価は$0.006も高いのに。大きさの違うタマネギをむいたら結局使えるとこは同じ大きさだったっていう。

結局どうなんのよ
ややこしいのでまとめると、
Googleの方がクリック率が高い
= Yahoo!はGoogleを噛ませた方が儲かる
= Googleの方が広告を高く売れる
= Googleの方が広告を安く提供できる
= 広告主はGoogleに申し込んだ方が効率的/効果的
となるわけです。

ん?じゃぁ広告主はGoogleに申し込んだ方がいいじゃん!っていう話で帰結するわけです。つまり、短期的にYahoo!の収益は向上するけれども、広告主はどんどんGoogleへ流れ、広告を掲載するメディアもどんどんGoogleへ流れ、長期的に見るとYahoo!は単なるGoogle広告が貼付けられている面になるわけです。元々パン屋さんだったお店がセブンイレブンとフランチャイズ契約したけれども手作りパンを提供し続けてて、だけど手間とコストがかかるもんで、セブンイレブン本社の人に「こんなのやめっちまいな。」って三原じゅん子風に言われてしまうようなことがきっと起こるのです。(わっかりずれー)

ネットのミライ
この話はまだアメリカとカナダだけですが、欧州もすぐこうなるでしょう。というか、欧州のほとんどの国ではGoogleが検索における圧倒的シェアを握っており、Googleシェア90%以上の国もたくさんあるほど。アジアでは国民のDNA的にGoogleとは違った思考回路なので、すぐにこのような世界になるかはわかりませんが、いずれこうなるでしょう。

日本のテレビ界における電通の存在を、ネットにおけるGoogleの存在が遥かに超える日が迫っている、そんなことを感じている日曜日です。

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GOETHE (ゲーテ) 2008年 07月号 [雑誌]

今日、飯食べてる時にお店にあったGOETHEをなんとなく、産まれてはじめて読んでみた。ら、おもしろかった。すごい。

松本大マネックス社長のコラムが良い。日本の金融業界は内弁慶(鎖国)かつ卑下しすぎている。この話は金融だけじゃなく、ネット業界でもまったく一緒だ。非常に身にしみる。し、我々が金融業界に対して見ているのと同じ構造なのかもしれない。広告テクノロジーは、いずれ(広い意味での)広告業界を金融業界のような巨大産業にする、させる。米Yahoo!に買収されたBlueLithiumという会社があって、そのスローガンが好きで妬む。"Data is the difference"

話戻って、元再生機構の冨山さんのコラムが最高すぎるし、他の記事も最高におもしろい。中田ヒデの特集も。

やっぱ幻冬舎すげぇな。やっぱ雑誌編集ってすげぇな、って思ったのでした。

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NOVA破綻以来、英会話が止まってたんですが、やっぱまずいってなわけでまたはじめます。もいちど新生NOVAにしようかと思ったんだけど電話つながらないしサポートも悪すぎるのでやめた。で、別のとこに。意外とここ安かった。ネット業界の非営業系業務で英語ができない人材の将来公園でハトにパンをちぎってやってる午後3時が見えてしまうのでやるしかないですもう。

こんときに誓った2008年の目標『2008年は1.英語、2.統計学、3.マネジメント(≠コーチング)、4.経済学の強化年間宣言。』ですが、「3.マネジメント(≠コーチング)」以外は概ね進んでおります。ちょっと統計学に比重かかりすぎだけども。なんかマネジメントはな、経営学とかに興味がまったくなくなってきてるのと、脳味噌が硬直化して新しいこと(含スキル)を覚えられなくなってからでいいやっていうかもっと今やるべきことがあるってのと、一企業の繁栄を目的とする学問に対する疑問とかももろもろ浮かび、完全に棄却気味俺の人生の目標はある企業がいかに儲かるかってことじゃないし。

経済学もボチボチやってるんだけれども、さっき前職の先輩のmixi見てて身震いが。それがこれ。あしかがフラワーパークというテーマパークなのだけれど、特筆すべきが「花の咲き具合により料金が変動します。」という部分!こんな感動的な料金システムがこの世の中っつーか足利にあったとは感涙あと、竹中平蔵氏の新書『闘う経済学』を買ったんだけどまだ読めてない。今から読むのでこれにて。

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新生パワーダイレクトにおける振込手数料実質無料回数の一部変更について[PDFファイル]

新生銀行の特徴であった、ネットでの他行振込手数料無料が、みるみる条件が厳しくなり、非優良顧客はついに無料振込は月一回のみへ。まぁ俺は外貨が30万円相当以上あるから月5回まで無料なんだけど。正しいよね。現に俺ももともとはソニー銀で外貨預金やってたのを新生に移したし。ヤフオクとかのヘビーユーザーだけど預金額が3万円ですとかいう口座たくさん持っててもしょーもないし。まー消費者金融ショックでキツいってのもあるだろうけど、コミットメント経営をやめた日産といい、死の淵を彷徨った(というか、一旦三途の川を渡った)企業が現世に舞い戻り、ゾンビから人間になった、感じ?にしてもダイエーは変わんないねぇ。

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