データマイナーが旅に出る理由
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データマイニングを続けていると、いろいろなことが鮮明にデータから浮かび上がり、悟りともいうべき世界に至る。これまで正しいと思ってきたことが実にバカバカしく思えてきて、正しいものを徹底的に探求するようになる。そして会議室の存在に対する真理の探求がはじまる。

データの動きは、データに浸かったことのある人間にしかわからない。脳の中でデータ群を抽象化したルービックキューブのような図形がぐにゃぐにゃに動くのだ。それを伝えること、そしてそれがなぜ正しいのかを伝えることは極めて難しい。対象が単純で、データとして明快にその効能が表出する場合なら良いが、そんなものは希有だ。
その結果、「正しい」と思われることは実行に移せない。そして、世の中のデータマイニングプロジェクトのほとんどが失敗するのだ。データマイニング系のイベントや懇親会は、愚痴イベントと化す(学会もそうかもしれないが)。毎回プレゼンでも話されるのが、「経営層はデータマイニングへ深い理解を示すべきだ」とか「短期的利益を求めるな」といったところ。逆に言えば、それだけの体力の無い会社はデータマイニングなどすべきではない。人を雇って人海戦術で行く方が絶対に良いのだ。規模が大きくなれば比例して収益が拡大する事業以外は。
そして今日も狂ったデータマイナーは旅に出る。