カテゴリ:
海外ニュースや海外ブログの情報は社内向けにだけ共有していたのだけれど、なんだか内向きで悲しい気持ちなので、このブログで。まだまだこの業態は競合を出し抜くよりも啓蒙が必要なフェーズだので。先行者メリットが小さく、最終的には実力で決着つくって理由もある、政治力以外だと。

さて。

以前から非常にスマートなエントリーを連発していた、元RightMediaのMike氏が、またまたすばらしいエントリーを上げています。(ちょうど俺が一番書きたかった記事だった)

I don’t care who you say you are, what do you DO?

Ad Exchange(アドマーケットプレイス)が登場してから数年間、この世界の変化が止まっていることを嘆いています。各社がバラバラの呼称で自サービスを定義するので認識が混乱しているため、プレーヤーをまとめてくれています。以下抜粋。

サービス
自社メディア販売
 CPMと収益の増大
他社広告枠の再販
 他社の枠の買付額と広告主への販売額の差益の最大化
枠もしくは広告主の代理
 固定マージンで媒体を助ける。枠収益の最大化か広告主のROI最大化
データアグリゲーション
 ユーザーデータの集約と再販。SafariとIE8を嫌っている

テクノロジー
内部アドサーバ
 自社ネットワーク内でのみ稼動する。テクノロジーを競合優位性と見なしている。
外部利用可能アドサーバ
 アドサーバ利用ライセンスを第三者企業へ提供。複数の企業が同一プラットフォームを利用することで、集約と連結機会が提供される。
内部トレーディング
 外部利用可能アドサーバを通じて枠の売買ができる。規模が大きいほど価値が上がるネットワーク効果。
買付API提供
 購入側がクリエイティブのUPや管理できるAPIを提供。
販売API提供
 いくらで購入されるかをリアルタイムで要求できる。
※上記リストにクリエイティブオプティマイズ・BT分類・コンテンツ解析は含まれない。

と定義した上で、結局は各事業者ごとにやっていることはバラバラなので、単純に事業者に呼称を付けることはできないよ、というオチです。

日本における「アドマーケットプレイス」という呼称は”広告主が媒体を選んで直接取引をする場所”というのが大方の認識だと思われますが、それは米国で"Ad Market Place"や"Ad Exchange"と呼ばれるもののごく一部の機能であるということです。日本のアルファブロガーの方でも上記の1対1取引を前提にして説明をされる方が多いのですが、おそらくこの1対1取引だけではネットワークが成立しないでしょう。日本でも数社が「アドマーケットプレイス」を手がけていますが、いずれも1対1取引のものです。

なぜウォール街とこの世界を同一視するのか、その一端が覗けると思います。複雑怪奇という意味でも。



ところで、このブログのサイドバーの一番下のメールのアイコンをクリックしてメッセージを送れるようにしました。Livedoorアカウントが必要ですけれども。