統計データの罠
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橋下大阪府知事による小中高校生のケータイ持ち込み禁止令のマスコミ報道を見ていて、『ケータイの利用時間が長い学生ほど、学習時間が短い』というデータの扱いについてちょっと気になる。
確かにこのデータ自体には問題は無いのだろうけれども、相関と因果関係を混同して報道されてないか。きっと、勉強したくない子の多くはケータイをずっといじくってる、という相関性はあるにせよ、ケータイするから勉強しない、という因果ではないんじゃないかと。(誤解を恐れずに言えば、因果は「→(矢印)」を付けられるけど、相関は付けられない)
弁護士先生やデータを専門に扱う人間がこんな単純な論理の問題に気づかぬはずもないので、マスコミがかいつまんで引用した結果だとは思うのだけれども、データというのはいろんな風に使えるわけです。データの出し方からグラフのデザインまで、人間を錯覚させることなど結構簡単であり、俺もしばしば騙します、てへ

と書いておきながら、俺は禁止にしてもしなくてもどっちでもいいと思っているというのも、簡単な論理の問題

ただ、ケータイと勉強時間の因果関係を解くための壮大な実験場として、大阪府は使えるようになるっていう点ではおもしろい。大阪府の禁止校の学生と、他県の学生を、禁止前後でモニタリングしていけば、答えが出る

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