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TwitterのデータをGoogleとMicrosoftがリアルタイム検索できるようにするための交渉が進んでいるとかいないとか。これで契約条件がTwitterに圧倒的に有利なものが結ばれたら、(言葉の使い方は違うけど)市場の失敗だわよね。以下、契約条件がTwitter圧倒的有利と仮定しての話。

Twitterのデータのリアルタイム検索はユーザーに求められるものであり、Twitterデータに限らずリアルタイム検索は今後検索エンジンの基本機能になると思う。ただし、リアルタイム検索するユーザーは広告主のサイトを求めているかというと、そうではない。最新のニュースを、"ニュース"よりも早く能動的に探ったり世の中の反応を知りたいと思っているときに、どうして広告主のサイトへ行くものか。リスティング広告の売上のほとんどは、ニュース系のクエリではない。また、集められたデータを加工して、例えば"リアルタイム世論"みたいなデータを出したとして、どうやってマネタイズできるのか。つまり、ユーザーニーズの大きさやTwitterデータへの投資が、期待キャッシュフローと大きくズレてる。だけど、検索エンジンのレースとして投資せざるを得ない。カネは生まないのに。

これって、ケータイの3G免許の入札みたいな不毛のチキンレースに思えて。3Gに行かないと死ぬのはわかってるけど、3Gに行っても売上はちっとも上がらないのもわかってるという。そして、入札額だけが吊り上がる図式。(ケータイの場合は、ユーザーニーズよりも未来へのパスポートと帯域パンク・効率・基地局とかを含めて、行かなければ死んでしまうっていう意味が強いけれど)

だから、GoogleとMicrosoftはカルテルすべきだし、してるかもしれないし、そういうカルテルはOKだよね?(よく知らないけど。)AOLやMySpaceの枠でもそうだったけど、こういう話になると合理的な企業が極端に合理的でなくなる気が、する。



それにしても今日はいい日だ。『水曜どうでしょう Classic #2 粗大ゴミで家を作ろう』のオヤジ電柱激突シーンには100年に一度の抱腹絶倒を頂いた。この先どんな辛いことがあろうとも、このビデオがあれば生きて行ける。ありがとう、大泉洋先生。

(追記 2009/10/14 00:12:00)
今年のノーベル経済学賞のニュースを知らずにこの記事書いたんだけど、どうやら市場の失敗が研究テーマに含まれる学者らが受賞したらしい。俺に神の見えざる手が降臨してますな。

さらに考えてて思ったのは、Twitterが条件に折り合わずにクローズドなまま行ったとすれば、FriendFeed擁するFacebookが一気にオープン化してGoogle & Microsoftにデータ提供することで、あっという間に小鳥のさえずりが閑散としそうな気がする。そして、その解こそが誰もevilにならず、Webを一歩先へ進めることになる気がする。