Google、リターゲティングを公式発表
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- Ad Network/Exchange
Now available: Reach the right audience through remarketing
インタレスト ベース広告 - アドワーズ 広告 ヘルプ
The Display Game Changes: AdWords Adds Retargeting
いよいよGoogleがリターゲティング配信を公式リリースしました。リマーケティング(remarketing)という名称で来ましたが、日本ではリターゲティング(retargeting)と呼ばれるものと全く同じです。(アドコムさんの場合LeadBack。)リターゲティングはリーチ数が生命線であり、日本最大級のアドネットワークであるAdSense + DoubleClick上で配信するというのは2010年最大級のニュースと言えるかもしれません。リーチが小さいと一ヶ月数万円にも満たない配信量にしかならず、広告メニューとして成り立ちません、特に中小広告主にとっては。そして、リターゲティングは飛び抜けてROIが良いのが特徴です。
以前からinterest-based adの紹介ビデオ中にリターゲティングと思わしきものが解説されてましたし、DFAにはすでにリターゲティング機能がありましたので予期はしていましたが、いざ発表されると感慨深く、いろんな涙がこぼれます。
ポイント
- リマーケティングリストとキャンペーン・広告グループは別管理で、お互いひもづけて利用。
- 広告グループ単位のCPM or CPC入札で他の広告と戦う。たとえば見込みの強いリストのグループは高額入札とかも可能。→CTRは相当高いはずなので、CPC入札でも安価に出せるんじゃないかな?インタレストベースでの広告ランクアルゴリズムがまだUPされてないからわかんないけど、Google流でいくなら理論的に安いはず。
- リーチとフリークエンシーのレポートがあり、フリークエンシー制御可能。
- 履歴利用期間はリストごとに決められ、これらを掛け合わせることでサイト訪問後7日目〜15日目だけに配信といった技も。
- バナーだけでなく、テキストも可能。
- Google Content Network(AdSense)だけでなくDoubleClick Ad Exchangeも掲載枠に含まれる。
- 「インタレスト ベース広告」をcookie系ターゲティングの総称とし、リターゲティングを「リマーケティング」、行動ターゲティングを「インタレスト カテゴリ マーケティング」としたっぽい。
- Japanの文字はNothing.
このAdWords経由リマーケティングでは、DSP × RTB対応Ad Exchangeのようにcookieを直接いじることはできません。あくまでも行動パターンだけに基づくターゲティングです。そのため、広告主のデモグラ情報や購買履歴などのDB情報と突き合わせることはできません。これは将来的にもDoubleClick Ad Exchangeでしか提供しないんじゃないかな。
あと、DSPを使えないことによって発生する問題として、グローバルフリークエンシーキャップを効かせることができません。リターゲティングでcookieを解決しない場合、ほぼ同じユーザーに違うcookieでターゲティングをかけるわけなので、同一ユーザーに対してAdWords経由のフリークエンシーが限界に達した後で、DSP経由のDoubleClick AdXでまた一定フリークエンシーまで配信されてしまうといったことも起こりかねないかなと。(もちろん一応の解決方法はあります。)(追記:DSP経由でもGoogle Content Networkにも配信されだろうから、DSPに一本化でいいのかもしれない)
さて、これで起こる変化とは。ROIの圧倒的に優れたメニューが出ますので、広告予算が決まっている広告主の場合はROIとして劣る広告メニューが減らされるかもしれません。むしろ、ROIが優れているため広告余力ができ、他の広告メニューにも拡げられるなんてこともあるかと。配信量は広告主サイトのオーディエンス数に強く依存するので、既存広告主の広告費としては大きく動かないことが多いかもしれません。業界全体がワードを奪い合う検索ワードと違ってリターゲティングは競合も薄いので、入札額も暴騰しないためです。
それよりも、検索連動はやっていたけれどもコンテンツ連動はROIとして見合わない中堅ECサイトなどの予算が追加で出てくるという流れがあり得ます。リターゲティングは枠に依存するので、やれるだけやれば良いのです。(だから競合じゃないんですよね実はコレ石高に近い。)リスティングで、Yahoo!だけあるいはGoogleだけ、なんてことはしないのと一緒です。両方やって、効果の悪いワードの単価を下げるってのと同じことです。
一方、AdSense媒体にとっても圧倒的に高いCTRと、予測CPMに近似するスコアがコンテンツ連動に勝った広告が出るわけなので、収益増です。
リターゲティングは広告主にとっても媒体にってもアドネットワークにとってもハッピーなものなのですね。
#今日のボッコボコの原因のひとつは、Google Ad PlannerとAdWordsプレースメントターゲットを連動させるベータテストがはじまったというもの。これのComp Indexが。。