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IMG_0397ad:tech New York 2009(アドテック・ニューヨーク)に行ってきましたので、忘れてしまわないうちにご報告。ぜんぶ書いてしまうと大枚はたいて行かせてくれた会社に申し訳なので、簡単に(実は英語があんまできないことがバレる甚大なリスクの回避。社会人1年目のTOEICは300点だったんだからがんばったよ、俺。がんばった。)

雑感としては、どの領域をとっても"Optimize"(最適化)のフェーズに突入したんだなぁというところでした。言い換えると、驚くような新しいものは何も、ほんとに何もなくて、ターゲティングテクノロジーは数年来変わらず行動ターゲティング(含リターゲティング)とコンテキストマッチが未だ主流で、それをいかにOptimizeするか。そして、AdExchangeはもう珍しいものでもなんでもなくて、いかにBTデータやコンテキストデータを使って買い付けるかという、これもOptimize系の話。

そして、Twitterの馬鹿騒ぎが無く、冷静で良かった。結局メディアやブロガーなのだよな、騒いでいるのは。広告主はブログ馬鹿騒ぎに懲りたのだと思う。2年前に行った時は、バズ(クチコミ・PPP)系がうじゃうじゃいたんだけど、壊滅していて興味深し。ただ、米国の企業サイトを訪れるとTwitter, Facebookなどを通じて生活者と近いコミュニケーションは普通にとっていることを考えると、結局広告・コンサルティング会社がアドバイスするようなもんではなくて、普通に企業の担当者が書けばいいってことなんだと思っているんだけど。

そして、Microsoft, Yahoo!, SpecificMedia, ValueClickといったメジャーアドネットワーク&アドエクスチェンジの展示が無くなってて残念(企業グループとして出展があっても、其の展示が無い)。AdExchangeで買い付けてCPA保証するアドネットワークはうじゃうじゃいるんだけど。また、BTテクノロジー企業の顔ぶれが、2年くらい前の相次ぐ買収劇の頃からはがらっと変わり、新顔が台頭。

ad:techを終えて整理して考えるに、やっぱり日本でも一部の本当のプレミアム枠だけが純広告としてダイレクトセールスされ、それ以外は全部AdExchange & Ad Networkに流れる構造になると思う。TVCFでのタイム広告とスポット広告と同じくらいに。ただ、スポット広告はネット広告の場合テクノロジーによって価値が高くなるんだけれども。そしてその世界で勝つプレーヤーは、正確に幅広くAudienceをDefineし、正確に幅広くMediaをDefineできているプレーヤーなのだと確信した。つまり現在のように、主に抱えている広告キャンペーンの量に比例したeCPMで勝負が決するのではなく、ひとつひとつのad impressionに対して適正価格をbidできるターゲティングテクノロジーが優位性になる、と。で、それは他社と同じテクノロジー会社のデータを使えば、同じになっちゃうよね、と。今、旬なキーワードはRTB(Real Time Bidding)。

とりあえず、よろしくない業者やプロダクトは市場から退場し、極めて正しい方向にネット広告は向かっていると思いました。2年前にも予測されていた未来が想定通りにやってきた、ヤァヤァヤァ。