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カテゴリ:Ad Network/Exchange

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2011年の総括ブログがたくさん上がってきたのに触発されて、今年9本目のエントリーを書こうと思います。わかりやすい記事を書こうとすると筆が進まないので、誰が理解できんだよ的エントリーを連発してやろうかと思っている今日この頃です。

さて。2011年は兎にも角にも自分でも信じられない勢いで自社DSPが浸透したことに尽きます。創業以来最大の出来事じゃないかと思います。アドネットワークからDSPへの移行の中でアルゴリズムを作っている人間として思うところは、DSPではアルゴリズムが競争力となり、顧客の為のアルゴリズムが自社にも強烈に跳ね返ってくるという、至極あたりまえの世界になったことがなりよりうれしく。

アドネットワークにおけるアルゴリズムには、大きく分けて二つあります。ターゲティングのアルゴリズムとアドネットワーク事業者としての収益を最大化させるアルゴリズムです。ターゲティングのアルゴリズムは、誰にどの広告を配信するかを決めるオーディエンスターゲティングやどういったコンテンツに広告を配信するかを決めるコンテンツ連動型広告といったものがあります。これらのアルゴリズムの目的は、広告主にとって広告効果を高めることにあります。マーケティングプロモーションの世界の考え方です。

一方、アドネットワーク事業者の収益を最大化させるためのアルゴリズムの目的は、仕入値と売値が大きく異なるアドネットワーク事業者が卸売業としての利益を最大化することにあります。一般的な金融の世界の考え方のアービトラージモデルです。マイクロアドでは、このアルゴリズムはほぼ無いに等しいのですが、成功したアドネットワーク事業者はこのアルゴリズムが中心になっているでしょう。(テキスト広告の場合はほとんどがレベニューシェアモデルのため今回の話は別件。バナーの世界のお話。)

ではDSPは?DSPはRTB仕入れでCPM販売だという前提のもとで話を進めます。 まず、仕入値と売値の差額はマージン率で設定されるため、DSP事業者としては自社の流通総額を最大化することが収益の最大化になります。つまり、顧客をとにかく増やし、満足してもらえる広告配信を行う必要がある。そのためにターゲティングのアルゴリズムを使う。そして、顧客のためにできる限りインプレッションを安く仕入れられるようなアルゴリズムを使う。DSP事業者が自社の収益を最大化するためのアルゴリズムはいらない。顧客のために最善を尽くすことが自社の収益になるという、あたり前の世界がようやく。

アドエクスチェンジの国はアドネットワークの国とは違って政治の無いオープンに接続されたドライな世界。アルゴリズムで適切に値付けした者が勝ち。アドネットワークで重要だったのは、豊富な広告在庫を生み出す仕組みや営業の仕組みで、アルゴリズムは助演だった。アルゴリズムは重要なのだけれど、本当に勝負を分けているのはアルゴリズムでは無かった。ところが、RTBのDSPではアルゴリズムが主演になった。

数百数千社の膨大な広告主が、それぞれに満足する絞り込まれたターゲティングをかけながらインプレッション争奪競争を24時間365日繰り広げる。これで媒体収益が上がらないはずもなく。単一アドネットワークとは比較にならないほど。

2012年はメディアの純広が進化し、アドネットワークには出稿していなかった広告主がDSPを通じて出稿するようになり、スマホのRTBがはじまる。これまでいろんな業界で破壊的イノベーションによって企業の浮沈やパラダイムシフトを他人行儀に眺めてきたけれど、僕らの世界にもRTBというガチの破壊的イノベーションがやってきたようです。きっと来年の今頃は、数年前の業務を思い出しては自分たちのやっていたことに恥ずかしくなっちゃうに違いありません。ボクが白シャツをINしていた頃を思い出す時のように。

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先日行いました、ad:tech Tokyo 2011でのMicroAdによるワークショップの資料をアップロードしました。
自らの過去のビジネスをも切って捨てることが許されてしまうこの社風。
これがベンチャーのいいとこです。変なしがらみが無いからね。

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昨年ご好評いただきました、ad:tech Tokyoでのワークショップですが、今年もやります

昨年は来るべく未来に備え、アドエクスチェンジ生態系の各プレーヤーの役割を紹介しましたが、今年はそのあたりはもう周知のこととなったので、今回は毛色を変えてやる予定です。(まだ一枚もスライドができていないというこの現実からの逃避的投稿。)

広告枠からオーディエンスデータへ。
広告メニューからRTBへ。
アドネットワークからDSP・SSPへ。
メディアプランニングはロボットへ。

そんな変化について、お話しできればと。


アドテック東京 ワークショップ
http://www.adtech-tokyo.com/ja/exhibitor/work.html
 
10月27日(木) 16:00-16:40
Workshop B
株式会社マイクロアド 
DSPによるディスプレイ広告のパラダイムシフト

"広告メニューの時代"は終わりを告げようとしています。ディスプレイ広告の主役の座は、オーディエンスデータを自在に活用してターゲティング配信を行うDSPへ。
DSPを活用すれば、リスティング広告のようにディスプレイ広告への入札・運用が可能に。
いよいよ日本でも本格的普及期に突入したアドエクスチェンジからのメディアバイイング手法と、そのパラダイムシフトをわかりやすく解説します。 
 もちろん無料パスでOK!!

プライベートエクスチェンジとは

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《連載》ネット広告エコシステム
第一回:Ad Exchange(アドエクスチェンジ)とは
第二回:DSP(Demand-Side Platform)とは
第三回:Yield Optimizationとは
第四回:RTB(Real-Time Bidding)とは
第五回:Data Exchanger(データエクスチェンジャー)とは
第六回:プライベートエクスチェンジとは

アドエクスチェンジ系の話題がグイグイ来ております今日この頃、一年ぶりに連載記事。まだ終わっちゃいねぇんダゼ!

本日はプライベートエクスチェンジ(Private Exchange, Private Marketplace)についてですが、重いペンをとったのも大御所Google氏がプライベートエクスチェンジの機能をリリース(英文)したためです。

83692761_73a3fd55c3_mそもそもプライベートエクスチェンジとは、メディア側がアドエクスチェンジへプレミアムな広告枠のインプレッションを流しやすくするためのものです。一般のアドエクスチェンジでは販売価格は市場原理に任せる訳ですが、アドエクスチェンジに流すことで(1)価格が下落する恐れがある (2)純広告の販売に悪影響が出る恐れがある といった懸念がありました。それを解決します。本日Googleがリリースした"Ad Exchange Direct Deals"はメディアと広告主(代理店)が事前に人間同士で価格交渉を行い、価格を決定するものです。がっちり価格を決めうちするのではなく、限られた入札者にだけ入札を許し、それぞれに最低入札単価を決められる機能も同様にプライベートエクスチェンジです。オークションでも固定価格でもプライベートエクスチェンジ。さらに申込書のやり取りなどの業務もDSPやエージェンシートレーディングデスクで完了するので無駄な業務を省けるし、事前の掲載可否が行えるといったメディア側にとって多くのメリットのあるものです。

いやはやDSPというのは大変ドライなもので、コンバージョンにつながる確率などでインプレッションの価格を決めてしまいます。蓮舫さんを想像していただければと思います。アルゴリズムベースのDSPによるRTBというのは、東証アローヘッドでのアルゴリズム取引と同じです。流れてくるニュースや値動きなどをロボットが読み込み、瞬時に株式などを売買します。ちなみにDSPも証券取引も、経験と勘はアルゴリズム化されています。

ということで、どれだけ純広告の価格が高くても、どれだけ代理店&広告主にとって高い広告枠ブランド力を持っていたとしても、広告効果でドライに査定されてしまう。また、純広告で販売されている広告枠がアドエクスチェンジでも購入できるならば、多くの広告主はアドエクスチェンジから購入したがる。広告メニューというバルクではなく、広告主が思い通りにターゲティングしたオーディエンスがその枠を訪問したインプレッションだけを買うことができ、しかもCPMが安価かもしれないからです。必然的に、純広告が売れる枠は空き枠が出てもアドエクスチェンジへは流さず自社広告を流し、これまでアドネットワークに流していた枠がアドエクスチェンジへと流れるという構造になりがちでした。

それに対するソリューションとしては、匿名でアドエクスチェンジ上で販売する手法があります。DSP側から見ると、枠が暗号になっています。たとえば、Lady.jpという女性向けメジャーポータルのファーストビュー内レクタングルが仮にあったら、DSPからは枠情報は「fwaw3efhae(300x250)」のようにしか見えない。だから、広告配信後の結果勝負。でも、本当はプレミアムな枠なのに純広告とのカニバリゼーションのために匿名にすることでメディアのブランド力も削ぎ落され、CPAだけの世界で査定されるなんて我慢ならねぇ!と。そして生まれたのがプライベートエクスチェンジ。限られた広告主(代理店)にだけ入札や交渉が許されます。人間による人間臭い交渉の結果、RTBというデジタル信号を通じて猛烈に売買は執行されるわけです。

実に合理的でデジタル的なRTBによるDSP・アドエクスチェンジ間の売買という世界ですが、デジタル合理世界とは相容れないもう一つの世界があります。そこにRTBという文明の利器を導入するため生まれたのがプライベートエクスチェンジ。本質はRTBにあります。広告主が各々ターゲティングできるインプレッションだけを仕入れることができることにあります。RTBは「1インプレッション単位で入札額を」と説明され入札額がフォーカスされがちだけど、自由にユーザーを選別できるというメリットの方が実は大きい。個人的にはこっちの方が断然大きいと思っている。いや、わかっている人はみんなわかってると思う。説明が面倒なだけだ。

4470004722_5d0404c74d_m同じメディア・同じ枠のインプレッションでも、広告主ごとに欲しいインプレッションは違う。見ているユーザーは全然違うからだ。メディア側からはRTBはインプレッションをつまみ食いされるのではないかと心配される。ただ、猛烈なつまみ食いデマンド(需要)が存在しているとしたらどうだろう。

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最近、デジタル一眼のカメラを購入しました。今年から始めたダイビングは完全にハマりまして、その延長には当然水中写真があるわけです。余生は南の島に住んで水中写真家としてのんびり暮らそうと考えています。

なんてことを書きたいはずもなく。
職業柄、カメラを知るにつれどうしてもDSPのことが頭に浮かんでしまって不可ません。良い写真が撮りたいという欲求よりも、そのカメラ開発者の設計の方に興味が行くのです。ええ、病気です。DSP病患者がカメラを見るとどう映るのか、その症状をご紹介します。

写真を撮る場合、目標物を決め、ズームレンズでどういう構図で切り取るのかからはじまります。DSPではアカウント構成を事前に考え、目標CPAや目標ROIなどを設定し、バナークリエイティブ&ランディングページを設定します。
これらは人間のみ為せる業、機械には判断できません。そして、ここをミスると機械には手の施しようがありません。センスってやつです。

ここからが様々なパラメータ調整の必要となるところ。入ってくる光の量を調節する絞りはターゲティング、シャッタースピードは配信スピードと言える。これらはトレードオフの関係にあって、 ターゲティングを絞りすぎると配信スピードが遅くなるし、ターゲティングを拡げすぎるとオーディエンスターゲティングもピンボケさ。光のセンサーは広告主サイト訪問者の分析(プロファイリング)。同じ対象物を見ても、センサー会社によって出てくる分析結果は違う。
F値は解析マシン速度。となればファインダーは分析・管理画面かしら。各種の結果を画面を見ながら人間がコントロールする。しかも結果はすぐに確認できるから高速PDCAサイクルね。ISO感度はフリークエンシー?

と、写真についてかじったことの無い方にはさっぱり理解できない例えで説明しましたが、カメラのシャッターボタンを半押しして撮影するまでの瞬間に、カメラ内部でこれらのパラメータをほぼ瞬時に最適化して美しい写真ができあがるってわけです。構図の中の明るさや対象との距離などからロボットが計算します。そして、個人的に気になるのは「夕陽モード」のようなシーン別最適モードがあったりするのだけれど、これがどういう風な補正ロジックになっているのかというところ。確かにきれいに撮影できるし、パラメータをどう動かせば良いのかはわかるけれど、どの程度動か(中略)だよな。もっと言えば、夕陽を写そうとしていると自動認識して夕陽モードが自動的に適用されればいいんだけど。DSPで言えば、広告主のプロモーション目的を自動的に判別して最適なモードを選択するようなフルオートDSP、たとえばブランディング目的だったら掲載メディアやリーチを重視するような。

さて、ひとつ重要なポイントを忘れていました。RTBと非RTBをどう表現するのかと。RTBはデジタル一眼、非RTBはフィルムカメラと説く。理由は無い。なんとなく細かいつぶつぶのデジタルな感じ。

で、この記事は何かって?カオスマップのロゴには、デジタル一眼もコンパクトデジカメも『写ルンです』も同列に並んでるってことさ。

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マイクロアド、ディスプレイ広告の統合管理プラットフォーム『MicroAd BLADE』の提供開始。
RTB配信によるCPA最適化を実現
ようやくDSP『MicroAd BLADE』をリリースできました。DSPをやろうと言い出したのは2009年の冬頃なので、1年半もかかってしまいました。というのも、2010年に一社が突然「DSPはじめました。」なんて謳ったところで、12月20日に冷やし中華をはじめるようなものです(c)AMEMIYA。まずはオープン化の流れを作らにゃいかんということで始まったのが、このブログでの匿名でのネット広告エコシステム連載です。そして日本でのRTB環境が整った2011年6月、ボクの会社でもとうとう、DSPはじめました。

RTBにこだわったのは、Line Itemでのバルク買いでは最適化は難しいから。インプレッションは十人十色。1インプレッションごとに個々の素敵な魅力が秘められているのです。誰がどのページの広告枠を見ることにいくら支払うのが適切なのかは単純じゃ無い。Line ItemはAKB48のメンバー達を「AKB48」とくくって扱うことくらい大雑把で一面的なことなんだ。ボクは大島が一番だと思うけど、40位の娘を好きなファンもいるんです。同じインプレッションでも1円で入札しても見合う広告主もいれば、0.05円にしか値しない広告主もいます。十把一絡げにインプレッション達を扱うなんて残酷なことはボクにはできない。ボクはインプレッション達の個性を大切にしたいんだ!

米国ではLine Itemのアドエクスチェンジの世界からRTBへ徐々に移行しましたが、日本は一足飛びにRTBに行くでしょう。そもそもMicroAdでは自社でターゲティング可能なインプレッションのみを購入するようなやり方を多くやっていたので、RTBはそれをさらに値付けして仕入れることができる感じ。無駄な仕入れを無くすということは、高く値付けできる許容範囲が増えるということ。それぞれが必要なインプレッションだけを仕入れることで、メディアのCPMは上がり、広告主のコストパフォーマンスは高くなる。この二つは背反では無いはず。

さて。2011年6月は日本のディスプレイ広告の歴史の中でターニングポイントになる気がします。cciさんのOpenX Market Japan開始、DACさんのYieldOne/MarketOne RTB開始、GoogleのAdmeld買収合意、MicroAd BLADE開始、さぁ次は?

ad:tech資料をアップロードしました

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先日のad:tech tokyoでのMicroAdワークショップの資料をアップロードしました。
アドエクスチェンジエコシステムの全体像やオーディエンスターゲティングをざーっと理解するのにいい感じの資料になってると思います。
MicroAd ad:tech 2010 ワークショップ

PDF版はこちら


photo_11この中で「オープン」と盛んに言っておりますけれども、さらに言ってしまえば、アドネットワークというのはいわゆるひとつの合体ロボであるので、そのひとつひとつをバラバラに提供していくということです。

ここに出てくるMicroAdのSSPというのが、本日リリース出ましたこちらです。

マイクロアド、国内初のオーディエンス単位で配信広告を制御するSSP(サプライサイドプラットフォーム)、「MicroAd ADfunnel(マイクロアド アドファネル)」を提供開始。リアルタイムで配信広告を識別し、媒体社の広告収益最大化を支援

タイトル長げぇよ、っていう。

いやー、このブログも宣伝ばっかりになってきましたな。今月はちゃんと書きます。

photo_15ところで、SlideShareで日本語の資料UPするときって、pptでアップロードするより、一旦PDF化してからアップロードする方がフォントがきれいにいきました。

全アドネットワーク業界人が泣いた!『アドネットワーク・リポート』

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51NX2194HJL遂にシード・プランニング監督による最新作が登場!4枚切り食パンよりも分厚いこの超大作のタイトルは『アドネットワークの動向分析調査』。

今回はネット広告の中でもテーマを大胆にアドネットワークに絞り込んだ。そのあまりのニッチさに一時は公開が危ぶまれたが、どうやら公開にこぎつけたようだ。

世の中のネット広告関連本ではアドネットワークはもちろん紹介されているけれど、アドネットワーク事業者のビジネスモデルをここまで大胆にさらけ出した作品は過去に例を見ないだろう。そう、書店に並ぶネット広告本は広告主向けのアドネットワーク活用方法だからだ。アドネットワーク事業者それ自身の利益構造や枠の仕入れ方法について解説したシード・プランニング監督の暴挙をここに讃えよう。もし、これからアドネットワークビジネスに参入しようとしているオーディエンスがいれば、上司とのミーティングを重ねる前に、まず本作を何度でも食い入るように観るべきだ。そして、その頭の中の戦略を練り直すことになるだろうね。

キミたちが大好きな、あの話ももちろん登場するよ。そう、アドエクスチェンジをはじめとするアメリカ最新情報だ。もちろんこのブログよりも豊富な情報が満載だ。(このブログの著者は最近情報を出し惜しみしているってもっぱらの噂だぜ。)西海岸の太陽からニューヨークの摩天楼まで、余すところなく収録されている。

圧巻なのは14社ものアドネットワーク事業者へのインタビューで飾られた100ページに渡る壮絶なラストシーンだ。とてもじゃないがCNETには掲載できない内容ばかりだよ。非公開情報のオンパレードさ。この暑い夏がみんなを開放的にさせちまったのかな。まるで自分が芸能レポーターにでもなっちまった気分だぜ。もちろん石田純一よりも面白いコンテンツであることは保証済みさ。(ちなみにしゃべったのは俺じゃないぜ。)

最後にちょっとだけ真面目な話をしようか。俺がネット広告についていつも偉そうなことを知ったかぶりで語っているのは、実はシード・プランニング監督の過去の作品のおかげなんだ。これが世の中で最も効率的に情報を収集できる手段ってわけさ。社内外・競合含めたたくさんの人々と話したり、ネット上の情報をくまなく調べたりするよりも効率的にね。これがあれば安心して京都のお寺で座禅しながらビジネスができるってことさ。

そして、社員に広告主側向けのネット広告本を読んで勉強させたり研修メニューを独自に実施するのと、アドネットワークビジネスの内側に大胆に切り込んだ本を読んで勉強させるの、どちらが良いだろうか?このテーマのレポートをネット広告業界に通じていないコンサルティング会社に調査させたらいくらかかるだろうか?(そしてその成果物を見て笑っちゃうのはご法度だぜ。)そう、答えはもう決まってるよね。

さぁ、189,000円を高いと思うか安いと思うかは、キミ次第だ。

レポート名      アドネットワークの動向分析調査
発刊日     2010年8月25日
体裁     A4 / 318ページ
販売価格     189,000円(本体価格180,000円、消費税9,000円)
発行     株式会社シード・プランニング

マイクロアドのデータエクスチェンジ事業への参入に関して

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自分の勤務先のことをブログに書くのはこれまで避けてきたわけですけれども、本件ばっかりは一般向けプレスリリースだけでは業界の方にとってモヤモヤすぎると思いますので、こちらで少しばかりディープな内容を。
マイクロアド、データエクスチェンジ事業へ参入。オーディエンスデータと広告配信技術をメディア各社に開放。
ということで、アドネットワークを中心とした事業を展開してきたマイクロアドですが、この度オーディエンスデータの流通を媒介するデータエクスチェンジ事業へ参入します。データエクスチェンジについて詳しくは以前の記事をご参考に。

これまでマイクロアドではデータプロバイダ(メディア企業・媒体)からオーディエンスデータを購入して自社のアドネットワークでのターゲティングに活用するというのをずっとやってきたのですが、そのインフラ・プラットフォーム部分やマイクロアドのデータを他社にも解放するという感じです。

でも、そこで大儲けしようなんて魂胆はまったく無いです。なぜそんなことをするのかと言えば、オーディエンスターゲティングの浸透のため、さらにはディスプレイ広告の発展のためです。「マジ何いっちゃってんスか。」と言われそうですが、結構本気です。以前からくどいくらい書いていますけれども、ディスプレイ広告ビジネスはこれからエコシステム(生態系)がすべてになっていきます。どれだけすごいテクノロジーが産まれようとも、お金を含めたあらゆるものが適切な流動性を持ち、食物連鎖が起こらなければ話になりません。こうした話は常に"ニワトリが先か卵が先か論"になりますが、我々はすぐ卵産み落とせるんだから、産んじゃおうよっていう話なのです。

どういうことかと言うと、まずデータエクスチェンジャーには大きく三つのコアが必要です。
pixel(Webビーコン)処理システムや解析・cookie管理のためのDWHなどのシステムインフラ
データマイニングによってオーディエンスを分析・分類するための人材
アドネットワーク, Ad Exchange, SSP (Yield Optimizer), DSPなどとのAPI接続
というあたりが主要機能で、は何年もやってきて、そろそろ日本でもの外部環境が揃ってくるので、これに対応してその利用を他社さまにも解放しちゃいます、ということです。

2178418043_5c4a3554a0_zこれらを独自に構築しようとした場合、莫大なシステムコストと人材獲得コストがかかって費用対効果が見合う企業は無いと思うので、データエクスチェンジに関してはアウトソースしてもらえればと(流行りのクラウド的な)。また、「データを活用したいんだけどどうしたらいいかがわからない。」という声をこのところものすごい勢いで頂くので、そこらへんも全部まるっと。まるまる環境を提供することで、マネタイズ可能データが燃えるゴミになって空へ消えてしまうのを防ぎたいのです。

で、単にマーケットを作っただけでは幽霊マーケットになってしまうので、MicroAdのオーディエンスデータ(月間3億UB突破!)も販売するし、MicroAdもメディア企業さまのオーディエンスデータを購入するので、しょっぱなから築地みたいにホットなマーケットになることを目論んでおります。

アドエクスチェンジエコシステムがうまく食物連鎖を始めるキーとしては二つあると思っていて、ひとつはメディアがアドサーバを利用してアドエクスチェンジを有効活用しはじめること、もうひとつは強いユーザーインテントを保有するメディアがオーディエンスデータを提供し始めることだろうと。今回はこの後者を円滑にするための土台を提供しようというものです。前者に関しても、メディアがアドサーバ『Vasco』を使って簡単に独自の行動ターゲティング配信を行えるようにするので第一歩。メディアさんにとっての"らくらく行動ターゲティング商品構築パック"です。

21306944_a0b0764a36_m残念ながら米国と日本には情報格差があります。そこで起こることは支配と搾取であることは歴史が物語っています。このまま日本のディスプレイ広告のCPMがジリ貧を続けていていいはずもなく、米国のVC資金で作られたシステムを日本にひょいと輸入して失敗(!?)するだけの流れなんてつまらんぜよ。スプートニク・ショックみたいなこと起こしたいじゃん。日本のオーディエンスデータの流通は、日本のオーディエンスを知り尽くしたわしら日本人がやらんといかんぜよ。

スプートニク・ショック(Sputnik crisis、スプートニク危機)とは1957年10月4日のソビエト連邦による人類初の人工衛星「スプートニク1号」の打ち上げ成功の報によりアメリカ合衆国をはじめとする西側諸国の政府や社会に走った衝撃や危機感を指す。
スプートニク計画以前、アメリカは自国を「宇宙開発のリーダーであり、それゆえミサイル開発のリーダーでもある」と信じていた。しかしスプートニク1号成功の突然のニュースとそれに対抗したアメリカの人工衛星計画「ヴァンガード計画」の失敗は、アメリカの自信を覆し全米をパニックに陥れた。
(Wikipedia)

GoogleによるInvite Media(DSP)買収は火薬庫に?

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米Google、広告リアルタイム入札サービスのInvite Mediaを買収
Investing in exchange bidding - DoubleClick Advertiser Blog
以前からの噂通り、GoogleがDSP(Demand-Side Platform)企業を買収しました(DSPの解説)。見事Exit競争に勝利したのは弱冠25歳のCEOが運営するInvite Media。金額は非公開ですが、$70Mと言われているので、これがDSPの基準価格となるとすると、ちょっと安いような気もしています。(十分高いという声もある)

このニュース自体は業界内では予想通りなのでよいとして、やはり気になるのが今後の計画です。

まず製品ロードマップについてですが、現在のところGoogleの広告主向けアドサーバー製品であるDoubleClick for Advertiser (DFA)と統合を進め、Invite Media自身も独立した製品として残すため、代理店や広告主は必ずしもDFAを使わなくとも良い、としています。日本では広告主向けアドサーバーは非常になじみが薄いと思いますが、広告主が広告配信を一元管理できるコクピットであり、第三者配信と呼ばれる手法です。DSP自体が広告主向けアドサーバーでもありますので、アドサーバーとDSPが統合されるのは自然な流れです。AdWordsとの統合については未定としています。AdWordsはテキストに最適化されているし。

さて。問題は、立場のところです。DSPは複数のアドエクスチェンジ&Yield Optimizer(SSP)と接続されている統合管理ツールです。つまり、特定のアドエクスチェンジ運営企業の傘下に入ることで、第三者的な立場が失われますので、非常に微妙な空気が流れることになります。たとえばGoogle Ad Exchangeでの振る舞いにGoogleのDSPであるInvite Mediaが有利になるといったことも可能となります。Googleしか持ち得ない必涎データをInvite Mediaが活用するかもしれません。可能となるだけで、もちろんGoogleはこれを否定していますが。また、たとえばGoogle傘下であるInvite Mediaを通じてYahoo!(RightMedia)の枠を購入することになります。Yahoo!が広告を配信するたびにマージンがGoogleに落ちます。DSPは電子レップですので、Yahoo!のレップがGoogle?ん?ん?

657px-Balkan_topo_enそしてその先に。Y!, MSFT, AOLなどが残ったちょうど良い数のDSPを買収し、火薬庫を抱えた冷戦に突入する可能性があります。(AppNexusはインフラ寄りのポジションで独歩すると思いますが。)そうこうしているうちに、市場原理主義よりも保護貿易主義の方がメリットが大きくなるプレーヤーが現れます。誰かが保護主義(鎖国)をはじめると、世界に保護主義が蔓延し、アドエクスチェンジ生態系が崩壊します。めぐりめぐって、ネット財閥に売却しなかったDSPが、数年後にぽわっと浮かび上がるなんてこともなきにしもあらずなのかなぁなんて。

ということで、米国が生み出した奇跡の広告エコシステムを崩壊させるリスクを重々承知の上でDSP買収に踏み切ったわけなんだろうなぁ。まぁGoogleにとってのエコシステム崩壊はリスクでは無いだろうけれど。火薬庫を作るのを承知の上でというか。ネット広告に携わる人間として、Googleのインフラ技術&データとInvite MediaのRTBシステム&知恵&他アドエクスチェンジデータが統合されることは、とてつもないことができるという意味でわくわくしますが。

Invite Mediaがネット広告のバルカン半島にならないことを祈るばかりです。

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「金融工学」は何をしてきたのか(日経プレミアシリーズ)「金融工学」は何をしてきたのか(日経プレミアシリーズ)
著者:今野 浩
販売元:日本経済新聞出版社
発売日:2009-10-09
クチコミを見る

ブックオフで買取査定(エヴァリュエーション!!)の待ち時間になんとなく手に取って700円くらいで買った、正直期待していなかった本なのですが、非常に興味深い内容でした。統計学のお化けである金融工学は、以前より興味がありそれなりにロジックの勉強はしてきたのですが、この本は米国での金融危機に至る環境・社会に関する話題が中心。そして、ずっと持っていた疑問、「十分なデータも無いまま組成された金融商品はどうやってリスクや価値を算定するんだろう?」というのは、どうやら勘の要素が大きいらしい、というのを知れたことだけで晴れ渡る心持ち。

なかでも興味深いのが、MBA出身の経営者に実権を握られた金融機関のエンジニアは無理難題を押し付けられてもNOと言えないという環境。データマイナーや数学者は、できることできないことはだいたい勘で分かるもんですが、NOと言えばクビになる。だから適当にやる。適当に組成した金融商品を、格付け会社が適当に格付けし、機関投資家が適当にポートフォリオを組む。

もうひとつが、デリバティブを原子力技術に例え、発電にも爆弾にも使えるという表現は秀逸。本来的に金融工学は悪ではないと思うのです。環境や社会があらぬ方向へ導いた、と。

話をアドエクスチェンジに置き換えてみます。アドエクスチェンジは広告の取引市場であり、金融と本質的に同じです。ちなみに天然ガス取引を手始めに、電力、インターネット回線などのエクスチェンジも行っていたのがエンロンです。末路はご存知の通り。

金融市場とアドエクスチェンジの決定的な違いは、広告には時間軸の要素があまりなく、(広告効果−買付金額)の最大化が目的なのに対し、金融は(売却金額−買付金額)の時間差での最大化や(収益確率×金額−損失確率×金額)の最大化が基本だということです(細かいツッコミはご勘弁!)。もうひとつの大きな違いが、同じインプレッションや同じオーディエンスでも広告効果は広告主によって千差万別であるということ。金融商品は持ち主によって価値は不変です。その他にも、市場の流動性の不足や、枠提供がイレギュラー、突発的要素が多々あり、データの量は多いが1年以上前のデータはほぼ使えないことなども特徴です。

これらの点が、金融市場で活発化し、金融危機の根本であるデリバティブと同様の活動をできなくするので、広告のデリバティブ的なものは産まれないと思うのです、きっと。市場リスク技術(価格変動)を応用した先物的なオプション取引といったものは成立し得ないと思う。

ただ、広告予算の期限付き消化要望を頂くことは多いのでこういったソリューションも何らかできるのかもしれないし、入札額に対するポートフォリオ理論の応用はできるはず。期間保証で予想外のPVだった時のオプション取引とかもあり得る?信用リスク技術を応用したオーディエンスのエヴァリュエーションは当然できるでしょう。ただし、時間軸での裁定取引(アービトラージ)だったり(リアルタイム裁定取引はOKだと思う)が登場してくると一気に怪しげな世界になりますね。おそらくGoogleやMicrosoftの研究所やシリコンバレーのどこかの一室では既に研究しているとは思いますが。私は、未来の予想なんてできないから、未来にも広告のデリバティブは成立しないと予想します。

ちなみに、ボクは天才的頭脳を持ち合わせていないので何度挑んでもブラック=ショールズ式を理解することができません。てへ。

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《連載》ネット広告エコシステム
第一回:Ad Exchange(アドエクスチェンジ)とは
第二回:DSP(Demand-Side Platform)とは
第三回:Yield Optimizationとは
第四回:RTB(Real-Time Bidding)とは
第五回:Data Exchanger(データエクスチェンジャー)とは

前回の投稿からだいぶ間が空きましたが、ネット広告エコシステム連載の第五回はData Exchanger(データエクスチェンジャー)についてです。単にData Exchange(データエクスチェンジ)とも。正直、日本の実体が整わないままワードを煽ってもバブルを呼ぶだけなので、あえてアドエクスチェンジネタは抑えていたのですが、方針転換です。

データエクスチェンジャーとは。まず、彼らは複数のメディアから提供されたオーディエンスの行動履歴やその他データ保有企業のデータを取りまとめ、カテゴライズします。次に、彼らと接続されたDSPを経由してデータが代理店に販売されたり、接続されたアドネットワークに販売されます。もちろんこのモデルに限りませんが。つまり、集積(Aggregate)+分類(Categorize)+卸(Exchange)+流通(API)。必然的に、データ提供者の匿名化と生活者側のプライバシーへの対策も一元的にできる。

たとえば、ある代理店がDSPを利用し、あるデータエクスチェンジャーのコンパクトカーカテゴリをチェックして配信すると、過去に自動車専門サイトのコンパクトカーのページを閲覧したり検索したオーディエンスに対して配信されます。その自動車専門サイトは複数であるという点がポイントです。

さて、これらのデータの提供者はデータプロバイダ(Data Provider)と呼ばれますが、これが多様です。日本でも馴染み深いウェブ上での行動履歴を提供するものが基本ですが、デモグラフィックデータ、オフラインデータ、企業データ、検索ワードなどを提供するプレーヤーが存在します。それぞれ歴史的な経緯がありますが、ここでは深く触れません。

ターゲティングのカテゴリは細かくすればするほど基本的に広告効果は良くなりますが、一方で対象オーディエンス数は減少し販売困難になります。その問題へのソリューションがまさにデータエクスチェンジャーのモデルです。集積によりデータのボリュームを生み出し、分類により細かいカテゴリを扱いやすく、アドエクスチェンジの膨大な広告枠を利用して配信できるわけです。

非常に重要なことは、カテゴライズされたデータと一言で言っても、中身は全く異なるということです。あるポータルのサッカー面のページを見た人は、一ヶ月以内にサッカー用品を買うでしょうか?興味・関心と購買意向は、まったく違うものです。(相関はもちろんあるでしょう。)データエクスチェンジャーは、購買意欲のある(in-Market)興味関心カテゴリを整備していることを売り物にしています。サッカー好きの中で、まさにサッカー用品を買おうとしている人の比率は数%でしょう。言ってしまえば、サッカー好きのデータなどありふれていて売れませんが、サッカー用品を買おうとしている人のデータは高値で売れます。

現在のネット広告の価格は適正化されていません。何らかの強い購買&申込インテントを持ったオーディエンスが訪問する専門サイト・ECサイトが得られる収益はあまりにも小さい。勝間さん風に言えば、メディアサイトとファンクションサイトとは全く別であって、広告収益はメディアサイトに偏っています。ちゃんこダイニング若のニュースを閲覧する「ビジネス面」のeCPMを、専門サイトのeCPMが下回っていて良いはずが無いし、データの価値も専門サイトが断然上回らなければならない。こうしたミスマッチを是正するのがデータエクスチェンジャーの役割でもあると考えています。

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インタレスト ベース広告 - アドワーズ 広告 ヘルプ
The Display Game Changes: AdWords Adds Retargeting

いよいよGoogleがリターゲティング配信を公式リリースしました。リマーケティング(remarketing)という名称で来ましたが、日本ではリターゲティング(retargeting)と呼ばれるものと全く同じです。(アドコムさんの場合LeadBack。)リターゲティングはリーチ数が生命線であり、日本最大級のアドネットワークであるAdSense + DoubleClick上で配信するというのは2010年最大級のニュースと言えるかもしれません。リーチが小さいと一ヶ月数万円にも満たない配信量にしかならず、広告メニューとして成り立ちません、特に中小広告主にとっては。そして、リターゲティングは飛び抜けてROIが良いのが特徴です。

以前からinterest-based adの紹介ビデオ中にリターゲティングと思わしきものが解説されてましたし、DFAにはすでにリターゲティング機能がありましたので予期はしていましたが、いざ発表されると感慨深く、いろんな涙がこぼれます。

ポイント
  • リマーケティングリストとキャンペーン・広告グループは別管理で、お互いひもづけて利用。
  • 広告グループ単位のCPM or CPC入札で他の広告と戦う。たとえば見込みの強いリストのグループは高額入札とかも可能。→CTRは相当高いはずなので、CPC入札でも安価に出せるんじゃないかな?インタレストベースでの広告ランクアルゴリズムがまだUPされてないからわかんないけど、Google流でいくなら理論的に安いはず。
  • リーチとフリークエンシーのレポートがあり、フリークエンシー制御可能。
  • 履歴利用期間はリストごとに決められ、これらを掛け合わせることでサイト訪問後7日目〜15日目だけに配信といった技も。
  • バナーだけでなく、テキストも可能。
  • Google Content Network(AdSense)だけでなくDoubleClick Ad Exchangeも掲載枠に含まれる。
  • 「インタレスト ベース広告」をcookie系ターゲティングの総称とし、リターゲティングを「リマーケティング」、行動ターゲティングを「インタレスト カテゴリ マーケティング」としたっぽい。
  • Japanの文字はNothing.
リターゲティングのバナー広告にディスプレイビルダーっていう組み合わせは最高ですね。リタゲは行動パターンとクリエイティブの一致が命です。CRMですので。

このAdWords経由リマーケティングでは、DSP × RTB対応Ad Exchangeのようにcookieを直接いじることはできません。あくまでも行動パターンだけに基づくターゲティングです。そのため、広告主のデモグラ情報や購買履歴などのDB情報と突き合わせることはできません。これは将来的にもDoubleClick Ad Exchangeでしか提供しないんじゃないかな。

あと、DSPを使えないことによって発生する問題として、グローバルフリークエンシーキャップを効かせることができません。リターゲティングでcookieを解決しない場合、ほぼ同じユーザーに違うcookieでターゲティングをかけるわけなので、同一ユーザーに対してAdWords経由のフリークエンシーが限界に達した後で、DSP経由のDoubleClick AdXでまた一定フリークエンシーまで配信されてしまうといったことも起こりかねないかなと。(もちろん一応の解決方法はあります。)(追記:DSP経由でもGoogle Content Networkにも配信されだろうから、DSPに一本化でいいのかもしれない)

さて、これで起こる変化とは。ROIの圧倒的に優れたメニューが出ますので、広告予算が決まっている広告主の場合はROIとして劣る広告メニューが減らされるかもしれません。むしろ、ROIが優れているため広告余力ができ、他の広告メニューにも拡げられるなんてこともあるかと。配信量は広告主サイトのオーディエンス数に強く依存するので、既存広告主の広告費としては大きく動かないことが多いかもしれません。業界全体がワードを奪い合う検索ワードと違ってリターゲティングは競合も薄いので、入札額も暴騰しないためです。

それよりも、検索連動はやっていたけれどもコンテンツ連動はROIとして見合わない中堅ECサイトなどの予算が追加で出てくるという流れがあり得ます。リターゲティングは枠に依存するので、やれるだけやれば良いのです。(だから競合じゃないんですよね実はコレ石高に近い。)リスティングで、Yahoo!だけあるいはGoogleだけ、なんてことはしないのと一緒です。両方やって、効果の悪いワードの単価を下げるってのと同じことです。

一方、AdSense媒体にとっても圧倒的に高いCTRと、予測CPMに近似するスコアがコンテンツ連動に勝った広告が出るわけなので、収益増です。

リターゲティングは広告主にとっても媒体にってもアドネットワークにとってもハッピーなものなのですね。

#今日のボッコボコの原因のひとつは、Google Ad PlannerとAdWordsプレースメントターゲットを連動させるベータテストがはじまったというもの。これのComp Indexが。。

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Ad Exchangeにまつわるあまりにもリアルな悪夢から目を覚ますと海の向こうでReal-timeに事件が。マイケル死去時もうなされて起きましたが、我ながらすごい。
Demand-Side Platforms: The Pilot
Some early innovations are focused on identifying and engaging audiences, controlling frequency of ad exposure more effectively and developing real time bidding (RTB) capabilities for buyers.
ということで、RigthMedia(ライトメディア; RMX)が大手DSPらとRTBのテストをすると公式発表。先日の余計誤解を呼びそうなエントリーとは違い、今回のは真の(cookie個々ベースの)RTBを指していると思います。明確に見分けることはできないですが、そうでもなきゃこんな意味のないリリース出さないだろうという推測で言っていますが。オーディエンス識別とエンゲージング、広告表示フリークエンシーのより効果的な制御、バイヤー向けRTB開発機能にフォーカスといっているので、まぁそうなのでしょう。以前から噂はされていましたので、このリリースが単なるPRとしてのマイルストーンなのか実体的なマイルストーンなのかはよくわかりませんが。

さて。真のRTBで真価を発揮するのはDSPです。DSP経由でなければ、bidするのは難しいと思います。DSPは既に大手Ad ExchangeやYield Optimizerとのインターフェースを持っているので、システムとしては日本に輸入すれば楽ですが、エコシステムを考えるとまたやっかいな問題が。さて。

(UPDATED: 2010/03/16 09:39)
この記事でMediaMathが語ったところによると、
"roll out the pilot over a couple of months, and get the learnings and make it more global in the second half of 2010."
らしい。

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風邪で朦朧としてますが、RTB(Real-Time Bidding)をさらに浸透させる記事が海の向こうでは次々と上がっているので紹介をば。
Instant Ads Set the Pace on the Web - NYTimes
私にとっての神ことMike氏も大きな写真で紹介されていて、「ようやくこの記事で母ちゃんにも俺の仕事を理解してもらえそうだぜ」っていうのも納得なわかりやすいRTBの紹介記事。DSPであるAppNexusと広告主であるeBayの取り組みについて。

eBayでゴルフクラブをちょうど検索した男がいる。すぐにeBayは彼の行動を捕捉し、Webを通じていつどこでパーソナライズした広告を表示させるかを決定する。もしeBayが彼が他のサイトでドライバーを買ったことがわかったら、すぐにゴルフボールかゴルフのホームと呼ばれるアンドリュー山のパッケージツアーの広告を表示し始めるようにアップデートする。もし女性がショッピングをしたなら、eBayは広告の色や見た目を変えることができた。

以前はebayはアドネットワークやAd Exchangeでの広告購入をブロックしていたが、AppNexusのシステムを使うことで今では顧客は個々のオファーを受け、eBayはその値打ちがある。

これはこの人の直近30分での51回目であり、私はこのインプレッションを買うべきではない。なぜならばクリックする見込みのある人はもっとこの数は少ないからだ。
変な直訳の日本語を気にせずに進みますが、単なるバラマキのリターゲティングとは違い、行動履歴×会員情報を基にした、もはやこれはCRMなわけです。しかもリアルタイムな。
The New Real-Time Bidding - rightmediablog.com
その記事に呼応してすかさずRightMediaがブログをエントリーしましたが、また彼らは「ワレワレハRTBをやっている」と言っています。一般的な"RTB"は彼らが記事内で"newer version of RTB"と呼んでいるものの方で、現行のシステムはいわゆる"RTB"ではありません。また、Buyers/Sellers/Consumersそれぞれにとってのメリットを上げていますが、基本的にはこのRTBの記事と同じですが、よりレスポンスの速さに説明の重点を置いてますね。見解としては「RTBは全ネット広告プロセスを通じた改善に対して不可欠なステップだが、業界全体に渡って現実になるまでの道のりは長い。RTB提供者は同じではなく、求められるインフラも違う。RTBに引き続き注目してね。」って感じだそうで。

旧型システムで巨大になると、新しい時代への対応はどうしても遅れるジレンマ。巨大隕石の衝突。RightMediaがどうRTBに対処していくのかは注目です。ちなみにRTBにすでに対応しているのはGoogle Ad Exchange, OpenX Market, AdBrite, Yield Optimizer各社で、現在構築中なのがRightMedia, AdECN(MSFT)です。
Google Gains Traction in Display-Ad Push - WSJ
一方こちらはThe Wall Street Journal(のキャッシュ)。検索ではYahoo!がGoogleにシェアを奪われたが、RightMediaの旧型システムのままではディスプレイ広告でもその運命か!?でもYahoo!枠はマストバイだぜチェキラ!っていうリードがあるよとか。Googleのリサーチで、同枠でアドネットワークやその他第三者で配信するよりも収益が130%以上高かった結果が出たということとか。

さて。これまで婉曲な表現でいろいろ言ってきたんですが、このブログへのアクセスが代理店・レップの方々ばかりで、お伝えしたい方々に伝わらないようなので、もうちょっと。

これまでのアドネットワークビジネスには、媒体ネットワーク構築という技術では超えられない壁がありました(参照:世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド)。唯一超えられるのは政治力だけです。それが無くなるということです。

Ad Exchangeエコシステムの中で戦うために必要なのは、下記のいずれか。
  1. データマイニング(頭)+DWH(データ処理システム)
  2. データ(ビジネス環境)
ちなみに私の会社では全部揃いつつあります。ハンパなく増強しています。サイト内レコメンドだけに日本の頭脳を使うのはもったいないです。データを埋もれた宝にしておいてはもったいないです。

たとえば人類の叡智の詰まった金融工学は、市場があるからこそ成り立ちます。マーケティング領域のデータマイニングも同様です。デプロイする領域が広告主サイト内ではほとんどマネタイズできません。広告は、大きなお金が動きます。その市場が出来上がろうとしています。

こうやってわざわざ競合を増やすような「出てこいや」発言をするのも、競合が増えるのは良いことだからです。プレーヤーの増加が結果的に媒体のYield向上につながり、ディスプレイ広告の成長につながるからです。どこぞの業界のように斜陽産業にしてはいけません。

カテゴリ:
Yahoo! JAPAN、アドエクスチェンジ(広告枠取引)事業を開始
触れないわけにはいかんよな、Googleで「アドエクスチェンジ」2位の身としては。(絶賛流入中)

とはいえ日本の話題は立場上非常に触れづらいので、おやおやと思われる誤解を指摘するだけにしておきます。刺激的なコンテンツを期待された方、ごめんなさいもう実名でやろうと思ってるんだけど、あるタイミングでやろうと思ってて、国内の細かい話はむしろ実名じゃないと書いちゃいかんだろとか勝手に思っててですね。はい。

RightMediaはRTB(Real-time Bidding)ではありません。一世代前です。確かにリアルタイムでオークションはされますが、それはいわゆる「RTB」とは違うのです。まるで違う。説明があまりにも面倒なので、とにかく違う。

Yahoo!は売れる枠は絶対出さない。いくらデータで付加価値つけれるっていっても、純広には売上としてかなわないよ。

昔のような『アドマーケットプレイス』にはしないと思う。それだったら今のシステムを改良して、枠に単価を設定できるようにするだけでいいもの。

あー俺最近予測外しすぎだな。あり得ないと決めつけていることが現実に起きる。今朝のYahoo! Inc.のBartz氏のプレゼン読んでJPとの方向性の違いは決定的だなとか思ってたのに。いきなり幕府が鎖国解いて藩がびっくり、みたいな。

RTB(Real-Time Bidding)とは

カテゴリ:
《連載》ネット広告エコシステム
第一回:Ad Exchange(アドエクスチェンジ)とは
第二回:DSP(Demand-Side Platform)とは
第三回:Yield Optimizationとは
第四回:RTB(Real-Time Bidding)とは
第五回:Data Exchanger(データエクスチェンジャー)とは

さて、本日はネット広告エコシステム連載の山場、RTB(Real-Time Bidding; リアルタイム入札)についてです。
※なお、最近の事業者の多くは「我々はリアルタイムだ」と言っていますが、かなりユルい定義のものもありバラバラです。下記の内容は個人的に支持している内容ですのであらかじめ。

これまで枠を媒体から購入する際には、CPMやCPCなどの形態であったわけですが、ここに革命を起こそうとしているのがRTBです。

4075554980_69f2a14103_oRTBは1 impressionに対して入札する方式、もう少し言えばAd ExchangeYield Optimizerの広告枠から発生する1 impressionに対して多数のDSPが入札して競り落とされます。その後ろ側にはアドネットワークも代理店も広告主もいるわけですが。要はディスプレイ広告枠の競りであり、SEMがキーワード単位で入札しているのと同様の世界です。ポイントはいくつかあります。

1. オーディエンスに対して入札される
これまでのディスプレイ広告は基本的に広告枠、つまり面をCPM/CPCで購入していました。行動ターゲティングにおいても、まず面を購入し、その中で一部のユーザーが閲覧した場合に行動ターゲティング広告を配信するわけなので、購入形態はあくまでも面でした。しかも、特にAd Exchangeの面は...(事情により割愛)。

RTBの世界ではオーディエンス(cookie)の方が重要です。cookie=001は$1で入札するけど、cookie=007は$2で入札とか。さらにフリークエンシーも。また、購入する側もBTの信頼できない(プラチナと段ボールが入っているかもしれない)パッケージを購入するより、信頼できるソースや自社のデータソースを使って入札できます。

これによって、さらにデータに基づく最適化を各社がDSPなどで行えるようになります。つまり、透明性が高まり運用性が高まることでROIが高まります。

2. 媒体収益の向上
媒体側にとってもメリットがあります。RTBでは購入意向の強いオーディエンス(in-market)の価格は吊り上がります。これまではイマイチなオーディエンスとごちゃまぜにされてイマイチな単価に落ちてしまっていたものが、細かくなることで、単価の高いユーザーが全体収益を引っ張る構造になります。

一旦頭をゼロベースにして考えれば、広告が効くユーザーなどごく一部であることはすぐにわかります。広告費がそれに最適配分されるだけの話です。私は今WiMAXについて詳しく知りたいなぁと思っているので、WiMAXの広告は1 impressionあたり5円でもペイするかもしれませんが、それ以外だったら0.05円の価値もありません。仮にこの世界だった場合、1impと100impが同じ売り上げってことです。(仮説)

3. 表示速度が早い
RTBはこれまでのアドネットワーク数珠つなぎのリダイレクトに継ぐリダイレクト方式とは違うので、一般的にページ表示速度が高速だと言われています。たくさん問い合わせするのに早いというのは不思議に感じますが、それ専用に根本から設計された仕組みは高速です。

ということで、Demand側(広告主側)もSupply側(媒体側)も閲覧者も全員メリットがあるということです。理論上はどう考えても良いじゃないですか。これが実際に機能するためにはエコシステムが豊かになる必要があります。

そもそもなんでこんな連載をしているかというと、日本のネット広告エコシステムを豊かなものにしたいからです。たくさんのプレーヤーがいなければ革命が起きない。優れた商品を一社が出しても業界は変わらない。幕末のように情報が入ってくることで、いろんな考えの人々が出てきてバラバラに動くカオス状態になるだろうけれど、結果的にそれが膿を出すうねりに変わっていくはず。まぁ倒幕運動です。簡単に言うと、『龍馬伝』に影響を受けているわけです。

ってなことを、幕府の守護・新撰組ゆかりの地、京都は四条大宮よりお届けしました。

B2C3C6A320C0B6BBCBCFBA20C8F5B8FD20CDBFCFBBワシは日本を米国の植民地にはしとうはない!

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大学生の頃は「留学は海外逃亡だ」「高いカネ出して海外旅行に行く奴の気が知れない」「英語なんて死ね」が口癖だったわけですが、あの頃の俺の胸ぐらをつかみたい気持ちでいっぱいです。留学したい気持ちでいっぱいです。英文メールを書いていると新入社員の頃にメールの文章に悩んでいたことが思い出されます。
The next generation of ad serving for online publishers
Breaking Down Barriers to Revenue with the Next Generation of DFP
GoogleがDoubleClick関連のブランドを整理。"DART"という三菱UFJフィナンシャルグループ並に何の略称だかもすでによくわからなってしまった名称が消滅し、DoubleClick for Publisherになって結局DFPのままという匠の仕事。買収前のDoubleClickではないチームが作っていたんではないかと勝手に思っているGoogle Ad managerがDFP small businessと名称変更。機能なんかは基本は前からあったものを改善して見せ方を整理しただけなんだけれど、日本のメディアがものすごくミスリードして報じていたり。米国メディアはほとんど正しく伝えているのに、この差はなにゆえ。

新しいところとしてはAPIと"dynamic allocation"と呼ぶ機能。アドサーバもAd Exchangeも、本気でやるならAPI抜きには仕事できない世界。某社の複雑怪奇な管理画面よりもかなりすっきりしていて一画面で基本収まるっぽいからマシだけれども、大変。そしてこんな領域もオープン化なのだなぁと感慨にふけりぬる。エコシステム。

方向性としてはYield Optimizerと同じ感じで、その生態系を侵す方向性とも(もともとガチな部分も多いですが)。米国の65以上のアドネットワークが枠への入札をリアルタイム(RTB; Real-time Bidding)に行います。RTBについては次回の記事ネタを予定。"dynamic allocation"は純広などのCPMとAd Exchangeからの広告を比較して高い場合にのみ受け入れる最低CPMのことです。Yes, ノーリスク。

他、オプティマイズ機能もあるんだけど、媒体内×広告主だけで最適化って一体何を?と思うのだけれど。本当に機能するのか?という意味で。地域とフリークエンシーとかくらいしか効きそうな変数が思いつかない。

ということで、どれも競合がやっていることの後追いで、何ら新しいことは無いと思われ。でも、あたりまえのことをあたりまえにやっただけでこれほどニュースになるというのはやっぱりすごい資産だなぁと思いました。ちなみに、日本での提供予定は知りません。というオチで〆

カテゴリ:
《連載》ネット広告エコシステム
第一回:Ad Exchange(アドエクスチェンジ)とは
第二回:DSP(Demand-Side Platform)とは
第三回:Yield Optimizationとは
第四回:RTB(Real-Time Bidding)とは
第五回:Data Exchanger(データエクスチェンジャー)とは

本日はネット広告エコシステム連載の第三回。Yield Optimization(イールドオプティマイゼーション)と呼ばれるサービスについて。

Ad Exchangeは市場、DSPは広告主の効果を最大化するもの、そしてYield Optimizationは媒体(メディア)側の収益を最大化させるものです。市場は需要と供給によって成り立つわけですが、需要側が広告主側、供給側が媒体側にあたります。そのためDemand-side Platform (DSP)の逆の存在として、Supply-side Platform (SSP)とも呼ばれます。なお、"Yield"とは収益や収穫高といった意味合いの言葉です。Yield Optimizer、Yield ManagementやPublisher Optimizationといった呼び方をされることもあります。

Yield Optimizerが何をやっているかといえば、元々は複数のアドネットワークを収益を最大化させるように回すということでした。フリークエンシーはCTRにとって非常に大きな要素であるため、複数アドネットワークのフリークエンシーを最適化したり、米国では地域がマーケティングにとって非常に重要ですし、英語圏であれば国外アクセスも多くあるためエリアでアドネットワークを制御したり。しかし、最近では、Audience Data、つまりはcookieを利用した行動ターゲティング等によって付加価値をつけた上での販売にシフトしています。その他にも、媒体が自らのオーディエンスを分析することができる機能や、行動履歴の販売といった様々な分野にも展開しています。

これらが意味するところは、『サイトが外側とつながる』ということに尽きます。まずは媒体側の視点から見てみます。たとえば、サイトカタリストやGoogle Analyticsでの分析結果を広告ビジネスに活かすことができるでしょうか?広告配信結果をExcelや独自システムで分析することで広告ビジネスに活かすことができるでしょうか?限りなくNoに近いYesだと思います。そこである程度の知見を得ることができても、デプロイできないためです。「なるほど。で、どうすんの?」です。

自サイトだけの情報では、オーディエンスがどんな人かの情報は極めて限定的です。自サイトのスポーツカテゴリを閲覧した人はスポーツ好き?それよりも、外部サイトでスポーツ用品を買おうとしている人の方が強いインテントを持っています。これらの情報を突き合わせることが付加価値を生みます。しかも、自サイトのスポーツカテゴリを閲覧するオーディエンスは何人いるでしょう?一ヶ月3万円分しか消化しない広告メニューは作れません。これを複数のサイトでまとめることで、販売が可能となります。

視点をYield Optimizer側に変えてみます。Yield Optimizerはcookie帳を持っていますので、impressionのリクエストが来た段階で、どのアドネットワークやAd Exchangeが最も収益を上げるかを予測することができます。Yield Optimizer大手のPubMaticがよく言っていることですが、現在一般的な手法である平均eCPM(RPM)の高い順にアドネットワークを数珠繋ぎにしてもダメです。早稲田の落ちこぼれよりも明治の優秀な学生の方が企業にとって必要な人材であるのと同様です。(きっちり説明したいけど長くなるので省略。)

さらに視点を需要側に変えます。代理店や広告主からYield Optimizerを見るとAd Exchangeと同様に見えます。ただし、Ad Exchangeを通じても売買されます。(これも省略)

Yield OptimizerはDSP以上にイメージしづらいかもしれません。ただ、この世界を知れば知るほど、これは機能するなぁと思うようになるはずです。そして、2010年の日本にYield Optimizerを輸入しても、まったく機能しないというのも確からしい事実。まったく違うエコシステムに"優れた"遺伝子を持つ生物を放流しても死んでしまいます。ふぇっふぇっふぇ。

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米国グーグル社らに対するDART事業の譲渡及び仲裁手続の終了並びに当社の商号変更について
トランス・コスモス株式会社とダブルクリック株式会社の株式交換契約及び合併契約の締結について
ようやくねじれ解消ですね。そもそもはDoubleClickとトラコスの子供を、DoubleClickがGoogleと再婚する時に親権を取れなかったところに端を発して訴訟沙汰へ。世界的には本格的Ad ExchangeとしてバージョンアップしたDoubleClick「あたし、生まれ変わったのよ。」だけど日本に残してきた孤児は学校に行けず、赤い涙を流したところで手切れ金。涙の再会へ。

これで日本市場でもGoogleが直接DoubleClickを展開できるわけなので、影響が無いわけがありません。巨大Ad Exchangeが、一夜にしてそびえ立つことになるかもしれないのですから。

Ad Exchange(アドエクスチェンジ)とは

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《連載》ネット広告エコシステム
第一回:Ad Exchange(アドエクスチェンジ)とは
第二回:DSP(Demand-Side Platform)とは
第三回:Yield Optimizationとは
第四回:RTB(Real-Time Bidding)とは
第五回:Data Exchanger(データエクスチェンジャー)とは

ここ数ヶ月で、また米国のネット広告に日本がぐいぐい引き離されはじめた気がするので、ちょっくらがんばって書いていきます。(実はこのブログ、買収とかのニュースをネタにした記事がほとんどなので、ゼロベースであまり記事を書いたことが無い。。)

諸説はあれど、やはり日本は米国の2年遅れ。米国でアドネットワーク(Ad Networks)が完全に普及したのは2007年頃。その2年後の2009年、日本でも純広告は一部を除き売れなくなり、アドネットワークが普及しました。金額ベースではまだまだですが、枠ベースでは相当な占有率に達しているはずです。同じ2009年、米国ではAd Exchange(アドエクスチェンジ)がかなりの勢いで台頭しました。

Ad Exchangeとは、日本では『アドマーケットプレイス』(Ad Market Place)と呼ばれることの多い、広告の取引市場です。(以降、日本のものは『アドマーケットプレイス』、米国のものは『Ad Exchange』と呼ぶ。)日本での『アドマーケットプレイス』のイメージは、「広告主が広告枠をネット上でダイレクトに購入することができるから、代理店を中抜きにできる」というようなイメージだろうと思います。

ところが、米国で普及したAd Exchangeは全く様相が異なります。一点目の違いが、買い手がアドネットワークや広告代理店であって、広告主ダイレクトではない点。株式市場で言うところの個人投資家が数株をポロポロ買うような世界がいわゆる『アドマーケットプレイス』だとすると、『Ad Exchange』は機関投資家やファンドが買い漁るような世界。二点目の違いが、枠を指定して買うのではなく、オーディエンスデータ(Audience Data / ユーザーデータ / cookie)を利用して買うという点。むしろ、本当の枠などは見えなくて問題になっている(Transparency / Liquid)。三点目の違いが、ターゲティング企業(Data Exchange)や広告主最適化(DSP / Demand Side Platform)、媒体収益最大化(Yield Optimization)や媒体選定(Brand Safe)といった第三者のプレーヤーが多数エコシステム内に存在している点。(下図)

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日本の『アドマーケットプレイス』の場合、レップ系であればブランド名のある媒体のみにカスタマイズして配信するパターンと、CGM系の媒体をダイレクトに買い付ける2パターンが存在しています。いずれの形態も、媒体側から見ると「広告主とネットで直接取引できる」、広告主側から見ると「媒体を選べて一括で出稿できる」といったポジティブな意味合いを持つものです。ところが、米国で普及したものはこれとは全く異なり、媒体側から見ると「売れ残り枠を放りこんでおくと、勝手にいくばくか収益が上がるもの」であり、広告主側から見ると「アプローチしたいユーザーにだけリーチできる」(cherry pic)ものです。

米国でも、以前はAd Exchangeはゴミ溜めであって、ダメダメであったわけです(推測)。そこが変わったのが、オーディエンスのデータによる買付、言い換えると独自データや第三者データを使ったリターゲティングを含む行動ターゲティング等をAd Exchange上で利用できるようになったためです。その爆発は、まるでFacebookがAPIを公開して一気にエコシステムがポジティブスパイラルに入ったように。「媒体を買い付ける世界」から「オーディエンスデータで買い付ける世界」へのパラダイムシフト。さらに世界は1 impressionごとにcookieなどに対して入札されるRTB(Real Time Bidding)へと踏み出している。

以上、あらすじ。各々詳説へ続く。

ad:tech NY 2009に行ってきました

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IMG_0397ad:tech New York 2009(アドテック・ニューヨーク)に行ってきましたので、忘れてしまわないうちにご報告。ぜんぶ書いてしまうと大枚はたいて行かせてくれた会社に申し訳なので、簡単に(実は英語があんまできないことがバレる甚大なリスクの回避。社会人1年目のTOEICは300点だったんだからがんばったよ、俺。がんばった。)

雑感としては、どの領域をとっても"Optimize"(最適化)のフェーズに突入したんだなぁというところでした。言い換えると、驚くような新しいものは何も、ほんとに何もなくて、ターゲティングテクノロジーは数年来変わらず行動ターゲティング(含リターゲティング)とコンテキストマッチが未だ主流で、それをいかにOptimizeするか。そして、AdExchangeはもう珍しいものでもなんでもなくて、いかにBTデータやコンテキストデータを使って買い付けるかという、これもOptimize系の話。

そして、Twitterの馬鹿騒ぎが無く、冷静で良かった。結局メディアやブロガーなのだよな、騒いでいるのは。広告主はブログ馬鹿騒ぎに懲りたのだと思う。2年前に行った時は、バズ(クチコミ・PPP)系がうじゃうじゃいたんだけど、壊滅していて興味深し。ただ、米国の企業サイトを訪れるとTwitter, Facebookなどを通じて生活者と近いコミュニケーションは普通にとっていることを考えると、結局広告・コンサルティング会社がアドバイスするようなもんではなくて、普通に企業の担当者が書けばいいってことなんだと思っているんだけど。

そして、Microsoft, Yahoo!, SpecificMedia, ValueClickといったメジャーアドネットワーク&アドエクスチェンジの展示が無くなってて残念(企業グループとして出展があっても、其の展示が無い)。AdExchangeで買い付けてCPA保証するアドネットワークはうじゃうじゃいるんだけど。また、BTテクノロジー企業の顔ぶれが、2年くらい前の相次ぐ買収劇の頃からはがらっと変わり、新顔が台頭。

ad:techを終えて整理して考えるに、やっぱり日本でも一部の本当のプレミアム枠だけが純広告としてダイレクトセールスされ、それ以外は全部AdExchange & Ad Networkに流れる構造になると思う。TVCFでのタイム広告とスポット広告と同じくらいに。ただ、スポット広告はネット広告の場合テクノロジーによって価値が高くなるんだけれども。そしてその世界で勝つプレーヤーは、正確に幅広くAudienceをDefineし、正確に幅広くMediaをDefineできているプレーヤーなのだと確信した。つまり現在のように、主に抱えている広告キャンペーンの量に比例したeCPMで勝負が決するのではなく、ひとつひとつのad impressionに対して適正価格をbidできるターゲティングテクノロジーが優位性になる、と。で、それは他社と同じテクノロジー会社のデータを使えば、同じになっちゃうよね、と。今、旬なキーワードはRTB(Real Time Bidding)。

とりあえず、よろしくない業者やプロダクトは市場から退場し、極めて正しい方向にネット広告は向かっていると思いました。2年前にも予測されていた未来が想定通りにやってきた、ヤァヤァヤァ。

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今回の東京行幸はヘヴィーでした。ウコンの力 6本、Pricelessってことで。

で、今回の東京行幸のメインイベントでもあるad:techですが、正直残念でした。セッションは、今の課題などの話が中心で、3年先を見据えたような話はほとんど無く。あったとしても、抽象的で形而上な話で。あと、展示スペースは小さく、しかもアクセス解析系はオムニチュアのみ、CRM系の展示も無く。以前行かせてもらったNYでのad:techとはちょっと比べものにならないかも。(NYのad:techでは薩英戦争における薩摩藩のような衝撃を俺にもたらしたんだけどなぁ。鎖国?馬鹿言ってんじゃなかとです、と。)

一番残念だったのが、「生活者ごとのタイムライン」についての言及や展示がひとつもなかったところ。ここは絶対にマーケティングが次の世代に突入する時の核となる部分であるはずなので、ひそひそシコシコ作らば。ふぇっふぇっふぇ。まー来年できるっつー話じゃないけど。

もうひとつ、ターゲティングに関して意思表明が何も無かった。行動ターゲティングの未来について、ターゲティングは精度を上げれば上げるほど消化量が落ちるからダメだ、という論理が存在するわけですが、それは間違ってるとこのところ強く思っており。つまり、今後のターゲティングの大きな流れとしては、興味関心が強いものをいかに正確に抽出するかという方向性ではなく、いかに生活者にとって無駄な広告を届けないかのアプローチだと思うわけですね。金融で言う、格付けの高さ(AAA方向)ではなく、低い格付け(B以下)をいかに正確に行うかという方が重要なのですね。任天堂が優良企業だってことは誰にだってわかることで、金融工学のような数学なんて必要ない、けど絶対数が少ないし、それは周知の事実なので利益を生まない。

で、どうすればいいのかと言えば、センサーを見極めてターゲティングする必要がある。ショップの店員さんは、お客さんの服装系統・服飾価格レベル・語調・訛り・会話内容・雰囲気・目つき・顔立ち・肌・背骨・化粧・髪型・持ち物・同行人といったセンサーからその人の人となりを推測して対応する、そんなことと同機能をアドネットワーク上で提供する。それは過去の行動や今閲覧しているページ情報・状況というセンサーから、その人をうっすらと推測する。

現在主流の"第二世代行動ターゲティング"は、人力で「サイトAの音楽のページを閲覧した人は音楽好きです」などと定義して音楽の広告を配信している。「CDショップに入った人は音楽好きです」みたいなこと(え!?)であり、GReeeeNが好きな人もJUSTICEが好きな人も一緒くたになっちゃってたり。分けられてたとしてもJ-POPと洋楽とか。GReeeeNを好きな人は、たぶん「音楽好き」って胸を張って言うほど音楽好きでは無いだろうし、一般に普通な人としかくくれないはず。JUSTICEを好きな人は音楽好きで、サイバーのりPを見ても「普通じゃね?」って思って、ファッションブランドも想像できる18〜29歳くらいだしょう。

これで重要なのは、JUSTICE好きの音楽のセンスだけじゃなくて、うっすらパーソナリティを浮かび上がらすことができるって部分だと思ってて。よく知らんけど、ポルシェみたいなんとか、モンハンとか、初音ミクとか、PRADAとか、まぁいろいろ"センサー"があって、それぞれにその分野のセンサーなんだけど、ひとくくりにされてしまった後の"ゲーム"みたいな分野情報ってのは意味が無い。脳トレとモンハンのユーザーが高確率でかぶるはずがない。

回りくどいですが、JUSTICEを好きな人に対しては、音楽全般の広告を出すのではなく、エレクトロ系で売れ筋の音楽を推薦すべきなのはもちろんのこと、好む系統のファッションや、年収やライフスタイルに見合ったもの、"やんちゃ"な感じのテイストとか、渋谷近辺の24H営業飲食店のクーポンとか、、まぁわかりやすく言えばそういう広告を出すべきで。そんなルールを人間の手でカテゴリカルな世界に落とし込むのは昔のヤフーのサーチャー以上の人間が必要になる上に精度も悪いのでアルゴリズムで処理することになる。

かつ、生活者の興味関心領域が1個ないしは数個でとどまるはずが無い。俺はもうすぐペルーに行き、エレクトロな音楽が好きで、アクション映画が嫌いで、カフェが好き、インテリアが好き、京都と横浜と東京を行き来していて、釣りが好き、、、と限りなく、それを、より興味が深いものだけに絞り込もうとする行為自体おかしなこと(映画より音楽が好きかなんて決めらんねぇしぃ〜)。だから、AudienceScience(旧RevenueScience)やTACODAの延長上には第三世代の行動ターゲティングは存在しないと思っている。つまり、生活者の定義の方向性ではなく、行動自体のアソシエーションルール(協調フィルタリング)的な方向性です。"生活者(消費者)は多様化している"なんてマーケティングの教科書は10年以上前から書いているのに、生活者をカテゴライズする(クラスタリング系の)アプローチなんて!!

ただ、今のところそれを処理する計算能力が足りない。計算機は進化はし続けるのだけれど、アルゴリズム自体を改良しないと絶対ムリ。敏感なセンサーを勝手に見つけ出して、そこを重点的に処理するようなものでなければ追いつかない。たとえばリンゴ・梨・桃の購買履歴はマーケティングに使えないけど、Domani・Zipper・popteenの購買履歴はマーケティングに使えるってことも、ロボットに判断させなきゃらならい。仮にそういったことが実現できれば、あっちゅう間に世の中が変わるはず、です。

ところで、Amazon.co.jpを開くと、「New for You」「自分の欲しいものリスト」「おすすめ商品」「欲しいものからさらにお気に入りを見つける」「●●のベストセラー」「いまもっともクリックされている商品」「ベストセラー」とあって、商品ページには「よく一緒に購入されている商品」「この商品を買った人はこんな商品も買っています」「この商品を見た後に買っているのは?」「リストマニア」とある。これらの違いと狙いとアルゴリズムの根幹、本気で考えたことありますか?ぼくは、全部考えました。そして、広告もこっちだなって思って、上記のような考えに至ってます。このことについては、暇な時にまたタラタラと長文をエントリーしやうと思ひます。

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現在7AMですが、どうしても眠れないのでブログでも。不眠症じゃぁないですけれど。

日経本誌にも載りましたが、ライブドアが傘下のJリスティングを通じて、コンテンツ連動型&行動ターゲティング広告アドネットワークであるADWIRESを事実上買収しました。

ブログサービスに適した行動ターゲティング広告の本格導入に向けて
ライブドアがADWIRES(株)と資本・業務提携

これで、独立専業系アドネットワークが完全消滅しました。
Brainer→ヤフージャパン(のち、消滅)
ぴたっとマッチ→楽天(のち、ぴたっとアドへ改称)
ADWIRES→ライブドア
(Pitta!をアドネットワークとすれば唯一の独立系?)
※プレミアム系バナーネットワークを除く
難しいのですよね、いろいろと。

ライブドアさん側の戦略としての考え方はこのインタビューの通りでしょうし、裏付けデータとしてはこれなのだと思います。
また、独立専業系アドネットワーク側としては事業が成り立たない悩みが。

ただ、理論と実際が違うのが結構悩ましいところで、販売チャネル(広告代理店とのリレーション)や、大型媒体とのリレーション、個人サイトオーナーとの適切なコミュニケーションなどが肝要で。MBAの教科書には載ってない系の。

1株は相当安価だったとは思うのですが、資産査定(人的資産・暗黙知資産・システム的資産)は十分行えたのかな?

さて、会社行こ。

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海外ニュースや海外ブログの情報は社内向けにだけ共有していたのだけれど、なんだか内向きで悲しい気持ちなので、このブログで。まだまだこの業態は競合を出し抜くよりも啓蒙が必要なフェーズだので。先行者メリットが小さく、最終的には実力で決着つくって理由もある、政治力以外だと。

さて。

以前から非常にスマートなエントリーを連発していた、元RightMediaのMike氏が、またまたすばらしいエントリーを上げています。(ちょうど俺が一番書きたかった記事だった)

I don’t care who you say you are, what do you DO?

Ad Exchange(アドマーケットプレイス)が登場してから数年間、この世界の変化が止まっていることを嘆いています。各社がバラバラの呼称で自サービスを定義するので認識が混乱しているため、プレーヤーをまとめてくれています。以下抜粋。

サービス
自社メディア販売
 CPMと収益の増大
他社広告枠の再販
 他社の枠の買付額と広告主への販売額の差益の最大化
枠もしくは広告主の代理
 固定マージンで媒体を助ける。枠収益の最大化か広告主のROI最大化
データアグリゲーション
 ユーザーデータの集約と再販。SafariとIE8を嫌っている

テクノロジー
内部アドサーバ
 自社ネットワーク内でのみ稼動する。テクノロジーを競合優位性と見なしている。
外部利用可能アドサーバ
 アドサーバ利用ライセンスを第三者企業へ提供。複数の企業が同一プラットフォームを利用することで、集約と連結機会が提供される。
内部トレーディング
 外部利用可能アドサーバを通じて枠の売買ができる。規模が大きいほど価値が上がるネットワーク効果。
買付API提供
 購入側がクリエイティブのUPや管理できるAPIを提供。
販売API提供
 いくらで購入されるかをリアルタイムで要求できる。
※上記リストにクリエイティブオプティマイズ・BT分類・コンテンツ解析は含まれない。

と定義した上で、結局は各事業者ごとにやっていることはバラバラなので、単純に事業者に呼称を付けることはできないよ、というオチです。

日本における「アドマーケットプレイス」という呼称は”広告主が媒体を選んで直接取引をする場所”というのが大方の認識だと思われますが、それは米国で"Ad Market Place"や"Ad Exchange"と呼ばれるもののごく一部の機能であるということです。日本のアルファブロガーの方でも上記の1対1取引を前提にして説明をされる方が多いのですが、おそらくこの1対1取引だけではネットワークが成立しないでしょう。日本でも数社が「アドマーケットプレイス」を手がけていますが、いずれも1対1取引のものです。

なぜウォール街とこの世界を同一視するのか、その一端が覗けると思います。複雑怪奇という意味でも。



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