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監督:河瀬直美
★★★★☆

ある山里の認知症介護ホームで暮らす老人しげきと新人介護士の真千子との交流を描く。

カンヌでグランプリを獲った河瀬監督の作品です。

良かったです。
上映後、周りでは「よくわかんない。」という声が結構聞こえましたが、んなことないです。深く考え過ぎなんだと思います。

ところで、渋谷のシネマ・アンジェリカで観たんですが、要注意。席が指定でない上、後ろの方の席は音響が悪く、足下灯が明るいし、映像のコントラストが弱いように見えました。(そういうフィルムなのかもしれないけど)早い時間に行って良い席取ることお勧め。

日本の風景は、本当に美しい。

<!-- この続きは軽くネタバレ含むため注意 -->

俺的な解釈。
この作品のテーマを「形式の打破」と捉えました。死者を悼むことや愛することに決まった形式は無いし、思うがままやればいいのだと。言い換えるなら、宗教 儀式や常識というものの上で形式を実践するよりも大切なことがあるんじゃない?と。それが認知症というその瞬間その場所に応じた感情にストレートに従った行動をする人間によって通常の人間ははたと気づかされる。

最後に「殯(もがり)」の説明が出るのだけれど、ここで唸った。「殯の森」とはそういうことかと。

という解釈は、河瀬監督の意図にはきっと反してるだろう