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2009/11

アルゴリズムの精度 < エコシステム

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3506679280_6e94937dd9_mad:tech NYから帰って以来、Ad Exchange(アドマーケットプレイス)のことで頭がいっぱいです。ひとことで言うと、データによるダイナミズムが発揮されるエコシステムが出来上がった米国に対する強烈な嫉妬心。逆か。データの活用路を開放したことによってポジティブスパイラルを引き起こした米国っつかRightMedia。

最近、ちょっとレコメンド関連の情報を漁っていて思ったこと。俺の頭ではどう考えをめぐらせてもレコメンドはビッグビジネスにはできなくて、ここに数多参入している経営者の方々はどういう戦略を描いているのだろうか?と思っていて。

たとえば売上等の指標を100%から105%まで上げるレコメンドエンジンは簡単に作れる。Apriori・協調フィルタリングなどでアイテム間関連性やユーザー間関連性を出すという手法。だけど、105%から105.5%にまで上げるのが難しかったりする。そこではベイズとかユーザークラスタリングとかを組み合わせて精度を上げていく。つまり、ある程度のところまでは至極簡単にできてしまうけれど、ある程度以上は果てしなく大変になる。で、105%までの仕組みであれば誰かが無料で提供するコモディティになる、というか既になっている(他の用途でのデータ収集だったりオープンソースだったり)。そして、105.5%が求められているかというと、ほとんどはNOでしょう。金融のリスク関連であれば必要となりますが、マーケ領域では。云わばレコメンドエンジンのファストファッション化。

そして、ほとんどのレコメンドは顧客企業のサイト内だけのデータを分析して傾向を見出すことになる。これはアルゴリズムの精度改善では乗り越えられない、データという高い高い壁がある。日本のレコメンドエンジン開発者やアカデミック世界の知見をうち(弊社)のエコシステムで活かせたらなぁ、と日々頭を悩ませる今日この頃です。(生活者タイムラインを重視したCRMは極めて重要だと思ってますけどね)

個人的にはアルゴリズム精度改善に心血を注ぐよりは、データによるレバレッジがギンギン効く領域を見定めてアルゴリズムをぶっこみ、ポジティブスパイラルに入るととんでもないことが起きるエコシステムを作ることに心血を注ぎたい。まぁそれがアドネットワークやAd Exchangeなんだけども。これって文系人間でないとできない発言だろな。。

ということで、米国のAd Exchangeやテクノロジー企業がどういうことになっているかを今後がんばって書いてみようと思います。

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シリコンバレーの歩き方〜リアルウォーキング編

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紅葉やうやう色づきわたりて、秋の野のいとなまめきたる感じです。家から見える比叡山も色づきわたりぬ。平地は来週がピークかなぁ。

IMG_0377ad:techの前に、シリコンバレーに行ってきました。11月の頭なのにロンTくらいで過ごせる暖かさ。基本的に汚いアメリカですが、街全体が美しく、とにかく"開放的"なこの街で仕事したいと強烈に思った。まぁ京都の暑く寒い苦しさの方が俺にお似合いですけれども。(この写真はあの"パロアルト"駅からA9を望む図)

サンフランシスコからリッチ系トレイン「Caltrain」で1時間くらいでシリコンバレーの中心地サンノゼへ。アドビ本社のデカさにビビる。やっぱり世界のデファクトソフトというのは凄いもんです。そこから新交通システム「ライトレール」に乗ると、おなじみの顔ぶれの企業の拠点が次々と現れて圧巻。俺の入居してる企業集落の何十倍の規模があるのだろう。マンハッタンのビルの高さも圧巻だけれど、シリコンバレーの広さにも驚き。で、途中でYahoo!が見えてきたので途中下車。インテリアにあんまりセンスが無いですねぇ。IMG_0381

で、シリコンバレーの目的とも言えるGoogleplexことGoogle本社には公共交通機関が無く、Yahoo!の本社から歩けるんじゃねぇかとGoogleMap上は見えたわけですが、30分歩いてもGoogleplexは果てしなく遠く途方に暮れ、そして日が暮れ、行けず。もうひとつの目的、Apple本社のクパチーノはさらに遠く、果てる。シリコンバレーは想像を絶するほど広い。そして、車を持たざる者は行くべからず。今調べたら、東端サンノゼから西端パロアルトまで、新宿から立川くらいまであるじゃねぇか。。Google-Yahoo間も渋谷-用賀くらい。。

と、よもやま話はこれくらいにして、これは本当の意味での聖地巡礼でございました。そこは俺にとってのエルサレムでありメッカでありバラナシであるわけです。有給使ったプライベートです。宗教と呼ばれるのものは信仰していないのだけれど、結局一緒だと自認してます。聖地がシリコンバレーという地であって、多神教でいうところのシヴァ神がスティーブ・ジョブズだったり観音菩薩がマリッサ・メイヤーだったりに相当するだけで。これ以上はやめとこ

いやぁ、毎度痛感しますね、英語という嘆きの壁を(別にかかってないしうまくないし)

ad:tech NY 2009に行ってきました

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IMG_0397ad:tech New York 2009(アドテック・ニューヨーク)に行ってきましたので、忘れてしまわないうちにご報告。ぜんぶ書いてしまうと大枚はたいて行かせてくれた会社に申し訳なので、簡単に(実は英語があんまできないことがバレる甚大なリスクの回避。社会人1年目のTOEICは300点だったんだからがんばったよ、俺。がんばった。)

雑感としては、どの領域をとっても"Optimize"(最適化)のフェーズに突入したんだなぁというところでした。言い換えると、驚くような新しいものは何も、ほんとに何もなくて、ターゲティングテクノロジーは数年来変わらず行動ターゲティング(含リターゲティング)とコンテキストマッチが未だ主流で、それをいかにOptimizeするか。そして、AdExchangeはもう珍しいものでもなんでもなくて、いかにBTデータやコンテキストデータを使って買い付けるかという、これもOptimize系の話。

そして、Twitterの馬鹿騒ぎが無く、冷静で良かった。結局メディアやブロガーなのだよな、騒いでいるのは。広告主はブログ馬鹿騒ぎに懲りたのだと思う。2年前に行った時は、バズ(クチコミ・PPP)系がうじゃうじゃいたんだけど、壊滅していて興味深し。ただ、米国の企業サイトを訪れるとTwitter, Facebookなどを通じて生活者と近いコミュニケーションは普通にとっていることを考えると、結局広告・コンサルティング会社がアドバイスするようなもんではなくて、普通に企業の担当者が書けばいいってことなんだと思っているんだけど。

そして、Microsoft, Yahoo!, SpecificMedia, ValueClickといったメジャーアドネットワーク&アドエクスチェンジの展示が無くなってて残念(企業グループとして出展があっても、其の展示が無い)。AdExchangeで買い付けてCPA保証するアドネットワークはうじゃうじゃいるんだけど。また、BTテクノロジー企業の顔ぶれが、2年くらい前の相次ぐ買収劇の頃からはがらっと変わり、新顔が台頭。

ad:techを終えて整理して考えるに、やっぱり日本でも一部の本当のプレミアム枠だけが純広告としてダイレクトセールスされ、それ以外は全部AdExchange & Ad Networkに流れる構造になると思う。TVCFでのタイム広告とスポット広告と同じくらいに。ただ、スポット広告はネット広告の場合テクノロジーによって価値が高くなるんだけれども。そしてその世界で勝つプレーヤーは、正確に幅広くAudienceをDefineし、正確に幅広くMediaをDefineできているプレーヤーなのだと確信した。つまり現在のように、主に抱えている広告キャンペーンの量に比例したeCPMで勝負が決するのではなく、ひとつひとつのad impressionに対して適正価格をbidできるターゲティングテクノロジーが優位性になる、と。で、それは他社と同じテクノロジー会社のデータを使えば、同じになっちゃうよね、と。今、旬なキーワードはRTB(Real Time Bidding)。

とりあえず、よろしくない業者やプロダクトは市場から退場し、極めて正しい方向にネット広告は向かっていると思いました。2年前にも予測されていた未来が想定通りにやってきた、ヤァヤァヤァ。

AdMobがGoogleに買収された

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bekaru無事米国から帰還しまして、ad:techやらシリコンバレーやらの報告でもするかなぁと思っていたわ け で す がぁ 〜(今、TVで軽部氏がしゃべっている影響)

モバイルディスプレイ系大手アドネットワークのAdMob(アドモブ)が、Googleに買収されるというニュースが飛び込んで参りました。
Google to Acquire AdMob - AdMob
Investing in a mobile future with AdMob - Google

PC世界のDoubleClick買収劇に続く大激震。

Androidでみんなが公正に戦える、iPhoneとともに標準化された美しい土俵をつくって、あとは横綱相撲を〜と考えていたら、小結以上がまだ不在のこの時期に、ひょっこりAdMobが小結くらいの地歩を固めてきたからシュミット理事長「ちょっとそれはまずいねぇ。」ってな感じで、もろもろ合意といった感じでしょうか。

Googleはこれまでも買収企業とうまく融合してきた歴史があるので、きっとうまいこといくんだろなぁ。シナジーなんて言及するまでもなく。Googleは検索以外の主力プロダクトのほとんどは買収企業との融合によるもの。(話題のマードック氏とは対照的ですな。。)

個人的にはモバイル広告にはあんまり興味なくて、さらにcHTMLやらWAPやらの世界には全然興味が無くて、やっぱりここここで1年以上前に書いたんだけれども、GPSやRFIDリーダーを用いて、ユーザーがとりたい次の行動を支援するアプリ上で入札企業の情報を優先的に出したり(リスティング的)、ポイントなどでユーザーベネフィットを与えつつ購買に至るまでのデータ取得環境整備といったところに金鉱脈があると思っていて。リスティング広告とディスプレイ広告のCPMが1000倍以上違うのと同様に、3000万の広告枠リーチよりも3万の最強のインテントの方が価値がある気がするわけです。ディスプレイアドネットワークやビデオプリロールあたりもある程度のマーケットはできると思うのだけれど、10年後のインターネットの教科書には載れないだろな。

いやー、しかし独立を保つのはほんとFacebookとTwitterくらいなんかなぁ。

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